インタビュー

アルツハイマー病の予防とリハビリ

アルツハイマー病の予防とリハビリ
橋本 律夫 先生

国際医療福祉大学 教授 、国際医療福祉大学病院 神経難病部長

橋本 律夫 先生

この記事の最終更新は2016年04月30日です。

認知症のなかでももっとも多くの割合を占めるアルツハイマー病の予防については、音楽療法や回想療法など数々の方法が試されていますが、実際に確固たるエビデンス(医学的根拠)が証明されているものは少ないといえます。国際医療福祉大学神経内科の橋本律夫先生に認知症のリハビリについてお話をうかがいます。

アルツハイマー病の予防やリハビリとして確固たる医学的根拠があるものはほとんどないといわれていますが、唯一効果があると期待されているのは脳トレ(脳の機能を高めるトレーニング)のような「認知リハビリ」です。

ただし、このようなトレーニングは楽しんで行えることでより効果が高まると考えられます。現在の脳トレの多くは高い点数を獲得することを目的とする難しい問題で構成されているものもあるため、それがアルツハイマー病を抱える方や予防のために行う方の日常生活認知の面で助けになったり、生活の質の改善につながるのかは、まだまだ研究データを積み重ねる必要があるでしょう。

遊ぶネズミと遊ばないネズミを比較した実験があります。遺伝的には同じ種類ですが、一方は何もないケージ、もう一方は玩具を設置したケージで自由に遊べるような環境をつくり、えさを与えて老齢になるまで観察しました。すると、遊んだネズミの方が脳の萎縮が少なく老化の所見が少ないことが分かりました。これは、人間に当てはめて考えると「楽しい」と感じる経験や好奇心を持って何かを行うことが、脳の萎縮や老化の予防に効果があると推測できる結果といえます。

玩具で遊んだネズミは、何もないケージで過ごしたネズミよりはるかに運動量が多いということが分かっています。そのため、フィジカルエクササイズなどの研究も行われていますし、運動が認知症の根本治療(脳の変性そのもの)にどのくらい効果があるのかという科学的データも集まりつつあります。

さらにいえば、「楽しい運動」であればもっと効果が望めるのではないかと考えられます。もし運動を始める際には、ご本人が苦痛に感じるような方法は避け、無理がない方法や運動量(年齢や症状に応じて安全に行える程度)で、楽しく続けられるご自身に合った方法を見つけていただきたいと思います。

受診について相談する
  • 国際医療福祉大学 教授、国際医療福祉大学病院 神経難病部長

    橋本 律夫 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が28件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「認知症」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。
    実績のある医師をチェック

    認知症

    Icon unfold more
    1問アンケート
    Q1.認知症かもしれない、将来認知症になったらどうしようなど、認知症について不安に思うことはありますか?
    ご回答ありがとうございます。
    確認用のメールをご確認ください
    上記アドレスに確認用のメールを送信しました。
    メールに記載されたURLから
    登録にお進みください。
    ご登録ありがとうございます
    認知症に関連する情報を
    優先的にお届けします