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子宮体がんのステージは手術後に確定する~ステージ別の治療法とは?~

子宮体がんのステージは手術後に確定する~ステージ別の治療法とは?~
川口 龍二 先生

奈良県立医科大産婦人科学教室 准教授

川口 龍二 先生

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子宮体がんは子宮体部にできるがんのことで、子宮内膜がんとも呼ばれます。子宮体がんでは進行度合いによって進行度が低いステージI期から進行度が高いステージIV期までの四つのステージ(病気の進行度具合)に分類されます。なお、子宮体がんの場合は手術前の検査でステージを確定することは難しく、手術によって子宮を摘出した後に顕微鏡でがんの浸潤の広がりや深さなどを調べてからステージを確定します。

本記事では、子宮体がんのステージごとの状態や治療法などを詳しく解説します。

子宮体がんのステージは、がんの浸潤の深さや広がりなどによって分類されます。ステージ分類はがん治療の今後の見通しや治療の効果を予測するために用いられ、治療方針の決定に役立てられます。

子宮体がんのステージは手術をして初めて確定されます。これを手術進行期分類といいます。

ステージの特定には、まず“臨床進行期分類”でステージを推定します。これは、触診、内診、細胞診、組織診、画像検査といった手術以外の方法でステージを推定する方法です。臨床進行期分類で治療方針を大まかに定めた後、手術で子宮を摘出し、がんの浸潤の深さや広がりなどを調べてステージが特定されます。

子宮体がんのステージにはFIGO分類とTNM分類があります。FIGO分類はFIGO(国際産婦人科連盟)が提唱する基準、TNM分類はUICC(国際対がん連合)が提唱する基準で、がんの浸潤の深さや広がり(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔転移(M因子)を組み合わせてステージを決定します。

子宮体がんのステージI期(TNM分類ではT1)はがんが存在するのが子宮体部のみで、そのほかの部分や臓器には広がっていません。

さらに、がんの深さによってステージが分類されます。

  • IA期(T1a):がんが子宮筋層(子宮の壁) 2分の1未満のもの
  • IB期(T1b):がんが子宮筋層 2分の1以上のもの

I期の場合、手術が不可能であれば抗がん剤や放射線治療を、手術が可能であれば単純子宮全摘出および卵巣・卵管切除が行われます。

ステージII期(T2)はがんが子宮頸部に広がっているものの、リンパ節やほかの臓器には広がっていない状態です。

I期と同様に手術が不可能であれば抗がん剤や放射線治療を行います。手術が可能であればI期と同様の手術のほかに、準広汎子宮全摘出手術や広汎子宮全摘出手術、卵巣・卵管切除、リンパ節郭清(かくせい)、大網切除術などの選択肢もあります。

III期(T3またはN1)は子宮外にもがんが広がっているものの、小骨盤腔(骨盤の下のほう)を超えない、または所属リンパ節転移(子宮と直結したリンパに転移している)がある状態です。

III期は転移した場所によってさらに細かく分類されます。

  • IIIA期(T3a):子宮漿膜(しょうまく)(子宮の外側の膜)ならびに/あるいは付属器(卵管・卵巣)を侵すもの
  • IIIB期(T3b) 腟ならびに/あるいは子宮傍組織(子宮頸部の周囲にある組織)へ広がるもの
  • IIIC期(N1):骨盤リンパ節転移ならびに/あるいは傍大動脈リンパ節(腎臓の近くの大動脈周囲にあるリンパ節)転移のあるもの
  • IIIC1期:骨盤リンパ節転移のあるもの
  • IIIC2期:傍大動脈リンパ節転移のあるもの

III期では手術が可能であればII期と同様の手術が行われ、手術が不可能であれば抗がん剤、放射線治療を行います。また、緩和ケアが行われることもあります。

IV期は別の部位まで広がっている、または転移している状態です。

IV期は転移している場所によってさらに二つに分類されます。

  • IVA期(T4): 膀胱ならびに/あるいは腸粘膜に広がっている
  • IVB期(M1):遠くの臓器やリンパ節に転移している

治療法はIII期と同様で、状況によって方法を選択します。

子宮体がんは手術をして子宮を切除しないと正確なステージを判断できないため、手術進行期分類を用いてステージを確定します。ステージはがん治療の今後の見通しや治療の効果を予測するために用いられ、確定すると患者の年齢や症状などを加味したうえで治療方針が決定されます。このようにステージは治療方針と決めるうえで大切な役割をするため、子宮体がんのステージや治療などについて気になること・不安なことがある場合は担当医に相談するようにしましょう。

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