
子宮体がんの治療の基本は子宮全摘出を含む手術ですが、病気の広がりが強い場合や再発の場合には、手術をせずに、または手術後に抗がん剤治療を行うこともあります。
本記事は、子宮体がんの抗がん剤治療の流れや方法、使用する抗がん剤、リスクや副作用などについて詳しく解説します。
子宮体がんの治療法の1つには薬物療法(化学療法)があり、抗がん剤治療は薬物療法の1つです。抗がん剤とは、がん細胞の増殖を抑える薬のことで、抗がん剤を用いることで病巣を縮小させたり消滅させたりすることができます。
また、手術や放射線は治療を行った箇所にしか効果が期待できませんが、抗がん剤を注射した場合は血液が回っている部分全てに効果が期待できるという特徴があります。
子宮体がんの抗がん剤治療は、多くの場合複数の抗がん剤を組み合わせて行います。
具体的には3週間に1回抗がん剤を点滴し、次の点滴を行うまでの間に何度か血液検査を行います。このセットを3~6回程度繰り返すことが一般的ですが、さらに回数を重ねることもあります。
子宮体がんの抗がん剤治療は単独で行われることもあれば、手術などと併せて行われることもあります。抗がん剤が用いられるタイミングは以下のとおりです。
子宮体がんは手術をして進行期(ステージ)を決めることになっています。そのため、細胞診・組織診・さまざまな画像診断(CT/MRI等)などでステージを推定し、手術での摘出物の病理検査結果をもとにステージを確定します。
このとき、再発リスクの判定を行い、再発リスクが中程度以上の場合にリスクを少なくするため、追加治療として抗がん剤治療が行われることがあります。
再発とは、一度がんがなくなった後に再びがんが出現することをいいます。再発がんの治療は一般的に広い範囲を対象とする必要があるので、基本の治療が抗がん剤治療ということになります。状況によっては手術や放射線を行うこともあります。
抗がん剤でがんを小さくしてから手術をする方法もあります。しかし、子宮体がんの場合は子宮全摘を含む手術が治療の基本であり、手術を行わないとがんの状態も正確に分からないため、手術前に抗がん剤が使用されることは多くはありません。
以上で説明したほか、全てのステージにおいて手術が不可能と判断された場合(重い持病なども含みます)にも抗がん剤治療が行われることがあります。
子宮体がんに有効な薬剤はタキサン系、プラチナ系、アドリアマイシンとされています。状況によって用いる抗がん剤の種類は異なります。
子宮体がんの抗がん剤治療における標準治療はAP療法(アドリアマイシン+シスプラチン)とされています。標準治療とは、科学的根拠に基づき現在利用可能な最良の治療であることが示され、特定の状態の一般的な患者に推奨される治療法のことです。
ただし、AP療法は吐き気や腎障害といった副作用が強く出ることがあります。
実際の治療ではTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)が多く用いられています。AP療法に劣ることはなく、約70~80%の患者に効果があるとされています。
再発の際は、再発までの期間や体力などを考えてTC療法、AP療法、アドリアマイシン単剤治療を選択して用いますが、根治(病気を完全に治しきる)することは困難とされています。
点滴の際、抗がん剤が血管から漏れて皮膚炎が起こることがあります。時間とともに悪化していく場合もありますので腫れや痛みを感じた場合は医師や看護師に相談するとよいでしょう。
また、抗がん剤が体に合わないと、発疹や発熱、気分が悪くなる、汗をかく、一時的に低血圧になるなどの症状が出ることもあります。
抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響してしまうため、さまざまな副作用が出ることがあります。
自分で感じられる副作用の代表的なものに、髪の毛が抜ける、吐き気や筋肉痛・関節痛、手足のしびれ、口内炎や下痢などがあります。また検査上の副作用として白血球・赤血球・血小板など血液中の細胞数の減少があり、程度によっては感染症の起こしやすさ・貧血・出血しやすさが症状として起こることがあります。
吐き気止めや鎮痛剤などの適切な使用により、副作用を安全に回避したりコントロールしたりできることも多いので、医師や看護師と相談するとよいでしょう。
抗がん剤治療は副作用が強く現れることもある治療法です。治療を実施するタイミングや使用する薬剤もさまざまであるため、治療を受ける際は医師とよく相談をして、治療の目的や予想される副作用などをしっかり認識しておくとよいでしょう。
また、抗がん剤治療に限りませんが、病状や治療・生活について分からないこと・不安なことがある場合は、メモをして主治医・看護師・がん相談支援センターの相談員などに相談することが大事です。
周辺で子宮体がんの実績がある医師
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 産婦人科 科長
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