S414x320 4f61d693 19be 4581 bb62 27a7fac5bef5

インタビュー

公開日 : 2017 年 08 月 09 日
更新日 : 2017 年 08 月 10 日

前立腺がんの原因と症状とは? ステージごとの治療法と早期発見の重要性

50歳を境に顕著に増える前立腺がんは、早期に発見することができれば根治を目指せる男性特有の疾患です。しかし、早期前立腺がんには、血尿や排尿痛といった自覚症状はありません。また、年齢や人種、男性ホルモンが前立腺がんの発症に関与していることは明らかになっていても、これらのリスク因子は努力で防ぐことができる性質のものではありません。

したがって、あらかじめ前立腺がんの基礎知識や早期発見のために必要な検査を知っておくこと、一定の年齢になったら検査を受けることが極めて重要になります。広島大学病院泌尿器科診療科長の松原昭郎先生に、前立腺がんのステージごとの症状の有無や治療法、検査を受ける年齢についてお伺いしました。

前立腺の役割-構造と2つの機能

前立腺

男性のみにあるクルミ大の器官「前立腺」は、尿道を取り囲むように膀胱の出口に位置しています。前立腺の主な役割は、以下の2つです。

排尿の調節

前立腺は、膀胱とともにスムーズな排尿を助けています。そのため、加齢とともに前立腺が肥大化すると、頻尿や残尿感などの排尿障害が生じます。

前立腺液の分泌

前立腺のもうひとつの重要な機能は、精子の活動を助けるための前立腺液を産生・分泌することです。

精液中に含まれる前立腺液は、精子の運動や保護に関与している可能性があると考えられています。

前立腺がんのステージ分類と自覚症状

前立腺がんの多くは、前立腺の辺縁域に生じます。前立腺を果物に喩えるならば、「皮」の部分に発生するとイメージしていただけるとわかりやすいでしょう。

前立腺がんの自覚症状には、残尿感や排尿時の痛み、血尿などが挙げられます。しかし、このような自覚症状が現れるのは、がんが進行し、前立腺の被膜外へと浸潤してからです。

前立腺がんの4つの病期と治療法

前立腺がんのステージは、以下4つにわけられます。

前立腺

・ステージA・B:がんが前立腺の被膜内に留まっているため、「早期がん」あるいは「限局がん」と呼ばれます。ステージAは臨床的に前立腺がんと診断されず、良性前立腺手術において、たまたま組織学的に診断されるものです。したがって、検査により発見される早期の限局がんとは、基本的にステージBということになります。限局がんであれば、手術治療や放射線治療により根治(完治すること)を目指せます。

・ステージC:がんが前立腺の被膜外へと浸潤しており、排尿時の違和感や血尿などの症状が現れます。「局所浸潤がん」とも呼ばれます。

・ステージD:がんが被膜外へと浸潤しているだけでなく、他の臓器などにも転移しています。前立腺がんの場合は、特に骨に転移することが多く、疼痛(激しい痛み)が生じることがあります。

ステージC、Dの場合、手術によってがんをすべて切除することは難しく、放射線治療やホルモン療法、抗がん剤治療が選択されます。

無症状でもPSA検査により前立腺がんを発見できる

根治を目指せるステージA、Bの段階で前立腺がんをみつけるためには、PSA検査と呼ばれるスクリーニング検査を受けることが有用です。

繰り返しになりますが、早期の限局がんには自覚できる症状はありません。詳しくは後述しますが、前立腺がんのリスク因子は年齢や人種、また、「男性であること」といった抗えない質のものです。読者の皆様には、一定の年齢になったらPSA検査を受けていただきたいとお伝えしたいです。

前立腺がんのページへ

連載記事

関連記事