冬に大流行するインフルエンザ。治療といえば抗インフルエンザ薬を思い浮かべると思います。しかし、実は、治療の基本は抗インフルエンザ薬ではありません。神戸大学感染治療学教授の岩田健太郎先生にインフルエンザの治療についてお聞きしました。
インフルエンザ治療の中心は抗インフルエンザ薬ではありません。もちろん、重症化リスクが高い患者さんに抗インフルエンザ薬をおすすめすることもありますが、基本的にはケースバイケースです。まずは安静にして睡眠を十分に取ること、高熱によって脱水症状にならないよう、しっかりと水分補給をすることが治療の基本となります。また、漢方薬を内服してもらうこともありますが、一方で抗生物質が必要なシーンはほとんどありません。
熱が高くつらいときには解熱剤を飲むこともあります。解熱剤を飲むときはアセトアミノフェンを用います。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は脳症のリスクがあるため飲んではいけません。NSAIDsは鎮痛薬や解熱剤などに用いられています。
症状が重いときに、病院に行って2時間待って……というのはとてもつらいものです。病院まで行くのが面倒な場合には、市販の総合感冒薬を使うのもよいでしょう。自分の娘もインフルエンザになったことがありましたが、その際も、普通の市販の小児用総合感冒薬を治療に使いました。ただしその際に選択する総合感冒薬も、NSAIDsが入っていないものを選ぶことが大切です。
最近の小児用の総合感冒薬にはほとんどの場合、NSAIDsは入っていません。大人用には入っているものもありますが、これも果たして入れる必要があるのかどうかは疑問です。NSAIDsは、インフルエンザ脳症の問題だけでなく、腎臓などさまざまな問題がありえます。そもそも、NSAIDsが必ず必要になるのは関節痛、がん疼痛などの慢性疾患の場合です。急性のウイルス性疾患では、NSAIDsを飲む必要性も、NSAIDsの使用が正当化されるシーンもほとんどないと考えてよいでしょう。
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