
パニック症(パニック障害)は100人あたり1人程度がかかる病気で、20~30歳代によくみられ、女性は男性の2倍かかりやすいとされています。この病気では突然、動悸、息苦しさ、めまい、寒気やほてり、吐き気などの症状が現れ、「死んでしまうのではないか」といった恐怖を感じることもある発作を起こすことが特徴で、これをパニック発作といいます。また、パニック発作が繰り返し生じるようになり、「また発作が生じるのではないか」という不安を感じて、1人でいることができなくなったり外出が困難になったりすることもあります。
では、どのような基準でパニック症と診断されるのでしょうか。また、どのような場合に受診を検討するとよいのでしょうか。
パニック症は、アメリカ精神医学会による“DSM-5(精神疾患の統計・診断マニュアル第5版)”と呼ばれる診断基準等をもとに、医師が問診によって診断します。
以下では、DSM-5をもとにパニック発作およびパニック症の定義や実際の診断基準についてお伝えします。
パニック発作とは、動悸、息苦しさ、めまい、寒気やほてり、吐き気などによる突然の発作を指します。発作は急に生じ、数分のうちにピークに達した後、次第に落ち着きます。
DSM-5では、以下の13症状のうち4つ以上の症状が現れる場合をパニック発作と定義しています。
パニック発作があった場合、DSM-5では以下のような診断基準によってパニック症を診断しています。
パニック症は、パニック発作への不安が強くなり行動に制限が生じ、日常生活に支障が生じる状態を指します。うつ病などそのほかの精神疾患を併発することも多いので、早期発見・早期治療を行うことが大切です。
以下では、パニック症のセルフチェックについて解説します。当てはまる項目が多い場合、気になる症状がある場合には病院の受診を検討しましょう。
パニック発作によって動悸や息苦しさ、胸の痛み、めまい、吐き気などさまざまな症状が現れ、ときに「死んでしまうかもしれない」という恐怖で救急車を呼ぶ人もいます。また、その症状から最初は心臓や呼吸器などの重い病気を疑って内科などを受診する人もいますが、パニック症の発作の場合は、体の病気ではなく不安の病気であるため、血液検査、心電図、画像検査などをしても異常がみられません。
このため、パニック発作があるにもかかわらず検査で異常がみられない場合にはパニック症を疑い、心療内科・精神科の受診を検討しましょう。
パニック症は治療によって症状の改善が期待できる病気です。日常生活に支障があって困っているならば、症状が悪化したり、うつ病などのほかの精神疾患を併発したりする可能性もあるため、早めに病院の受診を検討しましょう。
また、病院の受診をためらう場合には、地域の保健所などにある“精神保健相談”を利用することも検討するとよいでしょう。
千葉大学 医学部附属病院認知行動療法センター センター長(教授)
清水 栄司 先生の所属医療機関
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パニック障害
パニック障害のチェックをやって見たらパニック障害であると結果が出ましたどうすればいいですか
投薬治療の継続期間と妥当性について
2年前にパニック障害と診断され、抗うつ薬を処方され毎日服薬しています。(抗不安薬については頓服) パニック発作の頻度が非常に少なく、抗うつ薬を服薬し続ける必要が本当にあるのか疑問に感じています。 年齢的に更年期障害が起こるころで、実際別の医療機関で血液検査の結果、更年期障害と診断を受けています。(こちらは漢方の処方のみ)。 パニック発作の頻度が少なく、文献に比べて症状が軽度であることから、本当にパニック障害なのかと疑問を感じ始めています。パニック障害ではなく更年期障害による「パニック的な」発作であるならば、抗うつ薬の無用な服用は害になることはないのでしょうか。 心療内科/更年期障害と診断した婦人科双方に、通院歴は申告しています。
突然の恐怖に気が狂いそうになる
友達と楽しくご飯していたり、 スポーツをしていたり、 仕事中や、家で寝ていても、 突然、どこに居ても恐怖が襲ってきて、 体がビクンッ!!となります。 その後は、住んでいる家でも、 布団の中でも、外出先でもとにかく 今いる場所が(地球が)怖くなります。 宇宙の底まで落下するように地面が ヒューッと落ち、背中がスーッと 落ちる感覚が止まらなくなります。 めまいや動悸、発汗が始まり、 このまま一生この落下状態が続くんじゃないかと、気が狂いそうなほどの恐怖でたまらないので暴れたくなります。 さらに、発作が治まってもまたこの発作がくるんじゃないかと日々不安で恐怖でユラユラとした心理状態がとても辛く、とても疲れます。
急な動悸がする
月に1回ほど、急に血の気が引く感覚とともに動悸が起こります。精神的な症状と言われ精神科で薬の処方がありますが月一回必ず動悸が起こるので不安です。
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