さくら内視鏡クリニック品川 院長/瀧田 麻衣子 先生
内視鏡検査に対して、「怖い」「痛そう」「恥ずかしい」といった印象を抱き、必要性を感じながらも受診をためらってしまう人は少なくない。とくに大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は心理的なハードルが高く、できれば避けたい検査として後回しにされがちなのが実情である。
しかし一方で、検査機器の進化や診療体制の変化により、内視鏡検査のあり方は少しずつ変わりつつある。
東京・港区にあるさくら内視鏡クリニック品川の院長であり、日本消化器内視鏡学会認定の消化器内視鏡専門医や、日本消化器病学会認定の消化器病専門医など複数の専門医資格を持つ瀧田 麻衣子(たきた まいこ)先生に、内視鏡検査の重要性や選択肢についてお話を伺った。
胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡検査に苦手意識がある方はとても多いです。診療をしていると、過去のつらい経験や、食事制限や下剤の服用といった準備の大変さに加えて、周囲から聞いた話によって不安が強くなっているケースをよく見ます。
健康診断で再検査を推奨されても、「忙しいから」「症状がないから」と理由を付けて先延ばしにしてしまう方も少なくありません。その背景には、検査に対する恐怖や抵抗感があり、気持ちの面でブレーキがかかっていることが多いように思います。
女性のがんとして知られる乳がんや子宮がんと比べても、大腸がんは死亡者数が多いことが知られています。大腸カメラが心理的な負担から敬遠されやすいことも、早期発見の機会が十分に生かされていない一因になっている可能性があります。
大腸カメラは、恥ずかしさや緊張を感じやすい検査ですが、女性の専門医が検査を担当するクリニックも出てきています。実際、女性の患者さんから「同性の医師に相談したい」「女性医師に検査をしてもらえるなら安心できる」という声を聞くことは多いです。
内視鏡検査は、どこで受けるかだけでなく、誰に診てもらうかを選べる時代です。女性の専門医が対応している医療機関があることを知っていただくだけでも、検査への心理的ハードルが下がるのではないでしょうか。
はっきりした症状がなくても、「なんとなく調子が悪い」「以前と少し違う気がする」と感じることはあります。そうした小さな違和感をきっかけに相談され、結果として診断につながるケースは珍しくありません。
気になる変化があれば早めに専門医に相談していただくことにより、病気の予防や早期発見につながり、結果的に体への負担が少ない治療を選択することも期待できます。
近年、鎮静薬や医療機器の進歩によって、苦痛の少ない内視鏡検査が可能になっています。ただし、「楽に終わる検査」だけではなく、「受ける意味のある検査」を提供することが大切だと考えています。
内視鏡検査は、病気を早い段階で見つけるための大切な機会です。細かな部分まで丁寧に観察し、必要な情報をしっかり得ることで、はじめて安心につながります。苦痛が少ないことと、精度の高い検査であることは、どちらか一方ではなく、どちらも欠かせない要素です。
そして、検査は定期的に受けていただくことが重要です。長い人生を健康に過ごすためのメンテナンスとして、内視鏡検査が身近な存在になればうれしいです。
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