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潜在患者の9割は未治療?見逃されやすい睡眠時無呼吸症候群と、生活習慣病との関係

公開日

2026年09月18日

更新日

2026年09月18日

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2026年09月18日

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キュアステーション診療統括医師 伊藤 涼 先生(左)/キュアステーション北戸田院 院長 大和田 悠樹 先生(右)

いびきや日中の眠気を引き起こすことで知られる「睡眠時無呼吸症候群(以下、SAS)」。実はその多くが見逃されているこの病気は、高血圧や糖尿病といった生活習慣病とも深く関わっている。

地域のかかりつけ医として日々の診療にあたる、キュアステーション(葛西・南砂・市川などに展開中)の診療統括医師である伊藤 涼(いとう りょう・写真左)先生と、同グループ北戸田院の院長・大和田 悠樹(おおわだ ゆうき・写真右)先生が、日常に潜むSASのサインと、早期発見のための取り組みについて語り合った。

見過ごされやすいSAS――「いびきの病気」という誤解

大和田:
日々の診療で、患者さんから「薬を飲んでも血圧が下がりにくい」「夜中に何度もトイレに起きる」といったご相談をよく受けます。実は、こうしたお悩みの裏にSASが隠れていることが少なくありません。

伊藤:
むしろ、想像以上に多いですね。治療が必要とされる潜在的な患者さんは、国内で900万人以上と推計されています。一方で、実際には検査を受けず、診断や治療に至っていない人も多いと考えられます。 

大和田:
SASというと「大きないびきをかく病気」というイメージが強いため、ご家族からいびきを指摘されない限り、ご自身では気付きにくいですよね。

伊藤:
そうなんです。日本人は欧米の方に比べ、肥満がなくても発症しやすい。あごが小さい、首が短いといった骨格の影響で、痩せている女性や高齢の方が来院されることも珍しくありません。「太っていないから自分は関係ないと思い込んでいた」とおっしゃる方は本当に多いですね。

夜間頻尿、朝の頭痛――見逃されやすい日常のサイン

大和田:
SASの代表的なサインは「大きないびき」や「日中の強い眠気」ですが、私が外来でSASを疑うきっかけとして一番多いのは、実は「夜間頻尿」なんです。

伊藤:
おっしゃるとおりですね。夜間頻尿はSASのサインの1つです。睡眠中に呼吸が止まって苦しくなると、脳が目を覚まし、体の水分量を調整するホルモンがはたらいて、夜中に何度もトイレに行きたくなる。夜間頻尿は前立腺肥大症など泌尿器の病気によって起こることもありますが、SASが関係している可能性もあるため、見逃せません。

大和田:
「年のせい」「前立腺のせい」と片付けられがちですが、SASが原因のこともあるということですね。

伊藤:
「長年トイレの回数で悩んでいたのに、SASの治療を始めたら夜中に起きなくなった」と驚かれる方もいます。ほかにも、朝の頭痛や「寝た気がしない」という感覚、ご家族からの「呼吸が止まっていた」という指摘にも要注意です。日中の眠気を自覚しない方もいるので、眠気がないからと安心はできません。

治りにくい高血圧・糖尿病の陰にSASが

大和田:
夜間頻尿だけでなく、高血圧などの生活習慣病の背景にSASが潜んでいることもあります。たとえば、お薬を何種類飲んでも血圧が十分に下がらない「治療抵抗性高血圧」の患者さんについて、伊藤先生にご相談させていただくことも多いですよね。

伊藤:
SASと高血圧は非常に密接です。睡眠中に呼吸が止まると、断続的な酸素不足が交感神経を過剰に緊張させ、血管を収縮させて血圧を上げます。
本来、血圧は寝ている間に下がるものですが、SASがあると夜間も下がりきらず、血管への負担が続いてしまう。治りにくい高血圧の背景にSASがあった、というケースは少なくありません。

大和田:
糖尿病とも関わりが深いですよね。

伊藤:
睡眠中の酸素不足や睡眠の分断が、血糖値を下げるインスリンのはたらきを妨げるとされています。SASの治療によって血圧や血糖の指標が改善したという報告がある一方、効果には個人差があり、特に血糖については一貫した結論が得られていません。
SASを治療すれば生活習慣病も必ず改善するわけではありませんが、両者が密接に関係しているという視点を持つことが大切です。

検査は自宅でできる時代――迷ったら、まずかかりつけ医へ

伊藤:
SASの検査というと「入院が必要」というイメージを持たれがちですが、今はずいぶん負担が軽くなりました。まずは自宅でできる簡易的な検査から始められますし、より詳しく調べる精密検査も自宅で行える方法があります。

大和田:
診断後の治療も、患者さんにとって続けやすくなっていますよね。代表的なCPAP(シーパップ)治療では、医療機関側が装置の使用時間や治療中の呼吸状態を遠隔でモニタリングできるようになりました。そのデータを日々の診療や治療方針の微調整に生かせるため、よりきめ細やかなサポートが可能です。
いびきや日中の眠気、夜間頻尿、朝の頭痛、または高血圧や糖尿病などの生活習慣病でお悩みなら、まずは身近なかかりつけ医にご相談いただきたいです。

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