新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
編集部記事

子宮体がん検査の疑陽性とは? ~疑陽性の場合のその後の検査や治療~

子宮体がん検査の疑陽性とは? ~疑陽性の場合のその後の検査や治療~
杉田 匡聡 先生

NTT東日本関東病院 産婦人科部長・医療安全管理室長

杉田 匡聡 先生

目次
項目をクリックすると該当箇所へジャンプします。

子宮体がんの検査ではまず細胞診が行われます。しかし、細胞診は子宮頸がん検診に比べてその精度は低く、場合によっては正しい診断がなされない場合があります。また、細胞診では陰性・陽性のほか、疑陽性というあまり聞き慣れない結果が出ることもあり、陽性や偽陽性の場合にはさらに詳しい検査を受け、がんの有無を確認する必要があります。

本記事では子宮体がんの検査の精度や疑陽性の意味、疑陽性と診断された後の検査、治療などについて紹介します。

子宮体がん検査の細胞診の結果には陰性、陽性、疑陽性の三つがあります。疑陽性は、字のとおり陽性の疑いがあることを示しますが、疑陽性であっても子宮体がんではないこともあります。なお、疑陽性または陽性の場合はさらに精密な検査である“組織診”を行い診断が確定されます。

実際に子宮体がんだった場合、検査(細胞診)で陽性または疑陽性と判定される確率は90%以上とされていますが、その正しい判定が下される確率は70~80%程度といわれています。なお、子宮頸がんの細胞診に比べると陽性または疑陽性と判定される確率は高くないと考えられています。

また、ある調査によると子宮体がんでない人が陽性または疑陽性と判断されることも1.5%程度あるという結果が出ています。一方で、子宮体がんにかかっているのに陰性となってしまう(偽陰性)ことも9%程度あるとされています。そのため、検査の結果が100%正しいと言い切ることはできません。

子宮体がん検査(細胞診)で疑陽性の判定が出た場合は、さらに精密な“組織診”が必要となります。

まずは内診をして経腟超音波診断という検査を行います。経腟超音波診断とは超音波の器具を直接腟(あるいは肛門)に入れて子宮体部内を調べる検査です。子宮内膜の厚さを確認し、安全に組織を採取するために子宮が真っすぐの状態か、子宮筋腫がないかなどの確認をすることができます。

次に子宮口から耳かきのような器具を挿入して子宮内膜から組織の一部を採取し、組織を顕微鏡で見ることでがんの有無を確認する内膜組織診検査を行います。この検査は月経痛のような痛みを伴い数日出血が続くことがあるので、仕事や外出の都合も考えて行いましょう。なお、閉経して時間が経過している、あるいは出産経験がない、子宮頸管が細いなどの理由で器具が挿入できない場合は、内膜組織診検査を行うことができません。それでも検査が必要である場合は、麻酔をしたうえで頸管を広げる処置を行ってから検査をすることもあります。

そのほか、場合によっては子宮鏡を子宮内に入れて直接観察する検査を行うこともあります。さらに入院して全身麻酔をかけてから子宮内全体の組織を採取する全面掻把(そうは)を行って診断するケースもあります。

子宮体がんの治療の基本は手術による子宮全摘出です。また、子宮体がんは手術をしてがん細胞を採取しないとステージが確定できないという特性もあります。そのため、検査によって手術が可能と判断された場合はまず手術を行い、ステージが確定した後追加治療を行う必要があるかどうかを判断します。

以下では子宮体がんの治療で行われる手術、薬物療法、放射線治療について解説します。

子宮体がんの治療は手術で子宮を全摘出するのが基本です。ただしガイドライン上では、非常に初期の子宮体がんで組織型も悪性度が低く、妊娠を強く希望する人の場合は子宮温存が可能なこともあるとされています。一方で子宮温存にはそれなりのリスクもあるので、主治医の先生と十分に治療方針を相談してリスクを理解したうえで決定する必要があります。

子宮全摘出には切除する範囲が狭い手術から順番に単純子宮全摘出術、準広汎子宮全摘出術、広汎子宮全摘出術があります。単純子宮全摘出術は子宮と卵巣・卵管を切除する手術で、準広汎子宮全摘出術はそれに加えて子宮を支える子宮周囲の組織も切除します。広汎子宮全摘出術はさらに腟や子宮周囲の組織を含めた広い範囲を切除します。これらの手術は、状況や施設によってどの術式を選択するかは異なります。また、どの手術でもステージやがんの状態によっては周囲のリンパ節などを切除することもあります。

手術が不可能な場合や手術後に再発リスクが中程度以上と判断された場合は、薬物療法が行われることもあります。

薬物療法には抗がん剤や内分泌療法薬を用いる方法があります。内分泌療法薬はホルモン剤を使用しますが、再発リスクが高いときに補助的に使用するほか、抗がん剤治療の効果が不十分だった場合などに使用されることがあります。

放射線治療はがん細胞を傷つけて小さくする治療法です。手術後に再発予防のために体の外から照射したり、腟内から子宮に照射したりします。再発した場合、その範囲が狭い場合には非常に有効な方法となります。

子宮体がん検査(細胞診)で疑陽性の判定が出た場合は、子宮体がんなのかそうでないのか確定できていない状態です。そのため、さらに精密検査(組織診)を受けてがんの有無を調べます。精密検査の結果が子宮体がんと診断された場合には早期に治療する必要があるので、怖がって次の検査を受けないでいるとよいことはありません。医師の指示に従って検査を受け、適切な治療を受けられるようにしましょう。

受診について相談する
  • NTT東日本関東病院 産婦人科部長・医療安全管理室長

    杉田 匡聡 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

関連記事

  • もっと見る

    関連の医療相談が22件あります

    ※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。

    「子宮体がん」を登録すると、新着の情報をお知らせします

    処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。