
慢性心不全の症状にはどんなものがあるのでしょうか。また、急に症状が悪くなったときには、どんな変化に気をつければよいのでしょうか。鳥取大学医学部附属病院第一内科診療科群の主任診療科長である山本一博教授にお話をうかがいました。
心不全になると、健康な人なら何でもない平地での歩行など、ちょっとした動作でも疲れやすくなり、動悸や息切れを起こすようになります。そのほか、せきやたんが続き、むくみが出ます。
心臓の筋肉が弱って血液を送り出すポンプ機能が低下すると、1回の拍動で送り出せる血液の量が少なくなります。このため拍動の回数を多くして速いペースで血液を送り出し、循環する血液の量を補おうとします。その結果脈が早くなり、ドキドキという動悸を覚えます。
また、血液がうまく循環しなくなると肺に水がたまり、酸欠状態に陥ります。それをカバーするために呼吸の回数が増えるため、息切れがします。
全身に水がたまり、特に足の甲や足首、すねにむくみ出てきます。心不全の悪化にともない、末端から身体の中心に近い方へむくみがひろがってきます。また、水がたまることで体重が急に増えることがあります。
水がたまるのは足のむくみだけではありません。肺に水がたまると、せきやたんが続くことがあります。風邪の症状と勘違いしやすいため、長引くせき・たんには注意が必要です。
息切れの症状が急に悪くなったかどうかというのは、普段あまり動いていないとなかなか気づきにくいものです。日々の生活の中で分かりやすい変化は急激な体重の増加です。食事量があまり変わっていないのに1日で2kg以上体重が増えたという場合には心不全が悪化している可能性があります。これは前項で述べた「むくみ」のために水がたまるからです。
日頃から毎日体重を計っていないと、こうした体重の変化に気づくことができません。心不全になって治療をしている方は、体調管理のためにも日々の記録をつけておくことをおすすめします。
もし体重の増減がはっきり分からないときには、靴下を脱いだときにゴムの痕がついているかどうか注意してみるとよいでしょう。今までよりくっきり残ってなかなかとれないといったことがあれば、むくみが悪化していると考えられます。
日頃から血圧や脈拍を計っている方は、脈拍がいつもより早くなっているかどうかにも注意していただくとよいでしょう。脈拍数の正常範囲は人それぞれですので、絶対値よりもむしろ、いつもと明らかに違うというときに気をつけてください。不整脈が起こった時も要注意です。
次の外来の予約日に病院へ行ったら相談してみよう、と思われるかもしれませんが、急性増悪の場合の対応は先手必勝です。症状が軽いうちであれば比較的簡単な処置でリセットが可能ですが、先延ばしにするとその分症状が悪くなり治療にも手間がかかってしまいます。
慢性心不全の症状がどれくらい悪くなっているのかを判断する指標として、NYHA(NYHA(New York Heart Association)分類というものがあります。自覚症状に基づいて問診によって判定するため、簡便に短時間で患者さんの状態を知ることができますが、定量的・客観的な判定が難しい面があります。下記の通り、症状の有無やその程度によってI〜IVまでの4段階に分類します。
I度(無症候性)
II度(軽症)
III度(中等症〜重症)
IV度(難治性)
ただし、このような重症度分類は、あくまでも心不全であることの診断が確定した後に指標として用いるものです。主観的な自覚症状だけで心不全を自己判断することのないようにしてください。
鳥取大学 医学部病態情報内科 教授、鳥取大学医学部附属病院 第一内科診療科群(循環器内科、内分泌・代謝内科) 主任診療科長
周辺で心不全の実績がある医師
国家公務員共済組合連合会立川病院 顧問
内科、血液内科、リウマチ科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、放射線診断科、放射線治療科、頭頸部外科、精神神経科、病理診断科
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医療法人伯鳳会 東京曳舟病院 循環器センター・循環器科 部長
内科、外科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、循環器科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、感染症内科、消化器内科、血管外科、病理診断科
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心不全と腎臓透析との関係について
私の母親84歳についての相談です。7月から現在も入院中です。当初薬物療法で様子を観察して改善が無ければペースメーカーを埋め込むという治療方針を主治医に言われ了承し服薬しながら入院生活をしていたのですが、そのうち尿の出が悪くなり足のむくみが酷くなり肺に水が溜まり呼吸が苦しくなって酸欠による意識障害になり一命は取り止めたもののHCUという処に入っています。透析によって血液から水をひいて肺に溜まった水を抜く治療で回復し、現在は意識もハッキリし呼吸も少しの酸素を鼻から吸っている位で、会話食事も出来ますがまだ起き上がるのは無理です。透析をすると血圧が下がり腎臓の機能が低下して尿の出が悪くなりやらないと水が溜まって呼吸が辛くなる状態です。医師はシャントして恒常的に透析をしていくと言っていますが、それは何か違和感を覚えます?最初に示されたペースメーカーによる治療との整合性が無いように思いますが。そもそも心臓の治療で恒常的な透析と云うのは有りなのでしょうか?
今後の注意する事は?
2日前に、カテーテルアブレーションの手術しました。悪い所をすぐ、解り、1時間ぐらいで終わり、手術前の検査では、心臓が大きくなっていて、70パーセント完治と言われてましたが、80パーセント完治と言われ安心してます。軽度の、心不全にもなってますが、今後の生活では、注意する事ありますか?お酒は、一口も飲んだら、駄目なんですか?カフェインや、塩分はどうですか?又、この手術によって、心不全が良くなりますか?心不全は、生活習慣や、食事(塩分)の制限したり、薬で、完治しますか?今後、ずっと薬を飲み続ける生活ですか?まだ、54歳で、仕事は、パソコン等デスクワークですが、大丈夫ですか?車の運転はどうですか?今後の生活と、完治について教えてほしいです。
心不全の症状とは?
喋ると息切れがします。(階段登っても) 隠れ心不全のような疑いはありますでしょうか?ちなみに今週、胸部CTを撮る予定です。 CTでそのような兆候はわかるのでしょうか? 異常であれば、血液検査の値は、どのようにあらわれるのでしょうか?
母乳育児による心不全の進行影響有無
幼児の頃にファロー四徴症の心内修復術を受け、現在循環器内科にて年1回程度経過をみています。心雑音はありますが、特に問題はないと言われています。今回出産で大量出血し、ヘモグロビン値が低くなったため輸血を行いました。その後の入院中は点滴で鉄剤を投与され、退院後は内服で処方をされています。 退院時のヘモグロビン値は8とのことですが、母乳育児を続けることで貧血が続き心臓に負担をかけ心不全に繋がらないかを懸念しています。もし母乳育児が心臓に負担をかけるようであればミルク育児に切り替えるべきか教えてください。
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