インタビュー

精液検査についてのよくある疑問

精液検査についてのよくある疑問
湯村  寧 先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 泌尿器科部長・准教授、田園都市レディ...

湯村 寧 先生

この記事の最終更新は2015年03月23日です。

不妊症は夫婦・カップルの病気――不妊症の半数は女性だけでなく男性にも原因があるにもかかわらず、不妊症カップルのうち、男性の受診者はわずかです。男性不妊治療の入口である精液検査についても、一般にはあまり知られていないのが実情です。

精液検査についてのよくある疑問に、日本で50人弱しかいない泌尿器科生殖医療専門医の一人であり、男性不妊の啓蒙につとめる湯村 寧先生に答えていただきました。

精液は30分くらい液状化しませんが、検体提出から通常1時間以内、施設によりますが、長くかかる場合でも2時間以内には検査結果が出ることが一般的です。

保険点数で104点のため、自己負担の比率により異なります。3割であれば300円程度の自己負担です。ただ、初診料などもあり窓口で支払う額については一概には言えません。

ただし、脊髄損傷の患者さんの場合には電気射精や、バイブレーターによる射精をすることもあります。その際、コンドームには殺精子剤が使用されているため、コンドームを使ってはいけません。

もし外部で精子を採取した場合には1-2時間以内に持参する必要があります。

リラックスするため、電気も消せるようになっていることもあります。

精液検査前に設定する禁欲期間は2-7日とされています。それより短い場合は単純に精子の数が減ります。長すぎる場合には精子の数が増えますが、それでも運動率が上がるわけではなく、むしろ下がってしまう時もあります。いずれにしても、禁欲期間を守らないと、精液検査で正しいデータがとれなくなる場合があります。

また、これは一般的な生活の話になりますが、あまりに禁欲期間が長いと精子中に白血球が多くなってくるのではないか、という仮説があります。射精する機会を適度に設けることが大切です。

人に知られたくないため「病院に行かずに検査はできるのか?」という質問がよくあります。最近では、郵送により精液の検査ができるキットがありますが、この場合、射精から検査までに時間がかかり、精子が死んでしまいます。このため精子の数は計測できますが、運動率は計測できない可能性があります。

 

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  • 横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 泌尿器科部長・准教授、田園都市レディースクリニック 臨時職員

    湯村 寧 先生

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