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おなかの張りが続いたり、便通の変化が気になり始めたら?専門医が解説する「おなか」と「おしり」のトラブル対処法

公開日

2026年03月19日

更新日

2026年03月19日

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2026年03月19日

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久我山駅前メディカルクリニック院長/石田 航太 先生

30歳代あたりから、おなかの張りや痛み、便通の変化、肛門(こうもん)まわりの違和感などを自覚する人は少なくない。しかし、「疲れているだけ」「食べすぎたせいだろう」などと考え、ついつい医療機関の受診を先送りしてしまう人もいるだろう。

ただ、症状そのものは軽くても、原因が分からないまま時間が過ぎると、不安が積み重なってしまうことがある。

そこで、久我山駅前メディカルクリニックの院長であり、 日本消化器内視鏡学会認定の消化器内視鏡専門医など、複数の専門医資格を有する石田 航太(いしだ こうた)先生に、「おなか」と「おしり」のトラブルにどう向き合えばよいのか、地域のクリニックにおける診療体制などについてお話を伺った。

原因が1つとは限らない、おなかのトラブル

30歳代くらいから、おなかの調子が以前とは少し違うと感じる方が増えてきます。たとえば、食べる量や生活習慣は変わっていないのにおなかが張りやすくなったり、便がゆるい日が続いたり、逆に出にくさが気になるようになったり。中には「なんとなく違和感があるけれど、忙しいから深く考えないようにしている」という方もいます。

おなかの症状は、生活習慣やストレスとも結びつきやすく、原因を1つに決めつけることは難しいものです。だからこそ、ご自身だけで答えを出そうとせず、気になる状態が続くときには、地域のクリニックをうまく使ってほしいと思っています。

「痔だろう」と思い込みやすい、おしりのトラブル

おしりのトラブルは、恥ずかしさもあって受診のハードルが高くなりがちです。出血や痛み・かゆみがあっても「きっと痔だろう」「市販の薬で様子を見てからにしよう」などと考える方もいらっしゃいますが、実際には似たような症状でも原因はさまざまです。肛門まわりに原因がある場合もあれば、大腸の炎症やポリープ、大腸がんなどが潜んでいることもあります。

ご自身ではどこから出血しているかといったことを判断することは難しく、痛みの感じ方も人によって違います。日々の診療でよく耳にするのは「もっと早く相談すればよかった」という言葉です。ひとりで抱え込まずに診察や検査を受けることで、原因に基づいた必要な対応を一緒に考えやすくなりますし、不要な心配も抱え込まずに済みます。

医師と一緒に自分に合った治療法を

診察では、どんなときに違和感が強くなるのか、生活のどんな場面で困り事が出てくるのかといった手がかりから、原因を見つけていくことになります。

どんな検査や治療が必要かは、こうした情報を整理したうえで判断されます。もちろん、検査に進まなくてもよいケースもありますし、生活上の工夫だけで症状が落ち着くこともあります。

適切なタイミングで診断を受け、治療の選択肢を整理できれば、なるべく普段の生活を守りながら対処していくことも可能です。仕事の予定や家庭の事情も含めて相談し、日帰りでできる処置を選ぶか、もう少し時間をかけて治療していくかなど、医師と一緒に考えながらご自身に合った方法を選ぶのがよいでしょう。

ひとりで悩まず、医師への相談を選択肢に

おなかのことも、おしりのことも、それ以外の体調の変化も、患者さんにとっては一つひとつが大きな不安です。例えば私のクリニックでは、医師が一方的に治療方針を押しつけるのではなく、患者さんの生活や仕事の状況などをお聞きしながら、「今日はここまで確認しましょう」「このタイミングでの検査を検討しましょう」といった形で、現実的な落としどころを一緒に探すようにしています。

「おなか」と「おしり」のトラブルは、誰にでも起こり得る身近な変化です。
症状が続くときはもちろん、「これは相談していいのだろうか」と迷うようなときも、ひとりで抱え込まずに、まずは受診してみることを前向きに考えてほしいと思います。状態が分かるだけでも気持ちが軽くなることがありますので、気がかりなことがあれば、早い段階で遠慮なく地域のクリニックに相談してみてください。そこから先の道筋は、医師とともに考えていきましょう。

取材依頼は、お問い合わせフォームからお願いします。

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