インタビュー

無精子症について―精子回収の可能性は?

無精子症について―精子回収の可能性は?
湯村  寧 先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 部長 田園都市レディースクリニック

湯村 寧 先生

山中 弘行 先生

横浜市立大学大学院医学研究科 泌尿器病態学

山中 弘行 先生

無精子症かどうかは、精液検査の結果によって分かります。

精液検査とは、精液中の精子の数と運動性(運動率)を調べる検査です。精液はいわゆる白い液体のことを指し、精子はその精液中に存在する一つ一つのオタマジャクシのような細胞のことを指します。

正常とされる精液検査の基準値は以下のようになっています。

正常とされる精液検査の基準値  
精液量 1.5ml以上
精子濃度 15×106/ml以上(これより低いと乏精子症)
精子運動率 前進している精子が40%以上(これより低いと精子無力症)
正常形態率 4%以上(これより低いと奇形精子症)
精子生存率 58%以上
白血球率 1×106/ml未満
前進運動率 32%以上

精液中に精子が存在しないことを無精子症といいます。(精液そのものが射精されないことは無精液症といいます)

無精子症でも、精巣内には精子があることも

「無精子症」は、あくまで射精された精液の中に精子がいないことを指す言葉です。そのため、精巣内に精子がないとは限りません。

たとえば、精路(精子の通り道)の閉塞(つまっている)を起こしているために、精子が出てきていない可能性もあります。また、精子はあるものの精子数が少ない場合は、一般検査では検出されずに精密検査が必要なこともあります。

2つの無精子症とは?

無精子症には大きく分けて、閉塞性・非閉塞性の2つがあります。

閉塞性無精子症とは、精巣内で精子の形成は出来ているのですが、精路が閉塞しているために精液中に精子が出てこない状態です。
非閉塞性無精子症は、精路には異常はないものの、精液中に精子が出てこない状態のことを言います。精子が全く作られていないこともあります。

この2つは、精巣容積、精管、染色体、血清FSH(精子の形成を促すホルモン)などの状態で区別することができます。
いずれの無精子症でも、不妊治療のために精子を回収できる可能性があります。

  • 閉塞性では、精路の再建術や、精巣内精子回収術を行います。
  • 非閉塞性では、精巣内精子回収術を行います。

記事1:閉塞性無精子症(OA)とはどんな病気?その原因と治療方法
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