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アルツハイマー病予防には生活習慣を見直すことが大切~具体的には何をすればよいの?~

アルツハイマー病予防には生活習慣を見直すことが大切~具体的には何をすればよいの?~
山田 正仁 先生

金沢大学 医薬保健研究域医学系 教授

山田 正仁 先生【監修】

目次
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※本記事は一般医療ライターが執筆し、当該領域専門医の監修のもと掲載している情報です。

アルツハイマー病は認知症の主な原因で、高齢者で多発しますが、ときに65歳未満でも発症することがあります。高齢者に見られる一般的なアルツハイマー病は、加齢を背景に遺伝的な素因や環境的な要因(生活習慣やそれに関連する生活習慣病)などの複数の因子が作用して発症に至ると考えられています。なかでも高齢者に見られる一般的なアルツハイマー病は、加齢を背景に遺伝的な素因や環境的な要因(生活習慣やそれに関連する生活習慣病)などの複数の因子が作用して発症に至ると考えられています。

アルツハイマー病は多くの場合、もの忘れから始まり徐々に思考力、判断力なども低下し、最終的に認知機能が全般的に低下し言語の理解や発語もできなくなり寝たきりの状態となります。アルツハイマー病を予防したり根本的に治療する方法は現時点ではまだ確立していませんが、日常生活の心がけによって発症や進行を遅らせたりすることができる可能性も考えられています。

ここでは、アルツハイマー病の予防に有用であると考えられている生活習慣を中心に詳しく解説します。

アルツハイマー病の発症には、糖尿病高血圧脂質異常症、肥満などの生活習慣病が危険因子となっている可能性が示唆されています。また、これらは動脈硬化を悪化させる因子ですが、動脈硬化もアルツハイマー病の発症に関係しています。

生活習慣病がアルツハイマー病の発症に関与する仕組みとして、動脈硬化などの血管の障害による脳の損傷があるほか、糖尿病や脂質異常症などに関連する代謝の異常が直接アルツハイマー病の脳病変の形成に関与している可能性が報告されています。

すなわち、生活習慣病や動脈硬化の予防につながる“よい”生活習慣は、アルツハイマー病に対しても予防的に作用する可能性があります。言い換えると生活習慣病や動脈硬化の原因につながる”悪い“生活習慣は、アルツハイマー病発症の危険因子となる可能性が考えられます。

生活習慣の改善によってアルツハイマー病が予防できるという科学的根拠は十分ではないものの、”よい“生活習慣を身につけること、生活習慣病があればそれをきちんとコントロールすることは非常に重要です。

基本的にはバランスのよい食事を心がけることが大切です。

栄養

食品に含まれる各種成分からみると、アルツハイマー病予防には不飽和脂肪酸を取るとよい可能性があることが報告されています。不飽和脂肪酸は魚によく含まれる脂質で、健康にはもちろん認知機能の低下防止にも期待できます。特に魚油に含まれるω-3系の長鎖不飽和脂肪酸は、降圧作用、血栓予防などの作用もあり、魚の摂取量が多いとアルツハイマー病予防になるというデータも存在しています。

さらに、ポリフェノール類を豊富に含む食品の摂取がアルツハイマー病予防に有効であることを示唆するデータもあります。

そのほか、ビタミンE、ビタミンC、βカロチンといった抗酸化物質は体の酸化(老化)を防ぐため、生活習慣病予防によいとされています。

このように食品に含まれる、いくつかの食品成分が認知症やアルツハイマー病予防に効果がある可能性が報告され考えられています。ただし、特定の成分をサプリなどの形で多く摂取することで実際にアルツハイマー病を予防できることを実証したデータはなく、今後の研究が必要です。

減塩

高血圧予防のために減塩対策を行うようにしましょう。1日の食塩摂取の目標量は、男性で8.0g未満、女性で7.0g未満です。日常生活で減塩を行うには薄味に慣れる、漬物や汁物を控える、保存食を食べ過ぎないなどの心がけが必要です。

また、酸味や香辛料、油を上手に使うことで塩分が少なくても食事の満足度が高まるので工夫して食事をするとよいでしょう。そのほか、糖尿病脂質異常症などを予防するためにはカロリーやコレステロールの過量摂取に気をつけることも大切です。

少量のアルコール摂取はよいとする報告もありますが、基本的にアルコールは神経細胞を障害するため、禁酒が最善です。

また、喫煙習慣のある方は、ない方の3倍アルツハイマー病にかかりやすいという報告があります。そのため、禁煙はアルツハイマー病の予防につながります。

日々の運動や日常生活面の工夫がアルツハイマー病予防に役立つといわれています。運動には散歩や軽いジョギング、サイクリングなどの有酸素運動がよいとされています。適度な運動は心臓の機能を改善し血流をよくすることにつながるほか、脳のはたらきをよくする可能性もあります。

頭を使うパズルをする、新聞を読むなどの頭を使う行動を日常生活の中に取り入れることで、神経細胞間の新しい接続(シナプス)が形成され、認知症の進行を遅らせることができる可能性も示唆されています。

さらに、また友人や近隣との交流やグループ活動や就労など、社会的な活動を維持することが認知症予防に役立つと考えられています。

アルツハイマー病における遺伝的要因を制御することは、現段階では難しいと考えられています。しかし、生活習慣病などの後天的な要因に対しては予防策を講じることが可能です。そのため、バランスのよい食事や適度な運動、禁煙などを心がけ、いわゆる“健康によい生活”を送ることが大切です。

なお、頻繁にもの忘れをするなど、アルツハイマー病が心配されるような症状が現れた場合は、早めに脳神経内科、精神科などによる認知症の専門外来を受診しましょう。

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