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カテーテルアブレーション治療の実際
不整脈の中でもっとも多いのが心房細動です。脈が異常に速くなる頻脈タイプの不整脈で、すぐに命の危険に及ぶというわけではありませんが、脳梗塞を起こしたり、予後も悪かったりするため治療が必要です。心房...
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カテーテルアブレーション治療の実際

公開日 2016 年 02 月 10 日 | 更新日 2017 年 12 月 04 日

カテーテルアブレーション治療の実際
熊谷 浩一郎 先生

福岡山王病院ハートリズムセンター センター長、国際医療福祉大学大学院 教授

熊谷 浩一郎 先生

不整脈の中でもっとも多いのが心房細動です。脈が異常に速くなる頻脈タイプの不整脈で、すぐに命の危険に及ぶというわけではありませんが、脳梗塞を起こしたり、予後も悪かったりするため治療が必要です。心房細動の治療で根治を目指せるのがカテーテルアブレーションです。日本で初めて心房細動に対するカテーテルアブレーションを行った福岡山王病院ハートリズムセンター長の熊谷浩一郎先生に、この治療の現状についてお話を伺いました。

カテーテルアブレーション治療の流れについて

不整脈は、脈が速くなる頻脈タイプや遅くなる徐脈タイプなど、いくつかの種類に分けられます。不整脈の治療には薬物治療が行われることがありますが、薬による治療はあくまでも一時的に不整脈を抑える対症療法であり、薬をやめるとまた再発してきます。これに対して、不整脈を起こしている元を焼き切って、根治を目指す治療が最近注目されているカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)です。

カテーテルアブレーションは、特に脈が速くなる頻脈性の不正脈に効果があるほか、脳梗塞の原因となることで知られている心房細動にも有効な治療として行われるようになりました。

では、実際にカテーテルアブレーション治療を受ける時の流れについてお話します。カテーテルアブレーションを行うにあたって、一番起こしてはいけないのが脳梗塞です。手術ではカテーテルを左心房に入れますので、それだけでも血栓ができやすい状況になります。しかも、そこを焼灼するわけですから、カテーテルに血栓がくっついて、それを飛ばしてしまうと脳梗塞を起こしてしまいます。そのため手術前には、必ず抗凝固を服用してもらいます。服用期間の目安は最低1か月です。また、術後3か月間も、みなさんに飲んでもらいます。

手術の後の抗凝固薬服用の有無については、70歳未満の若い方で、高血圧や糖尿病がない方、再発をしていない方はやめても構いません。ただ、年齢が70歳を過ぎている方や糖尿病や高血圧を併発している方、脳梗塞の既往がある方については、再発がなくても原則として薬は生涯服用してもらいます。

手術時間については、BOX隔離術の場合、4本ある肺静脈に加えて左心房後壁までの広範囲を焼灼するため、約2時間かかります。しかし、全国平均は3.5時間ですので早い方だと思います。治療の際には慣れた施設で受けられることをお勧めします。

また、新しい治療として2014年に導入されたものが「カテーテル心筋冷凍アブレーション(焼灼術)」というものです。これは焼くのではなく、マイナス40~50度の亜酸化窒素ガスを入れたバルーンを左心房の肺静脈開口部(入り口)付近まで入れ、冷却することで細胞を壊死させるという治療法です。これだと約3分でブロックが可能です。カテーテル心筋冷凍アブレーションの手術時間は約1時間です。

冷凍アブレーション

 「カテーテル心筋冷凍アブレーション(焼灼術)」の手順は以下の通りです。

①カテーテルを肺静脈に留置する

 

②バルーンを拡張する

 

③肺静脈をバルーンで閉塞し冷凍アブレーション開始

費用面に関しては、カテーテルアブレーションは高額医療になりますが、保険が適応されますので3割負担で15万~20万円程度です。金額に差があるのは、年収に応じて変わるためです。

手術における入院期間は3泊4日が基本ですが、土日が入れば5泊6日と、だいたい1週間以内で治療は可能です。

手術をしてからが本当のスタート

カテーテルアブレーションは、治療をしたらそれで終わりということではありません。術後は、タバコやお酒を控えるといった生活習慣の改善も必要になります。特にタバコは絶対にダメです。

手術をしても、相変わらずお酒を飲んで肥満で体重管理できていないという方の場合はどうしても再発してきます。だから、心房細動は生活習慣病のひとつといっても過言ではありません。高血圧や糖尿病がある人は、血圧や血糖のコントロールを十分にしてもらい、再発を予防しなければなりません。

開業医へのアンケート調査から、術後の再発「なし」は80%

福岡山王病院では、術後は地域の開業医の先生に患者さんをお返しして経過をみてもらっています。下表は、2009年に病院がオーブンして以来5年間の術後の経過についてfaxで開業医の先生方にその後の再発の有無などをお尋ねして、回答があった661例についてまとめたものです。

これによると、再発「なし」と回答があった割合は80%でした。このデータは発作性が66%で残りは持続性や永続性です。その他、治療を2回行った方も含まれているので、発作性だけにしぼると、もっとよい結果になると思います。

高橋淳先生監修、心房細動の最新記事はこちら↓

不整脈と、心房細動に対する高周波カテーテルアブレーション

心房細動に対するカテーテルアブレーションの歴史と最新事情 〜発作性心房細動だけでなく永続性心房細動への治療も〜

 

福岡山王病院ハートリズムセンター長。国際医療福祉大学大学院教授。福岡大学医学部臨床教授。循環器専門医・内科専門医・不整脈専門医。1998年心房細動に対するカテーテルアブレーションを日本で最初に臨床導入した。その後、さらに治療効果を高めることを目指して「熊谷式BOX隔離術」を考案。心房細動治療をライフワークとし、その治療向上に貢献している。2008~2011年まで、米国Best Doctor社によるベストドクターズを2期連続で認定。2009年開院の福岡山王病院において、2015年8月にはカテーテルアブレーション2000例を突破した。

「不整脈」についての相談が17件あります

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