インタビュー

ワクチンの接種について―定期接種

ワクチンの接種について―定期接種
中野 貴司 先生

川崎医科大学 小児科学 教授

中野 貴司 先生

この記事の最終更新は2016年01月01日です。

予防接種には、予防接種法で規定された「定期接種」と、それ以外の「任意接種」が存在します。予防接種法の規定内・規定外における内容の差はありますが、いずれも非常に大切なワクチンであることには変わりありません。こちらでは、主に「定期接種」についてご紹介しています。川崎医科大学小児科学教授の中野貴司先生にお話し頂きました。

「定期接種」とは、接種の対象と回数が予防接種法などにより定められている予防接種のことで、公費により接種費用の全部、または一部が負担されます。先進諸国と比べてワクチンの種類が少なかった日本が、2013年に3つのワクチン(Hibワクチン、肺炎球菌結合型ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン)を「定期接種」に加えたことは大きな前進となり、現在もその取り組みは続いています。

「定期接種」には以下2つの分類があります。

【A類疾病】集団予防・重い病気の予防や流行防止・努力義務あり・勧奨接種

【B類疾病】個人予防・発病や重症化防止・努力義務なし

※努力義務…行うよう努める

※勧奨接種…市町村長または都道府県知事が接種をすすめている

接種対象…生後2か月以上5歳未満

対象となる病気…Hibによる侵襲性感染症(しんしゅうせいかんせんしょう) ※髄膜炎肺炎・喉頭蓋炎(こうとうがいえん)・敗血症ほか
<備考>…Hib は5歳未満小児の細菌性髄膜炎の原因になる菌として第1位。

接種対象…生後2か月以上5歳未満
対象となる病気…髄膜炎など肺炎球菌による侵襲性感染症(しんしゅうせいかんせんしょう)
<備考>…5歳未満小児の細菌性髄膜炎の原因になる菌としてHibに次いで第2位。

接種対象…生後3か月以上90か月未満
対象となる病気…ジフテリア百日咳破傷風ポリオ
<備考>…いずれの病気も生命にかかわる場合があります。ポリオは長らく国内発症がありませんが、海外では現在も流行しています。

接種対象…1歳未満・標準的な接種期間は生後5か月以上8か月未満
対象となる病気…特に、結核性髄膜炎粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)など重症度の高いものに効果が高い

<備考>…接種対象は2013年(平成25年)4月改定。

接種対象…第一期(生後12か月以上24か月未満)・第二期(5歳以上7歳未満で就学前の1年間)計2回接種
対象となる病気…麻疹はしか)・風疹

<備考>…麻疹(はしか)は生命や後遺症にかかわる場合あり。風疹は妊婦が罹患した場合、胎児に先天性風疹症候群をきたす。

接種対象…1歳以上3歳未満・計2回接種(3か月以上の間隔をあける)
対象となる病気…水痘(すいとう・みずぼうそう)

接種対象…小児期に計4回の定期接種
対象となる病気…日本脳炎
<備考>…日本脳炎は、発熱・頭痛・嘔吐・意識障害・けいれんが主症状。

接種対象…11歳以上13歳未満
対象疾病…ジフテリア・破傷風

<備考>…いずれの病気も生命にかかわる場合があります。

接種対象…小学6年生以上~高校1年生・標準接種は中学1年生
対象となる病気…子宮頸がん尖圭コンジローマ
<備考>…性行為で感染するため、その行為を初めて行う以前の接種が有効。

接種対象…65歳以上・60歳以上~65歳未満(心臓・腎臓・呼吸器機能、および免疫機能に障害を持つ場合)の2通り
対象となる病気…インフルエンザ

<備考>…高齢者や基礎疾患患者がインフルエンザにかかると命にかかわる。

接種対象…65歳以上・60歳以上~65歳未満(心臓・腎臓・呼吸器機能、および免疫機能に障害を持つ場合)の2通りが定期接種の対象。ただし、平成26年から平成30年までは65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳が対象。
対象となる病気…肺炎
<備考>…肺炎は日本人の死因第3位。その95%以上は65歳以上の高齢者。このワクチンは他のワクチンとの同時接種が可能。

 

※接種対象や接種時期はあくまでも標準であり、各医療機関に必ず確認を取って行ってください。

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