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スタッフ全員で取り組む関節リウマチ診療――患者さんに寄り添い、痛みを取り除き、完全寛解を目指す

スタッフ全員で取り組む関節リウマチ診療――患者さんに寄り添い、痛みを取り除き、完全寛解を目指す
東 孝典 先生

あずまリウマチ・内科クリニック 院長

東 孝典 先生

目次
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関節に痛みや腫れ、変形などの症状をきたす関節リウマチ。近年は薬物療法の進歩によって“関節リウマチを発症する以前の状態に戻すこと”が治療目標になっています。そのためには、一人ひとりの患者さんに寄り添った治療を提供し、治療を続けてもらうためにサポートすることが必要不可欠です。

今回は、あずまリウマチ・内科クリニック 院長 東 孝典(あずま たかのり)先生に、同院の診療体制や取り組み、患者さんに対する思いなどについてお話を伺いました。

関節リウマチとは関節の中に炎症が起こり、手足の指や手首などの関節に腫れや痛みといった症状が現れる病気です。進行すると関節を破壊したり、変形をきたしたりする恐れがあるため、早期に治療を開始して症状がほとんどない状態(寛解)を目指すことが重要といえます。

女性に多い病気で、好発年齢は30~50歳代とされています。ただし、乳幼児期から90歳以上の超高齢の方まで幅広い年齢で関節リウマチを発症する可能性があるため注意が必要です。

関節リウマチを治療せずにいると症状が進行するため、早期に治療を開始して速やかに寛解を目指すことが大切です。以下の症状がある方は、関節リウマチを疑って、なるべく早く病院を受診しましょう。

関節症状

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手の指や手首、足の関節に生じる痛みやこわばり、違和感、むくみなどは早期に現れることが特に多い症状です。そのほか、膝や肩の痛みを訴える患者さんもいらっしゃいます。

痛む場所が日によって変わる、症状がある場所が徐々に増えている、朝が特に症状が強いというのが関節リウマチの特徴ですので、これらが当てはまる方はなるべく早く病院を受診することをおすすめします。なお、必ずしも左右対称に症状が出るわけではありません。

関節以外に現れる症状

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関節リウマチの炎症は、関節のみならず全身にさまざまな影響を及ぼします。倦怠感や微熱、貧血症状、食欲不振などが代表的な症状です。そのほか、うつ症状や口の渇き、ドライアイといった症状を合併する場合もあります。

関節リウマチの治療目標は、“関節リウマチになる以前の状態に戻すこと”です。特に高齢で発症した方は、痛みで動かずにいると寝たきりの状態になってしまう恐れがありますので、できるだけスムーズに寛解に達することが大切であると考えています。

近年は、薬物療法が関節リウマチの治療の中心になっています。当院における関節リウマチの治療についてお話しします。

腎機能の低下や肝機能障害といった理由で使用できない場合を除き、まずメトトレキサートという抗リウマチ薬を使って治療を開始します。3か月ほど治療を続けても症状が消えない、あるいはよくなる兆しがない場合には生物学的製剤*やJAK阻害薬**などほかの薬を追加する、もしくは薬の種類を変更するといった次の選択肢を考えることになります。

関節リウマチの治療において重要なのは、患者さんに症状や希望を聞きながら、一人ひとりの患者さんに適した治療方針を決めていくことです。したがって、同じ治療を3か月以上続けてよくなるのを待つこともありますし、診察時に患者さんが強い痛みと関節機能障害を訴えたならば、3か月を待たずに生物学的製剤を導入することもあります。いずれにしても、つらい痛みを和らげることを最優先して治療を行うようにしています。短期的にステロイドや鎮痛薬を用いたり、リハビリテーションを並行して行ったりしながら、少しでも痛みを軽減できるように努めています。

*生物学的製剤:遺伝子組み換え技術などを用いて製造された薬で、皮下注射または点滴で投与する。炎症や関節破壊に高い有効性を発揮するとされる。
**JAK阻害薬:炎症の伝達に関わるJAKという酵素を阻害することで、関節リウマチの症状を抑える内服薬。

今後の経過について心配されている患者さんの不安を和らげるためにも、薬物療法を始めるときは、事前に副作用も含めて薬についての説明を必ず行うようにしています。併せて、当院では薬を使い始めた直後は1~2週間に1度ほどの頻度で通院いただくことで、副作用を見逃さないように努めています。触診で足先を含む全身の関節の腫れや熱感を確認するとともに、尿検査や血液検査、胸部X線検査などを行い、症状の変化や副作用がないかなどを確認しています。

また、当院に通院している患者さんに何らかの副作用が出た場合に迅速に対応できるように、リウマチコールという電話相談窓口を設けて、24時間365日相談を受け付けられる体制を整えています。

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スタッフ全員で患者さんに向き合う

患者さんのために何ができるかを常に考え、一人ひとりの症状や希望に合わせた選択肢を提供できるよう、患者さんと向き合うことを心がけています。加えて、安全性を担保したうえで治療継続できるか、費用や治療方法などを考慮して選択肢を提示することを重視しています。そのためには、患者さんの話をよく聞くことが大切であると考えています。

お悩みや困り事について、相談しやすい環境づくりに努め、クリニックのスタッフ全員で患者さんのサポートに取り組んでいます。具体的には、受付スタッフが体調について確認したり、看護師が処置室で詳しく話を聞いたり、理学療法士がリハビリテーション中に悩みがないか伺ったりしながら、患者さんの声を集約した状態で診察室に入っていただけるような体制を整えています。

痛みに対処し、患者さんに寄り添う

患者さんにとって痛みを我慢するのはつらいことです。だからこそ「あずまリウマチ・内科クリニックに行けば何かをしてくれる」と患者さんが思ってくれるようなクリニックでありたいと考えています。

薬物療法の継続のために、患者さんのつらさを汲み取って、適切な治療の提供ができるように努めています。たとえば、メトトレキサートの場合、治療効果が出るのに少し時間がかかります。そこで、薬が作用するまでの間は鎮痛薬や短期的なステロイドの内服や関節注射を用いながら、リハビリテーションを並行して行い「症状がだんだんとよくなってきている」と実感いただけるよう工夫しています。

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当院では、“いかに発症以前の状態に戻すか、そして痛みを軽くするか”という点に重きを置いて、関節リウマチに特化したリハビリテーションを行っています。初診時に機能評価を行い、薬物療法と並行して一人ひとりの状態に応じた筋力トレーニングや歩行訓練などを理学療法士が指導しています。

足の痛みがあるために歩かなくなると、筋力が低下してさらに歩行が困難になってしまいます。日常生活が制限されていく悪循環を避けるための対策として、その方の足に合わせた足底板(インソール)を制作し、足に症状がある方も無理なく歩行できるようにサポートしています。また、近日中にフットケア外来も開設予定です(2023年6月時点)。

手指の腱が切れてしまったり、足の指が変形してしまったりしているケースなど、手術によってADL(日常生活を送るために必要な基本的な動作)の改善やQOL(生活の質)の向上が期待できる場合には、手術が検討されます。また、足の指の変形がある患者さんでは、整容的な観点から手術を行うこともあります。

関節リウマチの患者さんは、骨がスポンジのような状態になっています。そのため、関節リウマチの患者さんに対して通常の方法で人工関節手術をすると、荷重をかけた途端に人工関節が骨に入り込んでしまう恐れがあります。当院では関節リウマチについてよく理解されている整形外科の先生に紹介することで、手術によってADLやQOLが低下してしまうことがないように努めています。

当院は患者さんの90%以上が関節リウマチ膠原病(こうげんびょう)*を含むリウマチ性疾患(免疫異常によって関節や筋肉などに症状をきたす病気の総称)で通院されているリウマチ診療に特化したクリニックです。リウマチ性疾患は、お子さんから高齢の方まで幅広い年代で発症する可能性があります。そこで、赤ちゃんから10歳代のお子さんのリウマチ性疾患を専門的に診療する“小児リウマチ膠原病外来”を設置しました。そのほか、成人やご高齢の患者さんの治療はもちろんのこと、リウマチ疾患を抱える女性の妊娠・出産・更年期をサポートする女性専門外来も開設しており、皆さんのライフステージに寄り添った治療を一貫して行えるような体制を整備しています。

*膠原病:免疫システムに異常をきたし、自分の体を攻撃してしまうことによって起こる病気の総称。

関節リウマチの治療を行うにあたって、関節リウマチの診療を専門とする医師との連携にも力を入れています。これは、転居する患者さんの治療が途切れてしまわないように、引き継ぐ先生をきちんと紹介するためです。その一環として、全国からリウマチの診療を専門とする医師が集まる学会などでは、他県の先生にご挨拶をさせていただいています。

また、関節リウマチの合併症は間質性肺炎をはじめとする肺疾患、骨粗鬆症など多岐にわたります。そのため、呼吸器内科や整形外科、そしてX線検査などでは放射線科といった診療科と連携しながら、きめ細やかに患者さんにとって必要な治療を提供していけるように尽力しています。

私が大学病院の医局に勤務していた30年ほど前は治療薬の種類が少なく、服用しても痛みを抑えることができなかったため、関節リウマチというのは患者さんに痛みを我慢してもらわなければならない病気でした。当時は、年月の経過とともに関節に変形をきたし、動けなくなってしまう関節リウマチの患者さんを見て何もできない無力感とつらさに苦しみながら、何とかできないかと模索するばかりでした。

しかし、2003年に生物学的製剤が登場したことによって、状況は一変します。生物学的製剤によって「薬の効果と医師の技量によって関節リウマチは治療できる」というのを目の当たりし、医師冥利に尽きると感じたのです。それから今に至るまで、患者さんから痛みが軽減されたことに対して「ありがとうございます」という言葉をいただくたびにやりがいと励みになっていますし、私たちが患者さんに感謝を伝えたいほどうれしく思っています。

当院における関節リウマチの治療目標は、患者さんが関節リウマチであることを忘れるぐらいまで症状を軽減させて、日常生活を無理なく過ごせるようにすることです。私たちに何かできることはないかと考え、スタッフ一丸となり情熱を持って、患者さんと向き合い治療に取り組んでいます。

当院では、その方に合った治療法を選択することで、関節リウマチの患者さんのうち70%ほどの方はほとんど症状のない寛解になり、20%ほどの方は軽度の症状しか現れない低疾患活動性(炎症が抑えられている状態)に至っています。残り10%前後の方は悪くはならないものの症状が取り切れず、なかなか軽快しないことがあります(2021年4月~2022年3月のデータより)。

したがって、当院の場合であれば約90%の方はよくなっていますので、今の治療で痛みがなかなかよくならない方も「痛いのは仕方ない」と諦めずに自分に合った治療法があると考え、ご自分に合った日本リウマチ学会認定のリウマチ専門医が治療を担当する医療機関を積極的に探して、希望を持って治療に取り組むことを切に願います。

提供:大正製薬株式会社
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    東 孝典 先生

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