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「気の持ちよう」では治らない──不安や強迫と向き合うための、行動療法とは?

公開日

2026年08月26日

更新日

2026年08月26日

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2026年08月26日

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RICメンタルクリニック三軒茶屋 院長/新井 紘太郎 先生

強迫性障害、パニック障害、社交不安障害。こうした不安や強迫といった心の不調に対し、行動面からアプローチできる治療法があることは、まだまだ広く知られていないのではないだろうか。

RICメンタルクリニック 三軒茶屋の院長であり、日本精神神経学会 精神科専門医・指導医など複数の専門資格を有する新井 紘太郎(あらい こうたろう)先生に、精神疾患の治療法としての行動療法について、お話を伺った。

「気の持ちよう」では片付けられない

不安や強迫といった心の不調には、さまざまな形があります。手洗いや確認を繰り返さずにいられない、突然強い動悸や恐怖に襲われる、人前に出る場面を強く恐れる――。

こうしたつらさに対して、周囲から「気の持ちようだ」「気合いが足りない」といった言葉がかけられることがあります。

しかし、これらは意志や気合いだけで抑え込めるものではありません。むしろ、「頑張って気持ちを変えよう」としてもうまくいかず、自分を責めて、さらに苦しくなってしまうことも少なくないのです。

過度な「回避」「解消」で、不安は強くなる

ここで知っておいていただきたいのが、不安と「回避」「解消」の関係です。不安を感じる場面に直面したとき、その場所や状況を避けたり、手洗いや確認などの行動によって不安を打ち消そうとしたりすると、その場の苦痛は一時的に和らぐことがあります。

ところが、こうした対処を繰り返していると「不安をゼロにしないといけない」「不安になってはいけない」「不安になること自体が不安」という感覚が、かえって強まっていきます。
その結果、より不安に敏感になり、不安を解消するためにどんどん時間と手間がかかるようになってしまったり、回避することで行動範囲が極端に狭まったりと、生活に支障をきたすようになってしまいます。

つらさを和らげるために行っていた対処が、結果として不安の悪循環につながることがあるのです。

少しずつ慣れることで、不安は自然に和らぐ

不安という感情には、ある性質があります。不安な場面を避けずにいると、不安はしばらく強い状態が続いた後、徐々に自然に和らいでいきます。
この性質を利用し、無理のない範囲で、少しずつ不安な場面に慣れていくという治療が「行動療法」です。

たとえば、確認や手洗いをせずにこらえていると、時間と共に不安が軽減していく。その体験を積み重ねることで、「避けなくても大丈夫だった」という実感が育っていきます。

不安解消・回避の悪循環を理解し、いつも反射的にやっていた行動を変えることで、少しずつ不安との付き合い方を変えていく、という考え方です。

本来、不安は慎重な行動をするために必要な感情で、異常や変化を知らせてくれるアラームのような役割があります。不安を感じること自体を認めてあげることも大切です。

自己流ではなく、専門家と共に

不安な場面にあえて向き合うことは、一時的に不安を高めるため、自己流で行うと、かえって強い苦痛や症状の悪化を招くことがあります。不安の強さや質によっては、お薬を併用した方がよいこともあります。

大切なのは、信頼関係を築いた専門家と共に、無理のないよう少しずつ取り組むことです。つらさを「気の持ちよう」と1人で抱え込む必要はありません。

行動の面からできることがあると知り、まずは専門家に相談することが、回復への第一歩になります。

取材依頼は、お問い合わせフォームからお願いします。

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