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長年悩まされている方へ伝えたい、 進化する「アトピー性皮膚炎」の治療薬

公開日

2026年10月09日

更新日

2026年10月09日

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2026年10月09日

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ふじもと皮フ科クリニック 院長/藤本 栄大 先生

アトピー性皮膚炎に長年悩まされ、「今の治療を続けるしかない」「これ以上よくなることはない」と感じている方は少なくない。しかし、この10年で治療の選択肢は大きく広がった。以前は十分にコントロールできなかった症状も、自分に合った治療を見つけることで、日常生活への影響をぐっと小さくできるようになってきている。「選択肢が広がったことを、まだ知らない方に届けたい」――そう語るのは、千葉県船橋市のふじもと皮フ科クリニック院長で、日本医科大学千葉北総病院と共同研究を続ける皮膚科専門医・藤本 栄大(ふじもと えいた)先生。アトピー性皮膚炎の最新治療について、分かりやすく解説していただいた。

治療の「考え方」が変わってきている

アトピー性皮膚炎は、かゆみをともなう湿疹を慢性的に繰り返す皮膚の病気です。
ステロイドの塗り薬が怖い、市販薬で様子を見ている、長年ケアを続けているけれどよくならないといった方が、今も多くいらっしゃいます。

近年、アトピー性皮膚炎の原因となる体内の炎症のしくみが解明されてきたことで、そのしくみに直接はたらきかける新しい薬が登場しています。

症状がひどいときだけ薬を使い、落ち着いたらやめるというくり返しではなく、適切な治療を継続しながら症状をしっかりコントロールする。その考え方が、今の治療の軸になってきています。

まず知ってほしい、新しい「塗り薬」の登場

新しい治療の話をする前に、塗り薬の分野でも大きな変化がありました。これまでアトピー性皮膚炎の塗り薬といえば、ステロイドとタクロリムス軟膏が主流でした。
しかし近年、これらとは異なるしくみで炎症やかゆみを抑える、新しいタイプの塗り薬が登場しています。
 

ステロイドとは違う成分のため、「ステロイドを長く使うことに抵抗がある」「顔や首など皮膚の薄い部位に使いやすい薬がほしい」という方にとって、選択肢が増えた意味は大きいといえます。塗り薬の段階でも、以前より一人ひとりの状態に合わせた使い分けができるようになっています。

「生物学的製剤」・「JAK阻害薬」とは?

さらに、症状が中等症から重症の方には、生物学的製剤(バイオ製剤)とJAK阻害薬(ジャック阻害薬)という選択肢があります。

アトピー性皮膚炎では、体の免疫システムが過剰に反応して炎症を起こしています。生物学的製剤は、その炎症に関わる特定のタンパク質だけをピンポイントで抑える注射薬で、体全体への影響を抑えながら炎症のもとにはたらきかけます。一方、飲み薬の JAK 阻害薬は、炎症を引き起こすシグナルを細胞の内側でブロックします。 どちらも、従来の治療では十分に改善できなかった方への効果が報告されています。

私自身、日本医科大学千葉北総病院との共同研究を通じて、これらの薬剤の有効性と安全性に関するデータ検証にも携わっています。

まずは医療機関で、現在の治療の見直しを

こうした新しい治療は、標準的な治療で十分な効果が得られなかった方が対象です。
その状態が何年も続いている方、かゆみや湿疹のせいで眠れない方、日常生活に支障が出ている方にとっては、現実的な選択肢になります。費用には健康保険が適用され、高額療養費制度を利用できる場合もあります。「高すぎて無理」と決めつける前に、一度相談してみてください。

まずは皮膚科を受診し、今の治療でどのくらいコントロールできているか、生活にどのくらい影響が出ているかを、正直に伝えてみてください。症状の程度や生活背景をふまえて、合った治療を一緒に考えていくことができます。

「ステロイドを長年使っているが、よくなった気がしない」「薬をやめるとすぐぶり返す」という方は、治療を見直すよい機会になるでしょう。

取材依頼は、お問い合わせフォームからお願いします。

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