
医療技術の進歩によって肺がんの早期発見が可能になり、治療の選択肢も従来に比べ格段に幅広くなっています。昨今では、一人ひとりに合わせたテーラーメイド医療という言葉もよく取り上げられるようになってきました。日本の肺がん治療をリードし、完全胸腔鏡下手術でも高い治療実績を誇る東京医科大学呼吸器・甲状腺外科で主任教授を務める池田徳彦先生にお話をうかがいました。
胸腔鏡手術(きょうくうきょうしゅじゅつ)とは、胸に小さな創を作り、肋骨の間から先端にカメラがついた胸腔鏡と呼ばれる内視鏡を入れて行う手術のことをいいます。従来は主に早期肺がんに対して行われていましたが、現在では通常の場合、胸腔鏡手術を第一選択として行うことが多くなっています。
開胸手術では従来20cmほどの切開が必要であったのに対し、胸腔鏡手術は小さな傷をつけるだけ済む、患者さんの負担がより少ない低侵襲な手術です。術後の痛みが少なく、回復も早い傾向があります。
ただし、太い血管からの予期しない出血などがあった場合には、機敏かつ安全に対応する必要があるため、胸腔鏡手術から開胸へ切り替えることもあります。
胸部外科学会の学術調査学会では、年間約35,000件の肺がん手術が日本で行われており、そのうちの約65%が胸腔鏡手術で行われているとされます。現在では小切開を併用した胸腔鏡手術から完全な胸腔鏡下手術を行うことが多くなっています。
完全胸腔鏡下手術では、カメラで拡大した画像をモニターで見ながら手術を行うことができるため、良好な視野が得られます。多少の慣れは必要ですが、胸腔鏡手術の経験がない人でも基本的な手術手技さえできていれば、適切な指導の下で一定期間のトレーニングを受けることによって必ず行えるようになります。
治療方針を決めていく上では、考慮すべき三つの柱があると考えます。まず、がんの診断と治療方針が医学的に正しいこと、なおかつ患者さんの体力がその治療に十分耐えられるかどうか。そしてもうひとつは、患者さんそれぞれの社会的背景も十分に考えなければならないということです。
たとえば高齢のご夫婦で、普段から病気がちな奥様の面倒を見ているご主人が手術でしばらくの間入院しなくてはならないとしたら、ご家族は非常にお困りになるでしょう。そういった社会的な背景というものも十分考慮する必要があります。こういったことも頭に入れながら治療を行っていくことも、医療の大切なひとつの柱として重要なのではないでしょうか。
肺がんの治療では、手術だけでなく抗がん剤による化学療法や放射線治療を組み合わせる「集学的治療」が広く行われるようになっています。
また、手術の方法についても、開胸のほうが安全で緻密な作業ができるというポリシーを持って、8cmほどの小さな開胸による手術で、入院期間も短く、患者さんの負担も少ない方法をとっている医師もいます。
それもひとつの考えであり、大いに賛同できる部分があります。しかしながら、一方で早期がんを発見できるようになり、10年〜20年前と比べればかなり小型の肺がんが増えてきているという背景があります。
そうなればやはり、がんの根治も達成しつつ、機能も温存する―すなわち「二兎を追う」ことを目指しても良いのではないかと考えます。従来よりも体に負担のかからない方法で治療することが社会の要請に応えることかとも思っています。
私たち外科医も、何らかの形で患者さんのメリットになるように還元していく方法を考えていくべきではないかと考えます。
治療として手術が適すると判断するには、まずがんの診断が正しいかどうか、いわゆる進行度に対する診断が精密かどうかを考える必要があります。そしてもうひとつは、患者さんに十分な体力があるかどうか、心臓の機能、肺の機能、あるいは他の持病がしっかりとコントロールされているかどうか、このようなことも大切になってきます。
加えて、肺がんだけではなく、他の病気があるかどうかという、一段階上の緻密な部分をも考えていくことによって、患者さんの安全をより強く保証できるのではないかと考えます。
主治医というものは―これは医療従事者全般に言えることかもしれませんが、少し心配しすぎるぐらいがちょうどいいのではないかと思っています。あらゆるリスクを想定するなど、考え得る限りの心配をするということが手術を引き受けるということであり、手術が終わって無事に退院できればよいということではなく、退院後の快適な生活も考えてさしあげるのが責任を持つということではないかと考えます。
東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科 主任教授/東京医科大学 副学長(医学科長)
周辺で肺がんの実績がある医師
東京臨海病院 副院長
東京臨海病院―江戸川区唯一の総合病院として地域に開かれた安心の医療を提供
江戸川区の医療を支える東京臨海病院による肺がんをテーマにした特集です。
内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線治療科、病理診断科、リウマチ膠原病内科
東京都江戸川区臨海町1丁目4-2
東京メトロ東西線「西葛西」都バス 西葛27 臨海町二丁目団地前行き 東京臨海病院前下車 バス10分、JR京葉線「葛西臨海公園」 徒歩20分
東京臨海病院 呼吸器外科 部長
東京臨海病院―江戸川区唯一の総合病院として地域に開かれた安心の医療を提供
江戸川区の医療を支える東京臨海病院による肺がんをテーマにした特集です。
内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線治療科、病理診断科、リウマチ膠原病内科
東京都江戸川区臨海町1丁目4-2
東京メトロ東西線「西葛西」都バス 西葛27 臨海町二丁目団地前行き 東京臨海病院前下車 バス10分、JR京葉線「葛西臨海公園」 徒歩20分
東京臨海病院 放射線科 医員
東京臨海病院―江戸川区唯一の総合病院として地域に開かれた安心の医療を提供
江戸川区の医療を支える東京臨海病院による肺がんをテーマにした特集です。
内科、リウマチ科、外科、精神科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、放射線治療科、病理診断科、リウマチ膠原病内科
東京都江戸川区臨海町1丁目4-2
東京メトロ東西線「西葛西」都バス 西葛27 臨海町二丁目団地前行き 東京臨海病院前下車 バス10分、JR京葉線「葛西臨海公園」 徒歩20分
国立病院機構東京病院 呼吸器センター外科 医長
国立病院機構 東京病院―幅広い呼吸器疾患に対し、専門的で緻密な診療を提供
国立病院機構 東京病院による呼吸器疾患をテーマにした特集です。
内科、リウマチ科、呼吸器外科、消化器外科、整形外科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、脳神経内科
東京都清瀬市竹丘3丁目1-1
西武池袋線「清瀬」南口 久米川駅行・所沢駅東口行 東京病院北下車 下里団地行・滝山営業所行・花小金井駅行 東京病院玄関前下車 バス5分、JR武蔵野線「新秋津」 車10分、西武新宿線「久米川」北口 清瀬駅南口行 東京病院北下車 バス
国立病院機構東京病院 呼吸器内科 呼吸器センター長
国立病院機構 東京病院―患者さんの立場に立ち地域に根差したがん診療を提供
東京都清瀬市の医療を支える国立病院機構 東京病院による肺がん・大腸がん・胃がんをテーマにした特集です。
内科、リウマチ科、呼吸器外科、消化器外科、整形外科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、脳神経内科
東京都清瀬市竹丘3丁目1-1
西武池袋線「清瀬」南口 久米川駅行・所沢駅東口行 東京病院北下車 下里団地行・滝山営業所行・花小金井駅行 東京病院玄関前下車 バス5分、JR武蔵野線「新秋津」 車10分、西武新宿線「久米川」北口 清瀬駅南口行 東京病院北下車 バス
関連の医療相談が26件あります
ガンマナイフ治療効果について
私の治療に関する質問と言うより、治療効果そのものに対する質問です。 ガンマナイフ治療について、その効果について多数の機関が情報を載せていますが、「80%〜90%の治療効果」的な表現が多いかと思います。 大変、効果のある治療と思いますが、反面、「10%〜20%は効果が出ない。」と言う事もあるのかな?と思ってしまいます。 そこで質問ですが、 ①ガンマナイフ治療後の効果判定は治療後どのくらいで実施されるのでしょうか ②残念なことに、期待した効果が出なかった場合の治療方法はどのようなものが考えられますか? 教えて頂ければ幸いです。
高齢者のがん 治療方法について
父が肺がんで、ステージⅢ、他所への転移は見られないが、同肺内での転移は見られると診断されました。高齢のため、手術及び全身への抗がん剤治療は勧めないと医師に言われ、現在、分子標的薬の検査をしている段階です。検査入院から1か月が経ち、治療するとしても、いつから始まるかわからない状態です。本人は、咳、痰の症状以外は、元気の様子ですが、このペースで治療待ちをしていて良いのか、他の治療方法も検討した方が良いのか、教えてください。
CT検査にて、肺がんと診断されました。今後の選択肢について教えて下さい。泣
東京在住、28歳会社員です。 5日前、私の大好きな大好きな広島に住む祖父が肺癌と診断されてしまいました。毎日、涙が止まりません。遠く離れた場所でコロナの感染リスクを考えると、お見舞いに行くことすら許されず、途方に暮れながらも情報収集をしていたところ、このサービスの存在を知り、この度ご質問させて頂きました。 祖父の現在の状況は下記です。 先週、高熱を出し、病院に行きPCR検査を受けたところ陰性でした。しかし、CT検査を実施したところ肺の1/3程度の影があり、肺がんだと診断されました。 詳しい検査をするため、がんセンターの呼吸器内科に転院する予定です。 これまでの病歴として、私が知ってる限りでは、10年ほど前、肺気腫(喫煙者であったが肺気腫と診断され、そこから禁煙)になり、その後、自律神経失調症と診断され、真夏の布団の中で背中が冷たいと感じるようになり、1日のほとんどをベットで過ごすようになりました。また2.3年前には、肺炎で入退院を2回しています。 まだ不確定要素も多く、判断が難しいかとは思いますが、今回は、本当に診断結果が正しいのか?そして肺がんの場合、祖父にとって最善な治療法は何か?(外科的、内科的治療含めて)など、これからの選択肢について教えて頂きたいという一心でご連絡致しました。 祖父が、今まで通り祖母と仲良く家で暮らせる日々を取り戻してあげたいという一心で、今回ご連絡させて頂いています。どうかどうかよろしくお願いいたします。
肺がんの手術と心臓弁膜症
肺がんステージ1との診断があり、来月手術予定ですが、心電図検査で心臓に異常が見つかりました。心臓弁膜症は5段階の3との診断結果ですが、肺がんの手術には問題ないので、薬や治療等何もうけていません。本当に大丈夫でしょうか?息苦しいなどの自覚症状は昨年秋ごろから続いています。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「肺がん」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。