部分血栓化動脈瘤は、瘤の内部に血栓が形成されて硬くなっているためクリップで挟むのが難しい動脈瘤です。また血管内治療でも血栓以外のところにしかコイルが入らず、このようなコイルの方法では多くの場合に再発するため、開頭術が選択されることが多い動脈瘤です。ただ、単純な開頭クリッピング術が可能かどうかは、内部の血栓の状態や分布次第であり、動脈瘤部分の母動脈を閉塞させて、バイパス術を行う場合も多い動脈瘤です。開頭術が選択される場合、どのようにして治療を行うのでしょうか。実際の症例をもとに昭和大学脳神経外科学教授水谷徹先生に解説していただきます。
<部分血栓化巨大動脈瘤の症例1:30代女性 右前大脳動脈部分血栓化巨大動脈瘤 25mm>
●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由
もともと頭痛もちで近医にてCTを施行し前頭葉に腫瘤を指摘された患者さんです。頭痛も強くなり2か月で2倍に増大したため他施設脳神経外科にて精査し、血管内治療も開頭手術も困難ということで紹介いただきました。血管内治療はできないと判断し、開頭手術なら直達クリップはできないものの動脈瘤の両端(母動脈)をクリップし、バイパスを置くことで治療が可能と判断しました。
●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)
大脳半球間裂アプローチで、動脈瘤の近位、遠位の前大脳動脈を確保し、トラッピング+バイパス術を施行しました(※術後のイラストを参照)。また動脈瘤トラップ後に、動脈瘤を切開し血栓を取り除き、前頭葉への圧迫を解除しました。
●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)
頭痛も消失し特に合併症や症状もなく、術後経過良好で自宅に退院されました。
●動脈瘤の特徴と血管内ではなく開頭手術が適応となった理由
進行性に増大する巨大動脈瘤で、治療困難例として他施設脳神経外科から紹介されました。
●手術時間や実際にクリップした方法(本数や挟んだ場所、時間など含む)
母動脈閉塞に備えて頚動脈バルーン閉塞テストを施行しましたが非耐性であることがわかりました。また、血栓部分も含めてフュージョン画像を作成してシミュレーションを行った結果、ネッククリッピングができる可能性が高かったのですが、バイパスを準備した手術となりました。手術では動脈瘤の状態をよく観察した結果、ネッククリッピングすることができました。
●開頭手術の術後など(腫れ、痛み、予後、術後合併症など含む)
特に合併症や症状もなく術後経過良好で、術後10日に自宅に退院されました。
昭和大学 医学部脳神経外科学講座 教授
水谷 徹 先生の所属医療機関
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未破壊脳動脈瘤の予防処置について
開頭クリッピング術とカテーテルによるコイル術の違いを教えてください
めまいで受診したところ脳動脈瘤が見つかり、経過観察と言われた
半年ぐらい前からめまいがひどく、横から殴られたようにぐらついたり、視界が揺れたりしていたため、 耳鼻咽喉科を受診したところ、異常なしと診断を受けたが、脳神経外科の受診を勧められた。 その後、脳神経外科を受診したところ、脳動脈瘤という診断を受けたが、めまいの直接的な原因ではないと言われた。 脳動脈瘤の方はまだ大きくはないので経過観察だが、若いので念のため半年おきにMRIを撮るという流れになった。 この場合、めまいに対しては何科を受診したらよいのか。 また、脳動脈瘤に関しては引き続き同じ脳神経外科でMRIを撮りに行った方が良いのか。それとも一度別の病院にかかった方が良いのか。
未破裂脳動脈瘤の治療に関して
10年ほど前に脳底動脈に脳動脈瘤を指摘され、高血圧、高脂血症の薬を内服中でございます。頸部の動脈狭窄もあるため、抗凝固剤も内服しております。 ここ数年で動脈瘤の大きさが2倍くらいになり、現在の大きさは5~6mmです。大きさはさほど問題は無いようなのですが、瘤の形が突き出ている角?のようなものが数カ所あり、それも大きくなっているとのことで、何らかの治療を勧められました。 しかし、動脈瘤の位置が開頭では確認しにくい位置にある為クリッピングは難しく、コイリングが最も良いだろうと言われました。コイリングに関しても、これ以上ネックが大きくなったら難しくなるとのことです。 一番問題なのが、ヨード過敏症があると言うことです。 40年以上前の腎結石の際の造影で、全身に湿疹が出来、ヨード過敏を指摘されました。そのため、どこの病院に行っても治療は出来ないと言われてしまいます。 何か良い方法はないものかと悩んでおります。 私の叔母が40歳代でくも膜下出血で、母が脳出血で亡くなっていること、高血圧の持病もあり、時々血圧が220以上まで跳ね上がる事もあるため、何とか治療できたらと願っております。 何か良い方法があればご教授頂きたく、ご相談させて頂きました。 よろしくお願いいたします。
クモ膜下出血はどのような人がなるのでしょうか?
先日、友人のお母さんがクモ膜下出血で亡くなったという話を聞きました。発見が遅く、発見されたときにはすでに亡くなっていたそうです。私には一人暮らしの母が地元にいるのですが、この話を聞いてから母が突然、倒れるのではないかと心配になることがあります。クモ膜下出血って、そもそもどのような人がなるのでしょうか?ならないように気を付けることができるのでしょうか?
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