IBD(炎症性腸疾患)のひとつであるクローン病は、消化器官のさまざまな場所に炎症や潰瘍ができる病気です。根本的な治療法はまだ見つかっていませんが、できるだけ症状を悪化させないよう、治療によって病気の進行を抑えることが重要です。クローン病の治療としては、主に、薬物療法や、栄養療法などを行います。
本記事ではクローン病の治療について解説します。
クローン病の治療では、小腸や大腸、直腸、肛門などに生じた炎症を抑えるために、抗炎症作用のある内服薬を用いることが一般的です。症状が悪化してきたら、より強力に炎症を抑える作用のある、副腎皮質ステロイドを使用します。病気の状態によって適切な薬剤は異なるため、患者さん一人ひとりに合わせた薬剤の組み合わせを検討します。
クローン病の症状が悪化して、内服薬の投与では十分な効果が期待できないことが分かった患者さんには、近年新しく登場してきている生物学的製剤が使割れることが多いです(2019年9月時点)。生物学的製剤は、生物からつくられる物質を応用して製造された薬剤で、バイオ医薬品ともいいます。クローン病の治療で用いる生物学的製剤は、腸の炎症に関与している物質のはたらきを抑える作用があります。
ただし、生物学的製剤は、投与時の副作用が強く出る可能性や、免疫力が低下してB型肝炎や帯状疱疹などのさまざまな合併症が起こる可能性があります。患者さんに適した薬剤をよく検討して処方するとともに、合併症が起こっていないかどうか、全身の状態を継続的にチェックしていくことが重要です。
また、通院頻度は患者さんの重症度によって異なります。
クローン病は、内服薬による治療に加えて、栄養療法を行うことがあります。脂肪の多い食品は控えて、栄養剤という高カロリーの液体を飲んで栄養を補うことにより、腸の炎症を抑え、症状の改善が期待できる方法です。
栄養療法の方法には、専用のチューブを鼻から挿入して寝ている間に栄養剤を摂取する方法があります。この治療をきちんと続ければ、クローン病の症状の改善が期待できることが知られています。
鼻から摂取することが苦手な場合は、ボトルタイプのものを経口摂取する方法も可能です。食事を減らした分、栄養剤に置き換えて摂取することで、腸の負担を減らすことにつながります。ただし、味やにおいが独特なので、フルーツなどの味をつけられるフレーバーを加えたり、ムースやゼリーにして食べたりと、工夫して続けている方もいらっしゃいます。
クローン病と診断されたら、栄養療法の具体的な方法や注意事項などをしっかり覚えていただくことがまずは重要だといえます。症状が重くなってから急に食生活を変えるのは難しいことですが、早いうちに覚えておけば、栄養療法をスムーズに受け入れやすくなるからです。
とくに10代の患者さんは、周りの友達に合わせて食べすぎてしまうこともあり、栄養療法をきちんと続けるのは難しい年代だと思います。また、独り暮らしを始めたことをきっかけに食生活が乱れ、症状が悪化してしまうことも考えられます。しかし、10代のうちに栄養療法を覚えておくことで、30代や40代になってから「やはり栄養療法を頑張らなくてはいけない」「もう1回、試してみよう」と考えて治療を行うことができます。
クローン病は、基本的には命に関わる病気ではありません。しかし、病気が完全に治癒することはありません。病気が進行すると、腸閉塞などの重い合併症を発症し、手術が必要になる可能性があります。クローン病にかかっている年月が長くなると、大腸がんを発症する方もいらっしゃいます。クローン病は、できるだけ症状を悪化させないように、病気の進行を抑えることが重要です。
しかし、クローン病の患者さんの中には、病気をあまり深刻にとらえず、調子がよいときは治療をやめてしまう方もいらっしゃるようです。調子がよいときほど、きちんと通院を続けることが大切です。
周辺でクローン病の実績がある医師
東京女子医科大学病院 病院長、消化器・一般外科 主務/教授、炎症性腸疾患外科学分野 基幹分野長
内科、血液内科、膠原病リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、人工透析内科、脳神経内科、内分泌外科、放射線診断科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都新宿区河田町8-1
都営大江戸線「若松河田」若松口 徒歩5分、都営大江戸線「牛込柳町」西口 徒歩8分、都営新宿線「曙橋」A2出口 徒歩12分
総合東京病院 消化器疾患センター長
内科、血液内科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、ペインクリニック科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、代謝内科、脳神経内科、血管外科、放射線診断科、放射線治療科
東京都中野区江古田3丁目15-2
都営大江戸線「新江古田」 徒歩10分、西武新宿線「沼袋」 徒歩15分、JR中央・総武線「中野」関東バス 中27 総合東京病院下車すぐ 京王バス 中92 浄風園前下車 徒歩3分 バス
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長
内科、リウマチ科、外科、精神科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、病理診断科
東京都港区白金5丁目9-1
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東京山手メディカルセンター 副院長/消化器内科・炎症性腸疾患内科:IBD 炎症性腸疾患センター長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、肝胆膵外科、肛門外科、脊椎脊髄外科、総合診療科、病理診断科
東京都新宿区百人町3丁目22-1
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東京都立小児総合医療センター 小児消化器科 医員、順天堂大学小児科 非常勤助手
アレルギー科、血液内科、心療内科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、矯正歯科、小児歯科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、児童精神科、総合診療科、病理診断科、血液腫瘍内科、血液腫瘍外科、透析内科、臨床検査科、救急科、新生児内科、内分泌・代謝科、児童・思春期精神科、呼吸器外科、臓器移植外科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 バス:総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩15分、JR中央線(快速)「国立」府中駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 バス10分、京王線「府中」国立駅行き、または総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 バス20分、JR南武線「西府」西国分寺行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 バス20分
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小腸に軽度の拡張と少量の腹水と診断され、クローン病の疑いと循環器の医師に画像診断されましたが、症状が全くありません。 初期のクローンだと症状がないとこのサイトで言われましたが、症状と画像診断はいつ一致するのですか? 画像診断でわかるぐらいなら、既に症状に出るのではないですか? 消化器の病院に三院行っても、クローンではない派が三院とクローン初期派は、循環器の医師1人。どちらを信じて内視鏡の決断すればいいのか困っています。
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クローン病の治療は?
21歳の息子の件でご相談です。腹痛と下痢が続き、薬でも症状が治まらず長引いて痩せてきました。病院を消化器の専門のところに変えて、一昨日、内視鏡の検査を受けました。組織の検査結果は2週間後となるが、おそらくクローン病ではないかという話だったようで、お薬をもらって帰ってきたようですが、クローン病の場合、どのような治療となるのでしょうか?ネットで調べると治らないと書かれているのですが、本当に治らないのでしょうか?
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