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そのいびき、放っておいて大丈夫?――見逃せない体のサインを、専門医が解説

公開日

2026年10月26日

更新日

2026年10月26日

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2026年10月26日

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渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック 院長/楠 裕司 先生

「いびきが大きい」と家族に言われても、体質や疲れ、年齢のせいと受け止め、そのままにしている人は少なくない。しかし、いびきの背景には、睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れていることもある。

今回は、いびきが意味することや、その向き合い方について、渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック 院長で日本睡眠学会 総合専門医・指導医の楠 裕司(くすのき ゆうじ)先生に話を伺った。

いびきは、なぜ起こるのか

いびきは、眠っている間に空気の通り道である気道が狭くなり、そこを空気が通るときに喉の粘膜や周囲の軟らかい組織が振動して生じる音です。つまり、いびきをかいているということは、上気道(鼻から喉にかけての空気の通り道)が狭くなっているサインです。

飲酒や鼻づまりなどの影響で、一時的にいびきをかくこともありますが、毎晩のように大きないびきが続く場合は、眠っている間に気道が狭くなる状態が続いている可能性があり、注意が必要です。

いびきの裏に隠れているかもしれない病気

いびきの症状がみられる病気で特に気をつけたいのが、睡眠時無呼吸症候群です。これは、眠っている間に気道が狭くなったり塞がったりすることで、呼吸が何度も止まったり浅くなったりすることを繰り返す病気です。

いびきをかく方全員が該当するわけではありませんが、大きないびきが続く場合や、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘される場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため注意が必要です。

呼吸が止まると、血液中の酸素濃度が低下し、呼吸を再開するために脳が一時的に覚醒することがあります。眠っているつもりでも、こうしたことを一晩に何度も繰り返すと、睡眠が途切れ、十分に休めなくなります。その結果、ぐっすり眠ったはずなのに日中に強い眠気が出たり、集中力が続かなかったりといった不調につながることがあります。

睡眠時無呼吸症候群が体に及ぼす影響 

睡眠時無呼吸症候群で心配なのは、日中の眠気だけではありません。呼吸が止まって血液中の酸素濃度が低下する状態を繰り返すと、その負担が血管や心臓にも及んでいくからです。

こうした状態が長く続くと、高血圧や糖尿病といった生活習慣病、さらには脳卒中や心筋梗塞、不整脈などのリスクが高まることが知られています。また、睡眠時無呼吸症候群は、夜間に何度もトイレに起きることや、気分の落ち込みといった症状とも関連が指摘されています。 

「いびきが消えた=安心」とは限らない 

ここで1つ、心に留めておいていただきたいことがあります。それは、いびきの「音」が小さくなったり消えたりしても、それだけで安心とは限らない、ということです。

いびきは体の状態を知らせてくれる大切なサインです。ただし、音が小さくなったり消えたりしたからといって、状態がよくなったとは限りません。気道が塞がって空気が通らなくなると、呼吸だけでなく、いびきの音も止まるからです。つまり、大きないびきの後に突然静かになり、しばらくして再び大きないびきをかく場合には、その間に呼吸が止まっている可能性があるのです。

大切なのは、いびきの「音」を消すことだけでなく、検査などを通じてその背景を見極めることです。現在はご自宅で行える簡易的な検査もあり、医療機関に相談することで、睡眠中の呼吸の状態を調べることができます。

いびきでお悩みの方は、まずは睡眠時無呼吸症候群の診療を行う医療機関で相談し、ご自身の状態を正しく知ることから始めてみてください。それが、将来の健康を守る第一歩となります。

取材依頼は、お問い合わせフォームからお願いします。

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