インタビュー

うつ病の種類―新型うつはうつ病?

うつ病の種類―新型うつはうつ病?
端詰 勝敬 先生

東邦大学医療センター大森病院 心療内科 教授

端詰 勝敬 先生

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この記事の最終更新は2018年03月27日です。

うつ病は、心の病気のなかでもメジャーなもののひとつです。ここ数年、新型うつ、現代型うつと呼ばれる非定型うつも話題になっています。うつ病の種類について、東邦大学医療センター大森病院 心療内科 教授の端詰 勝敬先生にうかがいます。

うつ病と皆さんが聞いてイメージするのは、医学的には大うつ病性障害と呼ばれるものでしょう。

不眠や食欲低下などの身体症状、不安や気分の落ち込みなどの精神症状が2週間以上続いた場合に、大うつ病性障害と呼ばれます。

ここでは、大うつ病性障害をうつ病と定義し、解説します。

DSM-5:米国精神医学会発行の「精神障害の診断と統計マニュアル第5版」

 

うつ病の症状についてはこちら

普段はうつ病の症状が出ているものの、趣味や楽しいことがあるとうつ病の症状がよくなるタイプの患者さんがいます。これは新型うつと呼ばれていますが、2018年1月現在、明確な医学的定義がなされていません。そもそもうつ病の一種と捉えるべきなのかという議論もあります。

継続した抑うつ症状がみられないため、うつ病の診断基準を満たしませんが、かといってなまけているわけではないでしょう。症状が出ているとき、本人がつらい思いをしているのは事実です。

通常、うつ病の治療では薬が効果的で十分な休養が必要ですが、新型うつは薬が効きにくく、休養よりも少し頑張ったほうがよいともいわれています。

このように、定義も治療法もあいまいなため、2018年1月時点において新型うつにおける治療法は医師の個別判断に委ねられています。

もし、落ち込みや不眠などのうつ病に似た症状が2週間以上続き、生活にも支障が出ている場合には精神科や心療内科を受診しましょう。うつ病は、日本において生涯に約15人に1人の割合[1]でかかる病気ですが、治療することで回復する可能性も十分にあります。

家族など周囲の方も、いつもと様子が違う状態が長く続いたら、本人の話をよく聞き、受診を促してあげてください。

注1:厚生労働省厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)国立研究開発法人日本医療研究開発機構障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)「精神疾患の有病率等に関する大規模疫学調査研究:世界精神保健日本調査セカンド」(2016年5月)

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