婦人科・乳腺外科レディースクリニックフラウ名駅 院長/宮島 慎介 先生
仕事や家庭に追われるなかで、自分の体の不調をつい後回しにしてしまう女性は少なくない。「忙しいから」「大げさかもしれないから」とためらううちに、受診の機会を逃してしまうこともある。
だが近年は、忙しい女性でも医療にかかりやすい環境が少しずつ整ってきている。婦人科・乳腺外科を専門とする、婦人科・乳腺外科レディースクリニックフラウ名駅の院長で、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医でもある宮島 慎介(みやじま しんすけ)先生は、「気になることがあれば、後回しにせず相談してほしい」と語る。自分のことを後回しにしがちな女性が、体の不調とどう向き合えばよいのか、お話を伺った。
診察をしていると、「本当はもっと早く来たかったのですが」とおっしゃる患者さんによく出会います。朝は家族の支度に追われ、日中は仕事、夜は家事や育児、人によっては親の介護も重なるでしょう。自分のための時間は、一日の最後まで残らないという方が多いのではないでしょうか。
体の違和感に気付いていても、「この繁忙期が終わったら」「子どもの手が離れたら」と先延ばしにしているうちに、半年、一年と過ぎてしまう。受診の優先順位をどうしても下げてしまいがちなのが、忙しい毎日を送る女性に共通する姿だと感じています。
ひとくちに忙しい女性といっても年代は幅広く、起こりやすい不調もそれぞれ異なります。たとえば20歳代から40歳代の方では、月経に伴う強い痛みや経血量の変化、月経前になると気分が落ち込んだり体調を崩したりする月経前症候群(PMS)がみられることがあります。50代にさしかかるころには、ほてりや発汗、不眠、気分の揺らぎといった更年期に伴う症状が現れてくる方もいます。
こうした不調は、「体質だから」「毎月のことだから」「年齢のせい」と見過ごされがちです。けれども、どんな不調であっても我慢しなければならないものではありません。つらいと感じているなら、それは相談してよいサインです。相談のうえで心配がないと分かれば、それも1つの安心につながります。
受診をためらう理由として多いのが、「何科に行けばよいのか分からない」という迷いです。月経に関する悩みやホルモンの変化に関わると感じる不調であれば、まずは婦人科にご相談いただいて構いません。
一方で、不調の原因が婦人科にあるのかどうか、ご自身では判断しにくいこともあります。そうした場合も、まず婦人科でよいので受診ください。いつ頃からどのようなときに不調を感じるのか、婦人科で評価すべきものか、あるいは別の科での相談が適している可能性があるのかを医師と一緒に整理することで、必要に応じて適切な医療機関への案内を受けることができます。「相談先が分からない」という段階こそ、受診していただきたい場面だと考えています。
近年は、忙しい方でも医療にかかりやすい環境が整ってきています。オンラインでの相談という選択肢が広がり、予約も電話だけでなくインターネットから取れるようになりました。駅の近くなど通いやすい場所にある医療機関も増え、仕事や用事のついで、ご家族の送り迎えの合間など、日常の動線の中で無理なく立ち寄りやすくなっています。かつて受診をためらわせていた時間や手間の壁は、少しずつ低くなっているのです。
ご自身の体のことを、これ以上後回しにする必要はありません。気になることがあれば、どうか我慢せず、気軽に相談していただきたいと思います。その一歩が、これからを健やかに過ごすための支えになるはずです。
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