概要
再生医療とは、病気やけがなどで機能を失った組織や臓器を修復、再生する治療のことです。患者自身、または他者の幹細胞(全ての細胞のもとになる細胞)などを用いて特定の組織や細胞を人為的に作り出し、それを移植することで失われた組織や臓器を再生することが可能という考え方に基づきます。
再生医療で用いられる幹細胞には、“体性幹細胞”“ES細胞”“iPS細胞”の3つの種類があります。このうち、体性幹細胞は私たちの体内に広く存在し、血液や脂肪、骨、軟骨、筋肉、血管などの細胞のもとになっています。ある種の細胞は、特定の組織や細胞しか作り出すことができないのが特徴です。現在もっとも再生医療への応用が進んでいるのは、この体性幹細胞を用いたもので、保険適用となって多くの患者に行われている治療もあります。
一方、ES細胞やiPS細胞はさまざまな組織や細胞を作り出す能力を持ち、“多能性幹細胞”とも呼ばれる細胞です。ES細胞は受精卵を培養することによって生み出すことができ、iPS細胞は体の細胞から人工的に生み出す幹細胞ですが、2012年にはその功績が称えられ、開発者である山中 伸弥氏がノーベル賞を受賞しています。また、2014年には世界で初めてiPS細胞から作られた網膜の移植手術が実験的に行われ、今後も広い分野の治療への応用が期待されています。
再生医療は、従来の治療法では十分な効果が望めなかった病気や、けがを治癒に導く治療法として大きく期待される一方、その安全性はまだ確立されていません。このため、再生医療を行うときだけでなく、再生医療に使用する細胞や組織の培養を行う際にも厚生労働省への申請が必要となります。
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目的
再生医療は病気やけがなどによって失われた組織や臓器を再生することを目的として生まれた新たな医療です。
現在、再生医療を適応できると考えられている人体の部位は多岐にわたり、脳神経、目、耳、歯、歯肉、心臓、肝臓、食道、大腸、腎臓、尿道、卵巣、子宮、血管、皮膚、関節、骨などが挙げられます。これらの部位に生じる病気の中には、望み得る最高レベルの医療を行っても十分に改善しないものも多いため、手の施しようがなく命を落とすケースや重大な後遺症を残すケースも多々あるのが現状です。
再生医療は、患者自身や他者の細胞から治療に必要な組織や細胞を作り出して移植するため、他者の臓器移植などに頼ることなく治療を行うことが可能となります。また、現在の医学では治療法が確立していない病気の中にも、再生医療によって治癒する可能性が示唆されているものもあり、これまでの医療では治すことができなかった病気やけがのある部位を“新たに作り出した健康的な組織や臓器に入れ替える”ために生み出された治療法なのです。
現在、再生医療の対象となっている病気やけがは多岐にわたりますが、体性幹細胞を用いた一部の再生医療を除いて多くは研究段階にあります。このため、再生医療が行われるのは極めて限定的なケースといってよいでしょう。
万が一、臨床研究や治験の適応対象となっている病気やけがになり、本人の体力や合併症の有無、研究参加への意欲などの条件がそろえば、研究を行っている医療機関で再生医療を受けることができる場合があります。
検査・診断
再生治療を行う前にはそれぞれの病気の診断や重症度の評価を厳密に行うため、血液検査や画像検査などが必要に応じて行われることが一般的です。
検査の内容は病気の種類によって異なり、医療機関によって取り入れられている検査に差があるため、担当医の指示に従って検査を受けましょう。
治療
現在、健康保険を適用して使うことができる再生医療等製品は16種類あります(2022年6月時点)。なお、多くの場合は体性幹細胞を用いますが、近年は遺伝子発現を用いる製品も現れています。
健康保険が適用される再生医療の例
- 重症熱傷、先天性巨大色素性母斑、表皮水疱症
- 膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の臨床症状の緩和
- 造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病
- 虚血性心疾患による重症心不全
- 脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善
- 再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
- 再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫及び濾胞性リンパ腫
- 慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善
- 脊髄性筋萎縮症(遺伝子検査により脊髄性筋萎縮症の発症が予測されるものも含む)
- 角膜上皮幹細胞疲弊症
- 角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減
- 悪性神経膠腫
- 再発又は難治性の多発性骨髄腫
- 非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療
など
一方、多能性幹細胞であるES細胞とiPS細胞のうち、iPS細胞から作られた網膜組織が加齢黄斑変性の患者に移植されるなど、治療への実用化が始まっているものの、保険適用となっているものはありません。研究の段階であるため“治療”というよりはむしろ“研究”といってよいでしょう。現在は、パーキンソン病、脳梗塞、水疱性角膜症、鼓膜損傷、重症心筋症、口唇口蓋裂、歯周病、糖尿病、先天性食道閉鎖症、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝硬変、卵巣がん、子宮頸がん、変形性関節症、難治性骨折、閉塞性動脈硬化症、再生不良性貧血、表皮水泡症などに対する治療への応用が研究されています。
しかし、これら多能性幹細胞はがん化するリスクが現状では否定できません。また、ES細胞は本来胎児として成長するはずの受精卵を用いるため、倫理面で議論を呼ぶこともあります。
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薬の副作用を疑っています。
本日、小学校1年生、7歳の娘が長引く咳のため、内科を受診しました。症状としては咳だけが続いており、発熱、鼻水等はなく食欲や元気もありました。症状が咳だけで元気だったこともあり、医療機関の受診はしていませんでしたが、咳が2週間続いていたので、流石に長過ぎるのではないかと思い、本日、受診に至ったという経緯です。午前中の受診だったため、昼食後に処方された薬を服用したところ、服用後30分くらい経過したころからだるそうにし始めました。薬の反応かと思い特に気にしていませんでしたが、服用後3ー4時間程して39.8℃の発熱が始まりました、そして就寝前に薬を再度服用したところ、30分から1時間程して急な吐き気をおこし、嘔吐しました。それまでの2週間では発熱、嘔吐等、全くなく元気だったこと、薬の服用から症状が出るまでの時間の経過が自分が食べ物のアレルギーの症状が出た時とよく似ている為、薬が原因の副作用による、発熱、嘔吐ではないかと疑っています。処方された薬は ①ペリアクチン散1%(0.4g)アスベリン散10%(0.4g)カルボシステインドライシロップ50%「NIG」(1.2g)昼夜服用 ②キプレス細粒4mg(夜服用) ③ツロブテロールテープ1mg「久光」夜貼付 ④フルティフォーム50エアゾール56吸入用 昼夜服用 処方され服用したのは以上の4点です。 質問は2点です。 ①娘は体重が22kgなのですが、薬の量は適量でしょうか?(自宅周辺の小児科がお休みだったので、普段は小児を診ていない内科でみていただきました) ②今は関節痛、発熱があるのですが、意識ははっきりしており、夜の薬の服用後に嘔吐した後は水分は摂取できているので、薬の服用を中止し自宅で様子を見ています。明日は日曜日で空いている医療機関が少ないので、症状が落ち着いていれば無理に受診して体力を使うより自宅で休ませておこうと思っているのですが、受診するべき状態でしょうか? お手数おかけしますがお教えいただけますと幸いです。何卒よろしくお願いします
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