脳ドックの発展により「脳動脈瘤」という言葉をよく耳にするようになりました。一般的に「ドックで動脈瘤が見つかった」という場合、コブ状の動脈瘤(嚢状動脈瘤)を指します。しかし、動脈瘤には血管そのものが膨らんでしまう「解離性脳動脈瘤」という動脈瘤もあります。昭和大学医学部脳神経外科学講座教授の水谷徹先生に解離性脳動脈瘤についてお話をうかがいます。
動脈瘤にはいくつか種類があります。ひとつは血管にコブができる嚢状動脈瘤で、もうひとつは血管自体が膨らんだ瘤になる本幹動脈瘤です。
脳の正常な動脈は内側から内弾性板、中膜、外膜という3層の構造になっています。中でも正常の内弾性板は、血圧600mmHgまでの圧に耐えることができる、動脈壁の一番強い構造です。また、必要に応じて内膜が一番内側に形成されます。基本的に内膜は血管に損傷が加わったときに、それを修復する組織であり、通常の動脈にはほとんど見られません。
内弾性板が大きく断裂し、この部分をエントリーとして「中膜」の中に血液が侵入する病態を「脳動脈解離」といいます。
そのうち瘤化するものが「解離性脳動脈瘤」です。脳動脈解離(解離性脳動脈瘤)の発生時には頭痛を生じることが特徴的です。解離性脳動脈瘤は、破裂するとくも膜下出血を引き起こします。また、動脈解離の部位からの分枝動脈の閉塞や、遠位部(動脈解離が起きた場所から離れた場所)に解離部位に生じた血栓が流れて動脈がつまって脳梗塞になることがあります。
解離性脳動脈瘤は、80~90パーセントが椎骨動脈に発生します。そのほか、脳底動脈、内頚動脈、前大脳動脈、後下小脳動脈、後大脳動脈、中大脳動脈などほとんどの主幹動脈に発生します。そして、これらの主幹動脈はくも膜下腔に存在するため、この解離性脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血を引き起こします。
解離性脳動脈瘤は、男性にやや多いのが特徴です。若い20代から高齢の60代まで発症年齢は幅広く、40代がもっとも多い年代です。くも膜下出血の原因としてみると、解離性脳動脈瘤は約3パーセントの割合を占め、年間30万人に1~2人の割合です。しかし、解離性脳動脈瘤は気づかないうちに自然組織治癒してしまうこともあるため、どれくらいの人に解離性脳動脈瘤が発生しているか正確にはわかっていません。
昭和大学 医学部脳神経外科学講座 教授
水谷 徹 先生の所属医療機関
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未破壊脳動脈瘤の予防処置について
開頭クリッピング術とカテーテルによるコイル術の違いを教えてください
めまいで受診したところ脳動脈瘤が見つかり、経過観察と言われた
半年ぐらい前からめまいがひどく、横から殴られたようにぐらついたり、視界が揺れたりしていたため、 耳鼻咽喉科を受診したところ、異常なしと診断を受けたが、脳神経外科の受診を勧められた。 その後、脳神経外科を受診したところ、脳動脈瘤という診断を受けたが、めまいの直接的な原因ではないと言われた。 脳動脈瘤の方はまだ大きくはないので経過観察だが、若いので念のため半年おきにMRIを撮るという流れになった。 この場合、めまいに対しては何科を受診したらよいのか。 また、脳動脈瘤に関しては引き続き同じ脳神経外科でMRIを撮りに行った方が良いのか。それとも一度別の病院にかかった方が良いのか。
未破裂脳動脈瘤の治療に関して
10年ほど前に脳底動脈に脳動脈瘤を指摘され、高血圧、高脂血症の薬を内服中でございます。頸部の動脈狭窄もあるため、抗凝固剤も内服しております。 ここ数年で動脈瘤の大きさが2倍くらいになり、現在の大きさは5~6mmです。大きさはさほど問題は無いようなのですが、瘤の形が突き出ている角?のようなものが数カ所あり、それも大きくなっているとのことで、何らかの治療を勧められました。 しかし、動脈瘤の位置が開頭では確認しにくい位置にある為クリッピングは難しく、コイリングが最も良いだろうと言われました。コイリングに関しても、これ以上ネックが大きくなったら難しくなるとのことです。 一番問題なのが、ヨード過敏症があると言うことです。 40年以上前の腎結石の際の造影で、全身に湿疹が出来、ヨード過敏を指摘されました。そのため、どこの病院に行っても治療は出来ないと言われてしまいます。 何か良い方法はないものかと悩んでおります。 私の叔母が40歳代でくも膜下出血で、母が脳出血で亡くなっていること、高血圧の持病もあり、時々血圧が220以上まで跳ね上がる事もあるため、何とか治療できたらと願っております。 何か良い方法があればご教授頂きたく、ご相談させて頂きました。 よろしくお願いいたします。
クモ膜下出血はどのような人がなるのでしょうか?
先日、友人のお母さんがクモ膜下出血で亡くなったという話を聞きました。発見が遅く、発見されたときにはすでに亡くなっていたそうです。私には一人暮らしの母が地元にいるのですが、この話を聞いてから母が突然、倒れるのではないかと心配になることがあります。クモ膜下出血って、そもそもどのような人がなるのでしょうか?ならないように気を付けることができるのでしょうか?
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