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その足のしびれ、放っておいて大丈夫?――脊柱管狭窄症・腰椎すべり症のサインと向き合い方

公開日

2026年10月05日

更新日

2026年10月05日

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2026年10月05日

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野中腰痛クリニック 院長/野中 康行 先生

「少し歩くと足がしびれて、休まないと歩けない」。こうした症状の背景には、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)や腰椎変性(ようついへんせい)に伴うすべり症が隠れていることがある。しかし、「年のせいだから仕方ない」「症状が軽いから、もう少し様子を見よう」と自己判断し、受診せずに過ごしてしまう方も少なくない。

野中腰痛クリニックの院長、野中 康行(のなか やすゆき)先生に、これらの病気のサインと、症状を放置しないことの大切さについて伺った。

「歩くと足がしびれて休んでしまう」その症状が示すこと

「歩いていると太ももやふくらはぎがしびれたり痛くなったりして、少し休むとまた歩ける」。診察室でこう話される方はとても多くいらっしゃいます。これは間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる症状で、「スーパーのカートを押すと歩けるのに、手ぶらだと歩けない」「歩くのはつらいけれど、自転車なら遠くまで行ける」という方もいます。

こうした症状は、脊柱管狭窄症や腰椎すべり症でよくみられる代表的なサインの1つであり、背骨の中を通る神経への圧迫が関係して起こっている可能性があります。「足の骨や筋肉ではなく、背骨や神経に原因があるのかもしれない」と気付いていただくことが大切です。

中高年に多い脊柱管狭窄症・腰椎すべり症とは

背骨の中には、脊柱管というトンネルのような空間があり、その中を神経が通っています。加齢とともに背骨や周囲の組織が変化すると、このトンネルが狭くなり、中の神経が圧迫されて、足のしびれや痛みが起こります。これが脊柱管狭窄症です。

一方、腰椎すべり症は、腰椎がずれることで脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される病気です。

これらの病気では、腰を反らすと神経への圧迫が強まり、痛みやしびれが現れたり、強くなったりするのが特徴です。反対に、前かがみになると圧迫が和らぐため、症状も軽くなります。間欠性跛行があっても、スーパーのカートや杖を使うと歩きやすくなったり、自転車なら移動できたりするのは、自然と前かがみの姿勢になるためです。

いずれも、加齢に伴う椎間板(ついかんばん)や関節、靱帯(じんたい)などの変化を背景として、中高年以降に起こりやすくなる病気です。決して珍しいものではなく、年齢を重ねれば誰にでも起こりうる、身近な変化だとお考えいただければと思います。

症状が続くことで生じる生活への影響 

「年のせいだから」「まだそれほど症状が強くないから」と我慢を続けてしまう方は、とても多くいらっしゃいます。しかし、症状が進むと歩ける距離が短くなり、買い物や散歩、旅行など、当たり前にできていた活動が難しくなってきます。 

外出がおっくうになれば体を動かす機会が減り、足腰の筋力も低下します。筋力が落ちるとさらに動きにくくなり、活動性の低下が加速することもあります。生活の範囲が狭まることで気持ちが沈むなど、精神面に影響が及ぶこともあり、認知機能を含めた心身の衰えにもつながると考えられます。

腰や足の症状は、痛みやしびれだけの問題にとどまらず、生活全体や心身の健康にまで影響しかねません。だからこそ、我慢して先延ばしにしないでいただきたいのです。

早めに相談することで見えてくること

足のしびれや歩きにくさの原因、症状の進み具合は人によってさまざまです。まず大切なのは、ご自身の背骨や神経がどのような状態にあるのかを、きちんと見極めることです。

診察や検査で現在の状態が分かれば、今後の経過について、ある程度の見通しを持つことができます。いつ、どのような対応が必要なのかも考えやすくなります。

症状が軽いうちであれば、日常生活上の工夫を含め、より幅広い対応を検討できる可能性があります。その中から、年齢や現在の生活、これからどのように過ごしたいかを踏まえ、ご自身に合った治療や対策を選ぶことができます。

最初から大学病院などの大きな医療機関を受診する必要はありません。まずは、症状や困っていることをじっくり聞いてもらうため、身近で相談しやすい医療機関を受診するのも1つの方法です。

脊柱管狭窄症や腰椎すべり症による腰痛は、命に関わることはないですが、一生付き合っていかなければなりません。がんと同じで進行性であるため、悪化する前に、早期発見・早期治療することが最も大切です。

 

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