![診療科同士が連携して行う関節リウマチの治療――病気のことを忘れて生活を送れるように](http://carbon-assets.medicalnote.jp/uploads/content/cover/11/11793/s397x212_fad883f6-e9a5-4f80-b764-1e86e1fd5e64.jpg)
人工股関節置換術が普及した理由として、インプラント自体の質が向上したことに加え、手術の技術が発展してきたことも見逃せません。手術の後遺症としての脱臼リスクを限りなくゼロに近づける工夫や、患者さんの身体の負担を最小限にする最小侵襲手術(MIS)について、JR東京総合病院整形外科の深谷英世(ふかたに・えいせい)先生にお話をうかがいました。
人工股関節の手術では、術後に脱臼することが心配されていました。しかし最新の人工股関節では、ライナーのポリエチレン素材の耐摩耗性が向上しているため、ライナーをより薄く、骨頭のボール部分をより大きな径のものにすることが可能になっています。このことによって人工股関節の構造自体が、より脱臼しにくいものになっています。(記事3:「人工股関節置換術とその種類、手術の流れ」)
もうひとつ重要なのは、脱臼を防ぐためにどれだけこだわるかという点です。私たちの股関節チームでは、その点に徹底的に執着して手術を行なっています。実物のインプラントを入れる前には、同じ形をしたトライアルという部品を入れてシミュレーションを行います。その際には、患者さんがうっかり脱臼しやすい極端な姿勢をとったとしてもまず大丈夫だというところまで追い込んで調整をします。
かつては私たちも「ここまで動かせれば日常的には問題ない」というレベルで妥協して、それ以上無理な姿勢をとらないように患者さんに気をつけてもらうということがありましたが、それでは何かのはずみでうっかり無理な体勢になったときに脱臼してしまいます。
では、「うっかり」があっても脱臼しないためにはどうすればよいのでしょうか。たとえば筋肉の張り(テンション)などの前後のバランス、取り付ける角度など、調整すべきポイントは決まっています。学会では最適な角度に持っていくためのナビゲーションや術前にテンプレートで合わせることを推奨していますが、私たちの経験ではトライアルを入れてみたときの最適な角度は、患者さんひとりひとりでまったく違っています。単純に機械で合わせるということでは対応は難しいと考えます。ただし、個人の経験によるノウハウに頼るだけではなく、調整のポイントをパターン化することによってチーム内で共有できるようにしています。
MIS(Minimally Invasive Surgery)は最小侵襲手術、すなわち患者さんのからだを傷つける範囲を最小にとどめる手術を意味します。通常、関節の手術では皮膚とその下にある筋肉にも大きくメスを入れますが、MISは7~8cm程度の短い切開で行います。私たちの股関節専門チームでは、スタッフ間の連携と個々の熟練した技術の積み重ねで、短時間の手術と少ない出血を目指しており、その一環として基本的にMISを採用しています。ただし、症例に応じて安全な視野確保のため切開を延長する場合もあります。
手術に際してはMIS用のリトラクター(開創器)と呼ばれる特殊な器具を使用したり、手技をパターン化することで効率よく行えるように工夫していますが、患者さんの股関節の状態によって切開する位置を細かく変えながら、最適な部位にメスを入れる必要があります。その点では患者さんひとりひとりに合わせた対応が重要です。
切開の範囲を小さくすることで患者さんの負担がより少なくなります。感染症など合併症のリスクを減らすことに加え、術後の痛みが少なく傷の治りが早いということは、リハビリテーションを早く進めて早期に退院できることにつながります。
一方、患者さんの股関節の状態によっては十分な視野を確保して安全に手術を行なうよう切開の範囲を拡げることもあります。傷が小さくても手術時間が長ければ患者さんの負担もそれだけ大きくなり、低侵襲とはいえません。
MISによる人工股関節置換術は、どの医療機関でも受けられるわけではありません。良い結果を得るためには、トレーニングを積んだ高い技術を持つ専門医が行う必要があります。また、すべての患者さんに対してMISが行えるわけではありませんし、その状態によってはMISが必ずしもベストな選択であるとは限りません。安全かつもっとも適した手術の方法を選択することが大前提です。
JR東京総合病院 整形外科 担当部長
周辺で変形性股関節症の実績がある医師
地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立大塚病院 院長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、神経科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、脳神経内科、老年内科、児童精神科、病理診断科
東京都豊島区南大塚2丁目8-1
東京メトロ丸ノ内線「新大塚」 徒歩2分、JR山手線「大塚」都営バス(都02):大塚4丁目下車 徒歩2分 徒歩10分、東京さくらトラム(都電荒川線)「大塚駅前」 徒歩10分
浅草病院 整形外科 人工関節センター長
内科、リウマチ科、脳神経外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、肝臓内科、内視鏡内科、糖尿病内科、内分泌内科、脳神経内科、脊椎脊髄外科
東京都台東区今戸2丁目26-15
東武伊勢崎線「浅草」都営バス 南千住車庫前行き 「今戸2丁目」下車 徒歩約4分など 病院シャトルバスも運行あり バス、東京メトロ銀座線「浅草」5又は7出入り口 徒歩20分
佐々総合病院 特別顧問/整形外科・股関節センター長 、昭和大学 名誉教授
内科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、リハビリテーション科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、脳神経内科、肛門外科、放射線診断科、児童精神科、総合診療科、産婦人科、救急科
東京都西東京市田無町4丁目24-15
西武新宿線「田無」北口 徒歩3分、西武池袋線「ひばりヶ丘」西武バス 境03、境05、田42系統 田無駅下車 徒歩3分 バス、JR中央線(快速)「武蔵境」西武バス 境03、境04、境07系統 田無駅下車 徒歩3分 バス
順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター/順天堂大学医学部附属順天堂医院 准教授
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
NTT東日本関東病院 整形外科 医長/人工関節センター長
内科、消化器内科、循環器内科、腫瘍内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、高血圧・腎臓内科、感染症内科、精神科、呼吸器内科、緩和ケア内科、脳神経内科、脳血管内科、小児科、外科、乳腺外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、呼吸器外科、歯科口腔外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、リウマチ膠原病科、放射線科、リハビリテーション科、救急科、麻酔科(ペインクリニック内科)、病理診断科
東京都品川区東五反田5丁目9-22
都営浅草線「五反田」 徒歩5分、JR山手線「五反田」東口より病院シャトルバスも運行あり 徒歩7分
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変形性股関節症初期と診断、痛みや悪化予防にどう付き合うか
痛みがひどいときは受診して痛み止めの処方を受けますが、そのほかの指導は今のところありません。最近は股関節の痛みに加えて、腰痛や臀部の痛みの頻度が多くなっています。夜眠るときに痛みでうずき辛いこともしばしばですが何とかだましながらやっています。できるだけ筋肉を減らさないように筋トレや歩行、ヨガやプールなどできる範囲で運動していますが今後どうなっていくか心配です。更年期に差し掛かり痛みとの付き合い方や悪化させない生活を教えてください
術後の経過
先日変形性股関節関節症の診断を受けて、骨盤骨折り術をすすめられました。入院期間と松葉杖などを使って歩くリハビリの期間や何も無しで歩けるまでの期間、配達の仕事をしているので、そういった仕事にはどのくらいで戻れるものなのか、一般的に言われる期間でいいので知りたいです。
熱発と鼠蹊部熱発
4月始め38度の熱発と鼠蹊部の痛みから始まり、セレコックス服用し熱は下がる その後ロキソニン3錠、リリカ4条4条(朝1夜寝る前のは忘れてしまいました。今は胃薬とロキソニンとリリカのみ服用し整体に行き、自宅にてストレッチ、エアロバイク5分ほどしています。その他痛みがきたら横になリ、寝ています。 手術の事も考えています。年令からも、早い方がいいのでしようか?
数日前から右股関節が痛い
数日前から、突然右股関節の内またの筋肉?の部分が痛くなりました。 (左股関節に痛みはありません) 起床してから会社に出るまでは何も痛みはなかったのですが、会社についてから突然、違和感が出てきました じっとしている分には何も痛みはありません。 歩いているときに多少の違和感があり、走ったりすると痛くて走れなくなります。 筋を痛めたとかで、時間がたてば直るのなら良いのですが、病気の予兆なのではと不安です。 何か悪い病気の可能性はあるのでしょうか。 宜しくお願い致します。
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