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うつ病の「プレゼンティーイズム」とは? ──出社できていても、心は限界かもしれない

公開日

2026年09月07日

更新日

2026年09月07日

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2026年09月07日

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RICメンタルクリニックあざみ野 院長/西脇 さくらこ 先生

会社を休むほどではない。でも、なんとなく調子が出ない。集中できない。そんな状態で出社を続けている人は多いのではないだろうか。欠勤という形は目に見えるが、出社しながら心身の不調でパフォーマンスが落ちている状態は、本人にも周囲にも気付かれにくい。

「プレゼンティーイズム」と呼ばれるこうした不調のサインについて、RICメンタルクリニックあざみ野の院長であり、日本精神神経学会 精神科専門医である西脇 さくらこ(にしわき さくらこ)先生にお話を伺った。

◇欠勤は見えるが、「出社できている不調」は見えにくい

心身の不調による欠勤や遅刻・早退は、「アブセンティーイズム」と呼ばれます。休む・遅れる・早退するという形で表れるため、周囲からも不調であることが見えやすい状態です。

一方で、「プレゼンティーイズム」は、出社はしているものの、心身の不調のために本来のパフォーマンスが発揮できない状態を指します。

外からは「いつもどおり働いている」ように見えるため、周囲に非常に気付かれにくいのが特徴です。また、本人も「これくらいで休むのは甘えだ」と考えてしまい、不調のサインを見過ごしてしまいがちです。

◇「休むほどではない」という自己判断の盲点

私たちは、つい「会社を休みたいと思うかどうか」を基準にして「出社できている限り、大きな問題はない」と考えてしまいがちです。
しかし、“出社できていること”と“心身ともに健康に働けていること”は、必ずしも同じではありません。

・集中できない
・いつもなら30分で終わる仕事に1時間かかる
・人と話すのも億劫
・仕事への気力が沸かない

こうした変化は、単なる疲れではなく、軽度のうつ状態のサインであることもあります。「休むほどではない」という基準では、こうした心の不調の初期サインを、つい見逃してしまうのです。

◇見過ごされた心の不調が、身体症状として現れることも

プレゼンティーイズムの状態は、いわば無理をして持ちこたえている状態でもあります。その無理が続くと、やがて心身のバランスが崩れ、欠勤や休職に至ってしまうこともあります。

早い段階でサインに気付くことが大切です。朝に気分が重く起き上がるのがつらい、以前は好きだったことに興味がわかない、眠りが浅くなった、食欲が落ちた――こうした変化は、心が発している小さなサインかもしれません。見過ごしたまま、進行させないことが大切です。

◇「出社できているか」ではなく「いつもの自分か」で捉える

大切なのは、体調をはかる基準を「出社できるかどうか」から「いつもの自分と比べてどうか」へと移すことです。出社できていても、いつもの自分らしさが感じられない状態が続いているなら、少し立ち止まって自分を整える時間をつくることも大切です。

それでも気になる状態が続くようであれば、1人で抱え込まず、専門家に相談することを検討してください。

「休むほどではない不調」を自覚することは、決して弱さや甘えではなく、自分を守るための大切な一歩です。

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