連載新型コロナと闘い続けるために

「新型コロナで運動減」が4割 体への影響を最小限にとどめるには

公開日

2020年03月24日

更新日

2020年03月24日

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2020年03月24日

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この新型コロナウイルス感染症に関する記事の最終更新は2020年03月24日です。最新の情報については、厚生労働省などのホームページをご参照ください。

新型コロナウイルスの流行で、外出や運動の機会が減っていることが、日本整形外科学会が設立した「ロコモ チャレンジ!推進協議会」が実施したアンケートで分かりました。特に高齢者では外出や運動機会の減少は身体機能の衰えに直結することから、同会は室内で手軽にできる運動方法の周知を図っています。【編集部】

「テレワーク」も影響

アンケートはインターネットを使い、無作為抽出した全国の20~60歳以上の男女5000人を対象に3月11、12日に行われました。

2月上旬以降の1カ月を振り返って「自身の外出する機会は前年同期に比べて変わったか」との問いには、「かなり減った」「やや減った」と回答した人が全体では52.6%、最も割合が高かった60歳以上の女性では62.6%と、半数以上が減少を自覚していました。また、同じく「運動の機会や日常の活動量」についての質問に対しては「かなり減った」「やや減った」の合計が、全体では40.3%、60歳以上の女性では52.8%となりました。

このように自宅で過ごす時間が多くなったことに比例して「自宅で動かないでいる時間(座っている・寝転がっている時間)が増えた」人も増加し、その割合は全体で32.8%、60歳以上の女性では39.6%でした。

外出の機会が減った理由(複数回答)としては「多くの人が集まるイベントや集会を避けている(58.6%)」「電車やバスに乗らなければ行けない場所には出かけない(37.4%)」「出勤、通学しなくなった/回数が減った(12.4%)」など、感染予防策が運動不足に影を落としていることがうかがえます。

テレワークのイメージ

運動不足は「ロコモ」の原因にも

高齢者の活動量不足は「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の原因になります。ロコモは骨、筋肉、関節、神経など体を動かすことにかかわる組織や器官(運動器)の衰えや障害で動く能力が低下した状態を指し、健康寿命を短縮させる一因ともなっています。

年齢にかかわらず、運動器は使わずにいると機能が衰えてしまいます。運動不足は高齢者だけでなく、若い人にとっても将来の運動機能に影響することが懸念されます。このまま新型コロナウイルス感染を防ぐために外出を控え、運動量が減った状態が続けば、ロコモ予備軍の増加につながりかねません。

この調査結果について同会の大江隆史委員長(NTT東日本関東病院整形外科部長)は「テレワークによる通勤の減少や人が多く集まる場所への外出の自粛などが生活活動量の不足を、学校の休校やスポーツイベントの中止、スポーツ施設の休業などが運動量の不足を招いています。子供から高齢者まで、身体活動の不足で健康を損なう恐れが高まっています。自宅や風通しのいい場所での運動や体のメンテナンスをしてください」と呼びかけています。

同会はウェブサイトで、ロコモ予防につながる「ロコトレ」の方法を紹介しているほか、家庭内ですぐにできる運動方法を近く公開する予定です。

取材依頼は、お問い合わせフォームからお願いします。

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