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インタビュー

カテーテルアブレーションの適応および利点と不利益について

カテーテルアブレーションの適応および利点と不利益について
熊谷 浩一郎 先生

福岡山王病院 ハートリズムセンター センター長、国際医療福祉大学 大学院 教授

熊谷 浩一郎 先生

この記事の最終更新は2016年02月07日です。

血液を全身に循環させるポンプのような役割を担っている心臓は、規則正しいリズムで1日に約10万回の鼓動を打ち続けています。不整脈とは、このリズムに異常を来した状態のことで、いくつかのタイプに分けられ、その種類によって治療法も異なります。不整脈治療のひとつであるカテーテルアブレーションについて、福岡山王病院ハートリズムセンター長の熊谷浩一郎先生にお話を伺いました。

心臓は1分間に60~100回ほど規則正しくリズムを打っています。このリズムに異常を来して起こるのが不整脈です。不整脈には大きく分けて3つのタイプがあります。

脈が異常に遅くなるのが「徐脈」で、房室ブロック洞不全症候群などが徐脈タイプの不整脈にあたります。また、反対に脈が速くなるタイプの不整脈を「頻脈」といい、発作性上室頻拍、心房粗動心房細動など心房に起こるものと、心室期外収縮心室頻拍、心室粗動、心室細動など心室に起こるものがあります。 脈が飛んだり、抜けたりするのが期外収縮です。

  • 目の前が暗くなる
  • めまい
  • ふらつき
  • 失神
  • 突然ドドドドっというような速い鼓動を感じる
  • 強い動悸を感じる
  • 脈がときどき抜ける、ドキンとする
  • 脈をうつ間隔がバラバラ
  • 強い動悸を感じる
  • 命にかかわる危険な不整脈
  • 一度でも起こると命に危険が及ぶ

不整脈の治療法には薬を使った薬物治療と薬を使わない非薬物治療があります。薬を使った治療は、あくまでも症状を抑えるための対症療法にすぎません。それに対して、非薬物治療のひとつであるカテーテルアブレーションは、不整脈の発生部位を熱で焼き切ることで根治を目指すもので、成功すれば100%治癒が可能な治療法です。

カテーテルアブレーションは心筋焼灼術とも呼ばれるように、足の付け根の大腿静脈あるいは動脈からカテーテルという2ミリほどの細い管を心臓まで挿入し、不整脈を起こしている部位あるいは原因となっている回路を40度程度の熱で焼灼する治療法です。

カテーテルアブレーションが適応となる不整脈は、期外収縮、頻拍発作、心房細動心室頻拍など頻脈性の不整脈が中心となります。特に、WPW症候群や上室性頻拍、突発性の心室頻拍などに対する有効性は確立されていて、1回の治療でほぼ治癒が可能です。

従来は治療困難と考えられていた心房細動に対するアブレーションの治療成績も向上しましたが、1回の治療だけで根治するのは難しいのが現状です。2回のアブレーションを行っても、5〜6年経つと少しずつ再発をする人が出てきます。その割合は約2割程度。よって、心房細動に対する成功率は約80%です。

不整脈の治療に関して、薬物治療とアブレーションを比較してみると、圧倒的にアブレーションの効果が高いことがわかっています。

不整脈の治療は、 20年ほど前までは薬物治療を中心に行われていました。しかし、予後が一向によくならず、それが薬の副作用によることがわかってきました。薬が心房だけに効いているのであればいいのですが、心室まで効いてしまい心室の機能を落としていたのです。つまり、薬を使えば使うほど、治療成績が落ちるのです。

さらにもっと怖いのは、不整脈の薬で心臓が止まる、つまり突然死を起こすことです。抗不整脈薬を1剤使って、効かない場合には、2剤目を使うのではなく、アブレーションを早く行った方がいいのです。

とはいっても、アブレーション治療においてもリスクや合併症があることを忘れてはいけません。アブレーションの主な合併症としては、焼灼した心臓の壁のところが出血する心タンポナーデや食道の障害、横隔神経麻痺や脳梗塞などがあります。

高橋淳先生監修、心房細動の最新記事はこちら↓

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