
健康診断の空腹時の血糖値は正常でも、食後の血糖値が高い“食後高血糖”が隠れていることがあります。食後の急激な血糖値の上昇は、“隠れ糖尿病”などとしても見逃されやすく、放置すると動脈硬化や血管障害のリスクを高めます。この記事では食後血糖値が高くなる原因やリスク、検査方法、そして食事療法・運動療法などの具体的な改善・治療方法まで解説します。
👉 このパートをまとめると
食後高血糖とは、食後の血糖値が高い状態を指します。糖尿病と診断されたことがなくても、食後高血糖が隠れている可能性があります。食後高血糖は動脈硬化や血管障害のリスクを高めると考えられています。
食事をすると、摂取したブドウ糖を細胞のエネルギーとして取り込むために、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。健康な人では、食事を取ると同時に、必要な量のインスリンが速やかに分泌されます。そのため、食後の血糖値(血液中のブドウ糖濃度)は一時的に上昇した後、通常2時間後には血糖値が140mg/dL未満になるといわれています。
しかし、インスリンが分泌されるタイミングが遅れたり量が不足したりすると、食事で摂取したブドウ糖が適切に処理されず、血糖値の急上昇が生じます。食後2時間が経過しても血糖値が高い状態(140mg/dL以上)が続く場合、“食後高血糖”であると考えられています。
食後高血糖を抑えるためにインスリンが大量に分泌され、血糖値が急降下することがあります。血糖値の急激な変動は一般的に“血糖値スパイク”と呼ばれ、空腹時の血糖値を測定する健康診断では異常が見つかりにくいといわれています。健康診断の空腹時血糖値が正常でも食後の高血糖の状態によっては糖尿病が隠れていることがあり、“隠れ糖尿病”と呼ばれています。
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食後高血糖は偏った食事や運動不足などの生活習慣も関与します。また、食後高血糖を放置すると動脈硬化や血管障害を引き起こす可能性があります。
食後高血糖の原因はさまざまですが、食事内容の偏りや運動不足などの生活習慣も関与します。特に糖質を多く含む食事や食べ過ぎ、早食いなどの生活習慣は、食後高血糖につながりやすくなるといわれています。
食後高血糖の状態が続く場合、血液中の過剰な糖が血管を傷つけるため、動脈硬化や血管障害を引き起こしやすくなると考えられています。その結果、食後高血糖は心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを上げる可能性があります。
食後高血糖の状態によっては糖尿病と診断されることもあります。糖尿病では、特に細い血管が集中する部分に合併症が現れやすくなります。代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。
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食後高血糖の診断においては、一般的に75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)と呼ばれる検査が行われます。
健康診断などで行われる空腹時血糖検査だけでは、食後の血糖値の異常を見逃してしまうことがあります。食後高血糖を調べるためには、“75g経口ブドウ糖負荷試験”が有用な検査といわれています。
これは、空腹の状態でブドウ糖が入った水を飲み、その後の血糖値の変動を一定時間ごとに測定する検査です。
食後高血糖の状態によっては糖尿病と診断される場合もあり、個々の患者さんの状態に合わせて治療目標を設定します。
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食後高血糖に対する治療の基本は、食事療法と運動療法です。これらの治療効果が不十分な場合に、薬物療法が検討されることがあります。
食後高血糖の管理において、最も基本となり重要な治療法は食事療法と運動療法です。食事療法と運動療法を数か月間継続しても治療目標が達成できない場合は、薬物療法が検討されます。
以下のような工夫が有効といわれています。
食後にすぐ座ったり横になったりせず、軽く体を動かすだけでも、食後の血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。また、有酸素運動や筋力トレーニングも効果が期待できますので、事前に主治医に相談しましょう。
食事療法や運動療法で効果が不十分な場合、インスリンの分泌を促す薬やはたらきをよくする薬などが用いられることがあります。どの薬を選択するかは、糖尿病の有無や合併症の有無などを総合的に考慮して、医師が判断します。
A. 75gOGTTなどの検査で食後2時間血糖値が200mg/dL以上である場合、糖尿病の可能性があります。
A. 空腹時血糖値や食後2時間血糖値が“検査した時点での血糖値”を示すのに対し、HbA1cは“過去1、2か月の血糖コントロール状態”を示す指標です。血糖値スパイクや糖尿病を発見するためには、さまざまな視点から血糖の状態を評価することが重要と考えられています。
この記事では、食後高血糖について解説しました。食後高血糖は隠れ糖尿病の可能性があり、また、動脈硬化や血管障害のリスクを高めます。基本となる重要な治療法は食事療法と運動療法です。糖質中心の食事や運動不足などがあり、食後の血糖値が気になった場合は、内科やかかりつけの医療機関に相談するとよいでしょう。
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