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夏なのに、鼻水・くしゃみが止まらない ――その不調は「寒暖差アレルギー」かも?

公開日

2026年07月28日

更新日

2026年07月28日

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2026年07月28日

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ふくやま耳鼻咽喉科馬堀院 院長/福山 聡 先生

夏なのに鼻水やくしゃみが出ていると、季節外れの症状に感じてしまいやすい。
しかし、うだるような屋外と冷房の効いた室内とを行き来するうちに鼻がムズムズしたり、くしゃみを連発したりするようなら、その正体は花粉症でも夏風邪でもなく、いわゆる「寒暖差アレルギー」かもしれない。

神奈川県横須賀市にあるふくやま耳鼻咽喉科馬堀院の院長であり、日本専門医機構・耳鼻咽喉科専門医である福山 聡(ふくやま さとし)先生に、この寒暖差アレルギーとの付き合い方についてお話を伺った。

「アレルギー」という名前なのに、アレルギーではない

寒暖差アレルギーは、花粉やハウスダストのような特定の原因物質(アレルゲン)によって起こるものではありません。医学的にはアレルギーではなく、血管運動性鼻炎と呼ばれる病気です。

私たちの鼻の粘膜は、吸い込んだ空気を加湿し、異物を除去するなど、体に取り込みやすく整える役割を担っています。この調整を司っているのが自律神経です。
鼻の粘膜の血管は自律神経によって収縮と拡張がコントロールされていますが、激しい温度差の刺激を受け続けると、そのバランスが乱れ、調節がうまくいかなくなります。

その結果、粘膜の血管が広がり、鼻水や鼻づまり、くしゃみといった、アレルギー性鼻炎によく似た症状が現れるのです。一般に、7度以上の温度差が症状の出る目安といわれます。

誰にでも起こりうる、夏の不調

寒暖差アレルギーは冬のものというイメージがあるかもしれませんが、夏も油断できません。猛暑の屋外と冷房の効いた室内との温度差が、冬の朝晩の冷え込みに匹敵するほど大きくなるからです。電車やオフィス、商業施設に入るたびに体は急な温度変化にさらされ、自律神経が対応しきれずに症状が出やすくなります。

また、夏は暑さによって食欲が落ちたり、寝苦しい夜が続いて睡眠不足になったりと、いわゆる夏バテを起こしやすい季節でもあります。疲労や生活リズムの乱れが重なり、寒暖差による不調がさらに現れやすくなることも考えられます。

特定のアレルゲンが原因ではないため、寒暖差アレルギーは基本的に誰にでも起こりうるものです。そのうえで、自律神経が乱れやすい方――ストレスや疲れをためがちな方、不規則な生活の方などは、症状が出やすいといわれます。
「自分は今まで縁がなかったから」と思っている人でも、体調や生活次第で起こりうる、身近な不調といえます。

風邪や花粉症と、どう見分ける?

やっかいなのは、症状が風邪や花粉症とよく似ていることです。見分けるうえでの1つの手がかりが、鼻水の性質と、ほかの症状の有無です。

寒暖差アレルギーの鼻水は、透明でさらさらしているのが特徴です。一方、風邪では、粘稠(ねんちょう)な鼻水に加えて発熱や喉の痛み、咳などを伴うことがあります。 また、寒暖差アレルギーでは、花粉症のような目や肌のかゆみを伴わないことが一つの目安になります。

とはいえ、これらはあくまで目安にすぎません。実際には風邪や花粉症、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などが背景にあることもあり、症状だけで自己判断するのは難しいものです。長引く場合や繰り返す場合は、見極めのためにも専門家に相談するのが安心です。

つらい症状は、我慢せず相談を

寒暖差アレルギーは、原因物質をはっきり特定できるものではないため、対策は「温度差をやわらげること」と「自律神経を整えること」が中心になります。

室内外の温度の変化をゆるやかにするため、室温を冷やし過ぎないように心がけます。そしてエアコンの冷気が直接体に当たらないようにしましょう。薄手の上着やストールなどを活用することも1つの方法です。夏の寒暖差対策の注意点は、熱中症にも同時に気を付けることです。室温は28度以下をキープしましょう。

十分な睡眠やバランスのよい食事を意識し、ウォーキングやストレッチなどの適度な運動を取り入れることも大切です。疲労やストレスをため込まず、生活リズムを整えることを心がけましょう。

一方で、症状がつらく日常生活に支障が出る場合には、我慢せずに医療機関で相談することをおすすめします。自己判断で市販薬を使い続けても、そもそもアレルギーではないために十分に効果が得られないこともあります。

耳鼻咽喉科では、ほかの鼻の病気が隠れていないかを確かめたうえで、症状に応じた対処を一緒に考えていくことができます。「夏なのに鼻の調子がおかしい」と感じる日が続くときは、一度相談してみてください。

 

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