血管内治療ができず、開頭クリッピング術になるパターンの中で、手術が難しいといわれるものに瘤の壁や根元から枝(血管)が分枝しているケースがあります。昭和大学脳神経外科学教授水谷徹先生にこのようなケースを解説していただきます。
●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由
このケースは動脈瘤から分枝動脈が出ており、血管内治療を多く施行されている施設から
血管内治療ができないということで紹介されました。
●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)
まず動脈瘤の端に順番に2本のストレートのクリップをかけて、次に湾曲したクリップをかけ、分枝動脈を温存するようなデザインでクリッピングを行うことができました。
●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)
特別な症状などなく良好な経過で、術後8日で退院されています。
●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由
7年前に右内頚動脈―後交通動脈分岐部動脈瘤に対して開頭クリッピング術を施行しましたが再発していることがわかりました。動脈瘤の途中より前脈絡叢動脈が分枝しており、血管内治療が不可能であるため、開頭術をふたたび選択しました。
●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)
癒着が強く動脈瘤部分の剥離に苦労しましたが、2本の有窓クリップを使用して、前脈絡叢動脈を温存した手術としました。
●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)
特別な症状などなく良好な経過で、術後10日で退院しましました。
昭和大学 医学部脳神経外科学講座 教授
水谷 徹 先生の所属医療機関
関連の医療相談が13件あります
未破壊脳動脈瘤の予防処置について
開頭クリッピング術とカテーテルによるコイル術の違いを教えてください
めまいで受診したところ脳動脈瘤が見つかり、経過観察と言われた
半年ぐらい前からめまいがひどく、横から殴られたようにぐらついたり、視界が揺れたりしていたため、 耳鼻咽喉科を受診したところ、異常なしと診断を受けたが、脳神経外科の受診を勧められた。 その後、脳神経外科を受診したところ、脳動脈瘤という診断を受けたが、めまいの直接的な原因ではないと言われた。 脳動脈瘤の方はまだ大きくはないので経過観察だが、若いので念のため半年おきにMRIを撮るという流れになった。 この場合、めまいに対しては何科を受診したらよいのか。 また、脳動脈瘤に関しては引き続き同じ脳神経外科でMRIを撮りに行った方が良いのか。それとも一度別の病院にかかった方が良いのか。
未破裂脳動脈瘤の治療に関して
10年ほど前に脳底動脈に脳動脈瘤を指摘され、高血圧、高脂血症の薬を内服中でございます。頸部の動脈狭窄もあるため、抗凝固剤も内服しております。 ここ数年で動脈瘤の大きさが2倍くらいになり、現在の大きさは5~6mmです。大きさはさほど問題は無いようなのですが、瘤の形が突き出ている角?のようなものが数カ所あり、それも大きくなっているとのことで、何らかの治療を勧められました。 しかし、動脈瘤の位置が開頭では確認しにくい位置にある為クリッピングは難しく、コイリングが最も良いだろうと言われました。コイリングに関しても、これ以上ネックが大きくなったら難しくなるとのことです。 一番問題なのが、ヨード過敏症があると言うことです。 40年以上前の腎結石の際の造影で、全身に湿疹が出来、ヨード過敏を指摘されました。そのため、どこの病院に行っても治療は出来ないと言われてしまいます。 何か良い方法はないものかと悩んでおります。 私の叔母が40歳代でくも膜下出血で、母が脳出血で亡くなっていること、高血圧の持病もあり、時々血圧が220以上まで跳ね上がる事もあるため、何とか治療できたらと願っております。 何か良い方法があればご教授頂きたく、ご相談させて頂きました。 よろしくお願いいたします。
クモ膜下出血はどのような人がなるのでしょうか?
先日、友人のお母さんがクモ膜下出血で亡くなったという話を聞きました。発見が遅く、発見されたときにはすでに亡くなっていたそうです。私には一人暮らしの母が地元にいるのですが、この話を聞いてから母が突然、倒れるのではないかと心配になることがあります。クモ膜下出血って、そもそもどのような人がなるのでしょうか?ならないように気を付けることができるのでしょうか?
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