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がん最新治療法やチーム医療の重要性伝える一般向け講座も 癌治療学会、横浜で開催

公開日

2021年10月07日

更新日

2021年10月07日

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2021年10月07日

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2021年10月21〜23日、横浜市のパシフィコ横浜で第59回日本癌治療学会学術集会が行われます(現地開催・ライブ配信ありのハイブリッド形式)。テーマを「形、機能、命を守る」とし、手術、放射線、抗がん剤、免疫療法に続く「第5のがん治療」として注目を集める「がん光免疫療法」に関する特別講演が行われ、市民公開講座にはスポーツキャスター・青木健太氏を迎えます。本学術集会にかける思いや見どころについて、会長の林隆一先生(国立がん研究センター東病院 副院長)に伺いました。

市民公開講座にはスポーツキャスター・青島健太氏を迎えて

10月23日には、「進化するがん治療」をテーマにした市民公開講座が行われます。血液サンプルによるがんの早期発見やAI(人工知能)を用いた頭頸部がん・食道がんの早期診断、新たな放射線治療技術BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)、がんゲノム医療*など幅広い内容です。たとえば2020年6月に保険収載されたBNCTは、患部を切開・切除することなくこれまで治療が困難だったがん病巣を壊すことができる治療法です。

また、特別講演として、スポーツキャスター・青島健太氏に「チームの力」(仮)についてお話しいただく予定です。医療におけるチームづくりの大切さや、多職種が協働するチーム医療が患者さんやご家族にどのように関わるのかをお伝えする貴重な機会になると考えています。

*がんゲノム医療:主にがんの組織を用いて多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異を明らかにすることにより、個々の体質や病状に合わせて治療などを行う医療。

11月にも関連の市民公開講座―がんを正しく知る

本学術集会に関連して、11月には「正しく知ってがんを恐れない」をテーマに国立がん研究センター中央病院で市民公開講座が行われます。今、世の中にはさまざまな情報が入り乱れています。たとえば、「これを食べるとがんにならない」「○○でがんが治る」といった誤情報や怪しい民間療法を信じてしまう方も見受けられ、私たちはこの状況をたいへん危惧しているのです。そこで11月の講座では津金昌一郎先生(前国立がん研究センター 社会と健康研究センター長)によるがんの正しい知識をお伝えすることにしました。話題は、がんになる人・ならない人、女性とがん、遺伝とがん、喫煙・飲酒とがん、ストレスとがんなど、多彩です。

 

林先生ご提供写真

手術中の様子(林隆一先生ご提供)

会長・林隆一先生が語るテーマ 「形、機能、命を守る」

がん治療の目的は、がんを根治して日常生活に戻ること、人としての社会性を保つことです。しかし実際には、患部の切除や副作用などにより患者さんが肉体的・精神的・社会的な負担を背負い込むことも少なくありません。そこで、がん治療の基本に立ち返るべく学術集会のテーマを「形、機能、命を守る」としました。

多くのがん種で、形と機能、そして命は密接に関わります。特に私が専門とする頭頸部外科領域では、形と機能が直結することも多いです。たとえば咽頭がんなら、呼吸する・話す・食べるというはたらき、すなわち生命維持や社会生活に必要な「機能」を維持するために「形」を残したり再建したりする治療法があります。このように、命はもとより、形と機能を守ることは患者さんのQOL(生活の質)を維持するために欠かせない要素です。そして何より「形、機能、命を守る」というテーマは、日々現場で患者さんに対応する医師はじめメディカルスタッフの皆さんが大切にする思いにも通ずるものと確信しています。

日本癌治療学会学術集会PDF

可能な方は現地参加を―情報交換の機会に

今は2人に1人ががんになる時代。本学術集会は、そんな身近な病気となったがんの治療について基礎的な知識を深め、最新の知見を得ることに寄与するでしょう。本年はコロナ禍のため市民公開講座は現地開催だけでなく、ウェブからも視聴できるハイブリッド形式となります。是非、多くの皆様のご参加をお待ちしています。プログラムや参加登録の詳細は学術集会のウェブサイトをご覧ください。

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