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連載特集

新型コロナで献血がピンチ 血液はなぜ必要? 安定供給に貢献するためには?

公開日

2020年05月13日

更新日

2020年05月13日

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2020年05月13日

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新型コロナウイルスの影響で献血協力者が減少しています。輸血が必要な人への安定供給に支障が出かねないため、血液事業を担う日本赤十字社は「献血は“不要不急の外出”にはあたらない」と、緊急事態下でも献血への協力を呼び掛けています。輸血用血液はなぜ必要か、不足にどう対応しているかなどについて、日本赤十字社血液事業本部経営企画部の松田由浩次長に伺いました。

献血量は通常の必要量の8割台に

3~4月は学生さんの新入学や、お勤めの方ならば転勤などがある社会的なローテーションの時期なので、通常でも献血協力者の数が落ち込みます。それに加えて、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で不要不急の外出や他者との接触を減らそうとしている人が多いためか、例年以上に落ち込みが大きくなっています。

通常の需要を100とすると、現在の供給量=献血量は80台半ばといった状態です。ただ、同じく新型コロナの影響で医療的な需要も例年よりは少し減っているのですが、それでも需給のギャップは10ポイントほどあります。

新型コロナウイルスの影響は、北海道で感染の拡大が報じられるようになった2月後半ごろから出始めました。一時は必要量に対して3割も不足するほどまで落ち込んだのですが、危機感をもって地域ごとに対策を講じることで、なんとか8割台まで持ち直しました。

松田由浩次長

輸血の4割はがん患者に

「輸血」というと、けがや事故、出産などで大量に出血した時に使われるというイメージが強いと思います。ですが、実際には、「損傷その他の外因」と「妊娠・分娩(ぶんべん)」を合わせても輸血全体の3.5%でしかありません。ではどのような方に使われるかというと、悪性新生物、いわゆる「がん」の患者さんが約4割で最も多く、血液及び造血器の病気、循環器系の病気が続きます。輸血を受ける患者さんの年齢は50歳以上が約85%となっています。血液は、そうした患者さんにとっての“薬”として使われるものですが、人工的につくることはできず、献血に頼るしかないのです。

血液からつくられる輸血用血液製剤のほとんどは、長期保存ができません。採血されたそのままの「全血製剤」や、出血や赤血球が不足する状態などに使われる「赤血球製剤」は有効期限が採血後21日、出血傾向がある場合などに使われる「血小板製剤」は採血後4日しかもちません。

輸血用血液は患者さんにとって必要不可欠な医薬品ですので、不足は命にかかわります。需要を満たすためには、1日平均1万3000人分の献血が必要です。少なすぎるともちろん、必要とする患者さんに行き渡らなくなります。ただ、災害があったり、血液不足の訴えが効きすぎたりすると一時的に献血者が増えすぎてしまうことがあります。善意を100%生かすためには、そのようなピークをなるべくつくらず、需要に合った献血のご協力をいただくことが重要です。

会員登録し協力を

献血量には季節的な変動があります。最初にお話ししたように、3月は献血者が減少しがちです。4月は大学の新入生に呼び掛けるなどして年度が始まり、5月の連休明けから比較的安定的にご協力いただけますが、秋から冬にかけて再び減少傾向となり、春を前にまた下がり始めるというのが例年のパターンです。ところが、今年はゴールデンウイーク明けまで始業を遅らせる大学も多く、学校献血ができません。連休中も全国規模での移動自粛要請が続き、その後も例年とは違う動きが出てくるかもしれません。

不足分を補うため、通常であれば移動採血車(献血バス)を出し、企業・団体などに協力をお願いします。ところが今回は、感染拡大防止でテレワークをする人が増えている影響で、人が集まりません。街頭でも、歩いている人が少ないため苦しい状況が続いています。

安定供給のために今、力を入れているのが献血WEB会員サービス「ラブラッド」への登録会員の拡大です。現在約200万人に登録していただき、血液が不足した場合にはメールで会員の方にご協力をお願いしています。会員になるとスマートフォンやパソコンから予約をして待ち時間なく献血ができるほか、過去の血液検査結果がネットで確認できたり、イベントやキャンペーンの情報などが届いたりもします。会員登録してくださっている方は、それ以外の方に比べて年に平均1回程度献血回数が多いというデータもあります。

新型コロナ感染につながるとされる密集や密接を避けるため、各地の献血ルームにおいでになる場合には予約を強く推奨しています。上記会員ではなくても、電話で予約が可能です。また、施設でも混雑をさせない環境を整え、清潔面でもより一層の配慮を進めています。

献血は、自粛を求められている「不要不急の外出」ではなく、「必要な社会活動」です。これは世界保健機関(WHO)や厚生労働省なども認めています。実は、テレビや新聞などのメディアで献血不足を訴えるのは、我々としては「最後の手段」なのです。そうした報道をご覧になって献血に応じていただけるのはもちろんありがたいのですが、それ以上に、ぜひ、ラブラッドに入会していただき、会員の皆様へ配信される情報を参照するなどして、継続した献血へのご協力をお願いいたします。輸血用血液を日々安定的に医療機関へお届けするため、ご理解とご協力をお願いいたします。(インタビュー:4月13日)

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