インタビュー

男性不妊外来でやることー問診と検査の概要

男性不妊外来でやることー問診と検査の概要
湯村  寧 先生

横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター 部長 田園都市レディースクリニック

湯村 寧 先生

不妊症の治療 -体外受精胚移植(IVF-ET)のために初めて受診する方には、不安なことも多いかと思います。問診でどのようなことを聞かれ、どのような検査をするのでしょうか? 問診と検査の一般的な内容について、湯村寧先生に答えていただきました。

男性不妊外来での問診について

男性不妊外来では、主に以下のようなことを聞かれます。

  1. 年齢(パートナーの年齢もお聞きします)
  2. 不妊期間はどれくらいか?
  3. 今までの治療では何を行ったか?(服用した薬(サプリメントも含めて)、人工授精・体外受精を試みたか)
  4. 既往歴(これまでに自分がかかった病気)について(小児期の悪性疾患・停留精巣・手術の経験はあるか)
  5. 家族歴(これまでに家族がかかった病気)について(不妊症・不育症の親族はいるかどうか、幼児期死亡の例はあるか)
  6. 二次性徴の出現時期:髭や恥毛の生えた時期・声変わりの時期はいつだったか(髭を毎日剃るか、など)
  7. 勃起・射精の有無(パートナーの膣内で射精できるか、勃起は性交渉するには十分か)

男性不妊外来の検査について

男性不妊外来では、以下のようなことを行います。

  1. 身体診察
  2. ホルモン検査(採血)
  3. 精液検査:精子濃度、運動率などをチェックする
  4. 超音波検査:陰嚢の大きさ

一般的な検査としては上記です。そのほかにも特殊な検査を行いますが、全員に行うわけではありません。

特殊な検査

男性不妊外来では、上記以外に以下のような検査を行うことがあります。いずれも特殊な検査ですので、全員に行うものではありません。

  1. 染色体検査:精子数が1000万/mlを下回った場合に行うことが多いです。
  2. 遺伝子検査:主に無精子症の患者さんに行います。
  3. 精巣生検:無精子症かどうかの判断のために行われることが多いですが、近年は精巣内精子回収術と併用して行う場合が多いです。
  4. 精管造影:閉塞性無精子症の閉塞部位を検査します。精管造影以外に、MRIなどを使用して調べる場合もあります。
  5. 抗精子抗体:いわゆる自己免疫を調べる検査です。陽性の場合は、精子は自分のものであるにもかかわらず、患者さんの体が精子を攻撃してしまい、精液所見が悪化している状態です。この場合顕微授精が推奨されます。一般的には保険外の検査です。
  6. 精子鞭毛の電子顕微鏡検査:精子運動率の低下が見られるときに、鞭毛異常の有無を調べます。