インタビュー

男性不妊のホルモン検査―どんなホルモンがあるのか?

男性不妊のホルモン検査―どんなホルモンがあるのか?
湯村  寧 先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 部長 田園都市レディースクリニック

湯村 寧 先生

男性不妊の検査のひとつに、ホルモン検査があります。これは、精液検査や陰嚢の超音波検査と同時に行う、男性不妊のための一般的な検査の一つです。また、このホルモン検査は血液検査の一環として調べることができます。どのようなホルモンを検査するのか、それらのホルモンにどのような意味があるのかを、以下に詳しく説明します。

ホルモン検査

ホルモン異常が原因となるケースは、男性不妊症全体の3%程度と言われています。この数字は少ないのですが、ホルモンの異常から病態を把握できるメリットがあるため、ほとんどの患者さんのケースで検査を行います。施設によっても差がありますが、男性不妊外来では、主に4つのホルモンを測定します。

1. プロラクチン

プロラクチンは、脳の下垂体という部分から分泌されるホルモンです。女性の場合、プロラクチンは乳汁(母乳)の分泌に関わるホルモンで、女性の不妊症の患者さんに、この値の高い方が多くいます。そしてこれは、男性でも高い場合があります。プロラクチンが高いと、精液所見(精液検査の結果)の悪化や性機能障害をもたらします。原因としては、薬剤やストレスが原因で高くなる場合や、下垂体に腫瘍があるために上昇する場合があります。

2. テストステロン

テストステロンは男性ホルモンの代表的なものであり、主に次の3. で述べるLH(黄体刺激ホルモン)の刺激を受けて精巣内で作られます。男性らしい体つきや筋肉の発達、二次性徴期の男性器の発育、性欲の高ぶりなどにも関わっています。

3. LH(黄体刺激ホルモン)

LHは脳の下垂体から分泌されるホルモンで、女性の場合は黄体(卵巣の器官)を刺激しますが、男性の場合は精巣に作用します。男性ホルモン(主に2. のテストステロン)の分泌をコントロールしています。精子数が減少していてこの値が低い場合には、下垂体の機能に異常がある可能性が疑われます。

4. FSH(卵胞刺激ホルモン)

FSHは脳の下垂体から分泌されるホルモンで、女性の場合は卵巣を刺激するホルモンですが、男性の場合は精巣に作用します。精子の形成をコントロールしています。精子数が減少していてこの値が低い場合には、下垂体の機能に異常がある可能性があります。またこの値が高い場合には、精巣での精子の形成が上手くできていない可能性が疑われます。