脳動脈瘤は脳ドックや、頭痛、めまいなどの原因を調べるためにMRI、MRAを受けることで発見されます。脳動脈瘤は破裂するとくも膜下出血という重大な病気になるため、治療をするかどうか、どんな治療をするかについて正確なインフォームドコンセントを受けることが重要です。脳動脈瘤は、大きさ、形など千差万別でバリエーションが多い疾患だからです。昭和大学脳神経外科学教授 水谷徹先生にお話をうかがいます。
脳ドックなどで脳動脈瘤が見つかった場合、治療をするかどうかの判断には「自然歴」が重要です。「自然歴」とは、「破裂の危険性はどのくらいあるのか」「増大や変形する可能性はどのくらいあるのか」という確率を指します。医師が治療をするかどうか判断する際には、この自然歴を基準に考えます。
さらに、自然歴を予測したら次に考慮しなければならないのは治療の安全性とリスクです。脳動脈瘤が見つかっても、すべての方にとって治療することがベストな選択とは限りません。その脳動脈瘤は安全に治療できるか、治療の際に合併症が起きる確率はどれくらいか、経過観察と手術ではどちらが危険かなど治療を行うことにより発生するリスクを、患者さんそれぞれに予測しなければなりません。
治療をするかどうかの判断は、この「自然歴」と「治療のリスク」を常に比較しながら検討していきます。
もし「治療を行う」と決まった場合、次に検討されるのは「どんな治療がよいか」です。脳動脈瘤の治療には手術によって頭を開けて外側から脳動脈瘤を治療する「開頭手術」と、頭を開けずに血管内で治療を行う「血管内治療」の2つがあります。ここで患者さんにご理解いただかなくてはならないのは、「どちらの治療のほうが絶対によい」という基準で考えることはできないことです。なぜなら、どちらの治療にも優れた点とそうでない点が存在するからです。
開頭手術
(脳動脈瘤治療の約7割を占める)
直接病変に触れるため、侵襲性(周辺の脳組織へ影響を及ぼす可能性)があるといえます。頭を切って手術するので入院期間も長くなります。ただし、再発が少なく「根治」という面では大変優れた治療です。どんな形の動脈瘤にも対応でき、術中に万が一出血が起きた場合でもリカバーしやすいという特徴があります。
血管内治療
(脳動脈瘤治療の約3割を占める)
頭を切らなくてよいため、低侵襲(病変以外のほかの脳組織への影響の心配がない)であることが利点です。ただし、10パーセント程度の長期的な再発(動脈瘤に詰めたコイルの隙間から血流が入り込み再び動脈瘤が発生する)と、動脈瘤の形によっては治療ができないというマイナス面があります。また、万が一手術中に出血が起こった場合、リカバーしにくいという特徴があります。
脳動脈瘤は、形、場所、大きさによってバリエーションが多い病気です。ですから「どちらの治療法が絶対的によいか」という考え方はできないものの、「どちらの治療が適しているのか」を導き出すことは可能です。上記に加え患者さんそれぞれの自然歴や条件は異なりますので「自分に」適した方法を医師とよく相談することが重要です。
昭和大学 医学部脳神経外科学講座 教授
水谷 徹 先生の所属医療機関
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未破壊脳動脈瘤の予防処置について
開頭クリッピング術とカテーテルによるコイル術の違いを教えてください
めまいで受診したところ脳動脈瘤が見つかり、経過観察と言われた
半年ぐらい前からめまいがひどく、横から殴られたようにぐらついたり、視界が揺れたりしていたため、 耳鼻咽喉科を受診したところ、異常なしと診断を受けたが、脳神経外科の受診を勧められた。 その後、脳神経外科を受診したところ、脳動脈瘤という診断を受けたが、めまいの直接的な原因ではないと言われた。 脳動脈瘤の方はまだ大きくはないので経過観察だが、若いので念のため半年おきにMRIを撮るという流れになった。 この場合、めまいに対しては何科を受診したらよいのか。 また、脳動脈瘤に関しては引き続き同じ脳神経外科でMRIを撮りに行った方が良いのか。それとも一度別の病院にかかった方が良いのか。
未破裂脳動脈瘤の治療に関して
10年ほど前に脳底動脈に脳動脈瘤を指摘され、高血圧、高脂血症の薬を内服中でございます。頸部の動脈狭窄もあるため、抗凝固剤も内服しております。 ここ数年で動脈瘤の大きさが2倍くらいになり、現在の大きさは5~6mmです。大きさはさほど問題は無いようなのですが、瘤の形が突き出ている角?のようなものが数カ所あり、それも大きくなっているとのことで、何らかの治療を勧められました。 しかし、動脈瘤の位置が開頭では確認しにくい位置にある為クリッピングは難しく、コイリングが最も良いだろうと言われました。コイリングに関しても、これ以上ネックが大きくなったら難しくなるとのことです。 一番問題なのが、ヨード過敏症があると言うことです。 40年以上前の腎結石の際の造影で、全身に湿疹が出来、ヨード過敏を指摘されました。そのため、どこの病院に行っても治療は出来ないと言われてしまいます。 何か良い方法はないものかと悩んでおります。 私の叔母が40歳代でくも膜下出血で、母が脳出血で亡くなっていること、高血圧の持病もあり、時々血圧が220以上まで跳ね上がる事もあるため、何とか治療できたらと願っております。 何か良い方法があればご教授頂きたく、ご相談させて頂きました。 よろしくお願いいたします。
クモ膜下出血はどのような人がなるのでしょうか?
先日、友人のお母さんがクモ膜下出血で亡くなったという話を聞きました。発見が遅く、発見されたときにはすでに亡くなっていたそうです。私には一人暮らしの母が地元にいるのですが、この話を聞いてから母が突然、倒れるのではないかと心配になることがあります。クモ膜下出血って、そもそもどのような人がなるのでしょうか?ならないように気を付けることができるのでしょうか?
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