インタビュー

脳動脈瘤クリッピング術―症例パターン1 大型―巨大動脈瘤

脳動脈瘤クリッピング術―症例パターン1 大型―巨大動脈瘤
水谷 徹 先生

昭和大学 医学部脳神経外科学講座 教授

水谷 徹 先生

この記事の最終更新は2016年08月14日です。

開頭クリッピング術になるパターンにおいて、手術がもっとも難しいといわれるのは大型―巨大動脈瘤です。大型―巨大動脈瘤は、動脈瘤から分枝動脈が出ている場合が多く、血管内治療が困難な場合が多いのですが、治療できたとしても再発率が高く、開頭手術がよいというものが多く含まれていますが、手術には高度の技術を要します。実際の手術の症例をもとに昭和大学脳神経外科学教授水谷徹先生に解説していただきます。

 

<巨大動脈瘤の症例150代女性 頭痛の精査で発見された 左中大脳動脈巨大動脈瘤 25mm

 

巨大動脈瘤の症例1:50代女性 頭痛の精査で発見された 左中大脳動脈巨大動脈瘤 25mm

 

●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由

大型動脈瘤ではよくあることですが、動脈瘤の途中から分枝動脈が出て、血管内治療が困難ということで他院より紹介されてきた患者さんです。年齢も比較的若く根治術が必要とされ、開頭手術を施行しました。

●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)

動脈瘤と癒着している分枝動脈を慎重に剥離して、まず中央から大きなクリップを垂直に差し入れて瘤をつぶし、残ったところを順番にクリップで挟んでつぶしていきます。計4本のクリップが使われています。

●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)

特別な症状などなく良好な経過で、術後8日で退院しています。

 

<巨大動脈瘤の症例230代男性 大型右中大脳動脈瘤 17mm

巨大動脈瘤の症例2:30代男性 大型右中大脳動脈瘤 17mm

 

 

参考:Youtube 『水谷無血手術 大型 (17mm ) 中大脳動脈瘤クリッピング(血管治療不可)』/昭和大学脳神経外科
(※この動画には患部や臓器などショッキングな内容が含まれている可能性があります。)

 

●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由

動脈瘤から動脈が分枝している形状で、血管内治療では困難ということで紹介されました。

●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)

分枝動脈を温存するような形でクリップを組み合わせてかけています。

●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)

特別な症状などなく良好な経過で、術後10日で退院されています

 

<巨大動脈瘤の症例350代女性 巨大左中大脳動脈瘤  26mm

 

巨大動脈瘤の症例3:50代女性 巨大左中大脳動脈瘤  26mm

●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由

動脈瘤から動脈が分枝している形状で、血管内治療では困難ということで紹介されました。

●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)

分枝動脈を温存するような形でクリップを組み合わせてかけています。

●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)

特別な症状などなく良好な経過で、術後10日で退院されています。わずかに残存した部分には後日コイル治療を施行しています。

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