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院長インタビュー

「相手の目線に立つ」に注力する佐々総合病院。長年親しまれている理由と今後の展望

「相手の目線に立つ」に注力する佐々総合病院。長年親しまれている理由と今後の展望
鈴木 隆文 先生

佐々総合病院 院長

鈴木 隆文 先生

西東京市田無町地区にある佐々総合病院は、今年(2017年現在)で設立より109年を迎えました。明治41年に佐々医院を開業し、昭和36年に佐々産院が分院として建てられ、その後に両院が合体するような形で現在の原型が完成しました。開業当初、近隣の交通機関は未発達でしたが、現在は交通機関も充実し、人通りの多い立地へと推移しました。今では、183床を抱える中規模総合病院として、地域に欠かすことのできない存在となっています。病院スタッフの働きやすさを重視しながらも、災害時や「地域の困りごと」に応えられる病院づくりに注力されている、院長の鈴木隆文先生にお話を伺いました。

佐々総合病院

佐々総合病院では、どのような患者さんに対しても安心・安全な医療を提供し、地域とともに発展してきました。また、中規模総合病院としての利点を活かし、各診療科の密な連携を実現させています。病院を利用する患者さんは、主に内科・総合診療科・救急科で受け入れた後に、各診療科で診てもらう形をとっています。

佐々総合病院のスタッフは、ひとりひとりが患者さんと丁寧に関わるという気持ちを持っています。医療従事者であれば当たり前のことかもしれませんが、佐々総合病院の文化としてしっかりと根付いています。加えて、患者さんとの関係性をよりよいものとするため、主治医制を取っています。責任感の強い医師たちは、万が一の場合に備えてのリスクマネジメントを怠らないため、緊急時に「担当医と連絡が取れない」という心配がなく、安心して患者さんを任せられています。一方で、医師の目線が、相手のために、患者さんのために、となってしまうことがあります。そうではなく、そのような目線は一度捨てて「患者さんの目線に立って考えて」と伝えています。

私たち医師が本来やるべきことは、患者さんの要求に応えることです。できる限り、患者さんの求めに応えられる、相応の実力をつけることは私たちの責務です。しかし、日々の業務を全うし、患者さんと真剣に向き合っていると、目の前のことで手一杯になってしまいます。そうしているうちに、人間ですから、自分が担当すべき範囲はここまでだと決めつけてしまったり、技術面での限界を設定してしまったり、という状況に陥ってしまいます。現状維持のままでは何も変わりません。

私は、スタッフには人間としても医療従事者としても、成長してほしいと願っています。スタッフ一人一人の志が高まれば、病院の成長にもつながります。結果として、地域の患者さんによりよい医療を提供することが可能になります。そのため、患者さんの要望に少しでも答えられるよう「患者さんの目線に立つこと」については繰り返し伝えています。

当院は、厳しい要件を満たしておかなければならない東京都災害拠点病院に指定されています。そのため、災害時に最も必要とされる水や電気などを地域の方々にも提供できるようにしています。昨年度は、非常用電源と地下水を汲み上げるシステムを導入しました。地域の中核病院として、素晴らしい医療機器や医療技術を常時整えておくことはもちろんですが、災害時において、困っている方々に対し、水や電気などの必要最低限のケアを提供できるシステムをより一層充実させたいと考えています。今後は、現在保有している設備に加えて、自家発電のためのソーラー発電装置の設置も視野に入れています。

また、地域活性化の一助になれればという思いから、中学生の職場体験を受け入れています。病院としての機能を保持することはもちろんですが、「困ったときの佐々総合病院」というふうに、地域の方々の身近で役立つ存在になれる試みを今後も増やしていきたいと考えています。

救急科では、2.5次救急までを専門チームが対応しているほか、診療科によっては大学病院に劣らない機能を有しています。副院長である古川 達也医師は、とにかく断るということがありません。常に患者さんの目線に立ち、丁寧な診療を行いながらも、迅速で正確な判断をくだした後、病院内の専門医へ受け渡しをしています。また、当院での治療が困難な症例と判断した場合は、早急に関連病院や高度高次機能病院へお願いをしています。

近年は、消化器外科や整形外科などの外科系に加え、呼吸器専門・糖尿病専門が担当している内科のレベルが高まっています。元外科医が担当している総合診療科では、地域包括ケアシステムを担う重要な存在となっています。すべての科において、信頼性の高い医療を提供できているように思います。

当院はまだまだ若手医師が少なく、積極的に採用を行っています。医師支援センターを設け、専任スタッフを配置しました。医師支援センターでは、採用活動のほか、常勤・非常勤および病院全体のスタッフのために、働きやすい環境づくりに尽力してもらっています。また、若手の医師に向けては、専門医取得や論文執筆を促しています。専門医を取得しているからといって、手技の高さや知識の豊富さがあるとは限りません。しかし、貴重な時間を捻出して培ってきた経験や知識があるのですから、その集大成を資格取得という形でまとめるということは、有意義なことではないでしょうか。それによって、実力と実績が比例していけば、どこへ行っても活躍できる人材になれると信じています。何より、自分自身の確固たる「自信」につながります。また、私自身消化器外科を担当しており、中規模病院では数少ない腹腔鏡下手術の技術認定医として専門性の高い医療を提供しています。当院のホームページでも、専用のページ(http://www.sassa-hospital.com/specialty/laparoscopic-surgery.html)を設置しています。そのほか、医局長レベルであった優秀な麻酔科の医師、糖尿病専門医、呼吸器専門医なども有しており、それぞれの分野で、各々に見合った形で成長することができます。

整形外科の顧問である渥美敬医師は、難治性の疾患が多いといわれている股関節疾患を年間200例に渡って治療に当たってきました。とりわけ、重篤な大腿骨頭骨壊死症については、関節を温存する手術「骨切り術」を非常に多く執刀されてきました。渥美医師は関節温存手術について長年研究されており、新しい手術法の開発や、股関節の再建手術を長年にわたり多く経験されています。股関節専門外来の手術は、国内外から見学に来られる場合もあり、整形外科医としての手技を高めるには最適な場所といえます。

中核である産婦人科では、年間400件以上の出産数を誇っています。産婦人科のスタッフは、病床数23床に対して医師8名、助産師25名、看護師5名が在籍しています。助産師をはじめとして、経験年数15年以上のベテランスタッフが多く、一人一人に対してきめ細やかな対応が好評を得ており、3代に渡って当院で出産をしている方もいらっしゃいます。かかりつけの方であれば24時間の対応が可能となっているほか、緊急時における救急科および麻酔科との連携体制を確立しています。乳児健診では、小児科医、整形外科医が専門的な対応を取っています。また、大きな特徴の一つとして「助産外来」が開設されていることが挙げられます。患者さんからの様々なニーズを受け、助産外来が開設されました。助産外来は、経験豊富な助産師さんが担当しており、妊婦さんが抱える不安や悩みの解消、出産までに必要な保健指導などを個々に応じて細やかにサポートしています。そのほか、出産に関連する医療の提供に留まらず、母親学級やマタニティヨーガなどを開催し、幅広いケアを実施しています。

常勤の医師には極力、当直の担当を振り分けていません。限りある医師の負担を少しでも減らすためです。常勤の医師には、患者さんの来院数が最も多い時間帯に集中して診察に当たってもらっています。当院では、7時から9時、17時から19時の、通勤・退勤時間帯、他の病院の入れ替わりの時間帯が特に混み合います。21時から7時の間、当直は非常勤の方にお願いし、常勤医にはオンコールによるバックアップ体制をとってもらっています。

先生

具体的な内容として、病棟は、近年中に患者さんが入りやすくなるように玄関の位置を人通りの多いほうに改築する予定です。人材の面では、人材の数・質を一定以上まで高め、2.5次レベル(超急性期)病院として、120%の対応ができる体制作りをします。また、中規模病院だからこその役割・強みを担い続けていくことを常日頃から意識しています。人対人の暖かい対応を心がけ、相手の目線に立つことを忘れず、スタッフ一同で地域の方々と関わり続けていけるよう一層の努力をしていきたいと思っています。さらに、今後は地域の先生がたを巻き込み、訪問や在宅の医療においても、困っている患者さんたちを助けられるようなシステム作りを進めようと思索中です。

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