インタビュー

認知症の進行-重症度により症状は異なる

認知症の進行-重症度により症状は異なる
上田 諭 先生

東京医療学院大学保健医療学部リハビリテーション学科教授

上田 諭 先生

認知症になると徘徊や暴言・暴力が見られるという誤った理解が一部ではなされています。しかし、認知症は軽度・中等度・重度に分類され、認知症になるとすぐにこのような症状が出るということはありません。認知症はどのような経過をたどるのか、その重症度と代表的な症状について、日本医科大学 精神神経科 講師の上田諭先生にお話しいただきました。

認知症の重症度と進行のスピード

認知症は軽度・中等度・重度に分類されます。そして重症度(進行の度合い)によって、症状やできること・できなくなることは変わってくるのです。例外もありますが、代表的な症状は次のとおりです。

不幸な認知症 幸せな認知症

(引用:「不幸な認知症 幸せな認知症」)
 

重度の方は、自分が今いる場所・時間・人の顔などがわからなくなります。自分一人で歩く・話す・排泄するということも難しくなります。テレビでよく取り上げられる徘徊もこの重度の場合に見られるものです。
しかし、発症してからこの状態になるには通常10年以上かかります。つまり、認知症になるとすぐに何もできなくなるというわけではないのです。軽度・中等度の方は自分でできることも多くあり、何もわからないわけではありません。料理や着替えなど少しずつ行いにくくなることもありますが、手伝ってあげればできることもあるのです。

「認知症=徘徊」ではない

誰しも道に迷うことはあります。これは誰にでも起こりうることで、知らない街や複雑な道では迷うことは問題になりません。しかし認知症の方が同じように道に迷っていたらどうでしょう。これは多くの場合「徘徊」と呼ばれてしまいます。しかし「認知症になると誰でも徘徊する」ということはなく、徘徊とは、あくまでも認知症が進行したうえ(重度)で引き起こされる状態にすぎないのです。認知症の方を見かけても、徘徊ではなく単に道に迷っているだけかもしれない、と考え接してあげることが重要なのです。「徘徊」という言葉を安易に使っているメディアは、それがいかに社会の偏見を強めることになっているかに気づくべきです。

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    上田 諭 先生

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