疾患ガイド

がんの発症リスク:日常生活での原因と予防法

がんの発症リスク:日常生活での原因と予防法
豊島 治 先生

とよしま内視鏡クリニック 院長

豊島 治 先生【監修】

目次
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がんの発症にはさまざまな要因が関連しますが、生活習慣がその発症リスクを高めることも知られています。この記事では、がんの発症リスクを高めるとされる生活習慣と、実践できる予防法を解説します。

👉 このパートをまとめると
日本人のおよそ2人に1人が、生涯においてがんに罹患すると報告されています。がんは身近な病気といえます。

国立がん研究センターの統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性で63.3%、女性で50.8%と推計されています(2021年)。これは、男女共におよそ2人に1人が、生涯でがんに罹患する可能性があることを示しています。このように、がんは身近な病気として向き合う必要があるといえます。

👉 このパートをまとめると
がんの発症には、生活習慣も関わっているとされています。がんの種類にもよりますが、「5つの生活習慣」と「特定の感染症」がリスク因子として挙げられます。

国立がん研究センターの「科学的根拠に基づくがん予防」には、がんの発症リスクを高める要因と予防法が「日本人のためのがん予防法(5+1)」として挙げられています。

5つの生活習慣(喫煙、飲酒、食生活、身体活動、適正体重)に感染を加えた、合計6つがリスク因子とされています。

喫煙

喫煙は、肺がん口腔(こうくう)がん、咽頭(いんとう)がん、喉頭(こうとう)がんをはじめ、さまざまながんの発症リスクを高めます。たばこの煙には多くの発がん性物質が含まれているほか、正常な細胞のDNAが変化するなどの理由で、がんの発症リスクを高めます。

飲酒

肝臓がんのほか、食道がん大腸がんの発症リスクも高めるとされています。飲酒により発生するアセトアルデヒドががんの発症に関わるといわれています。

飲酒量が1日平均2合以上になると、がんの発症リスクが上昇するほか、喫煙との相互作用でのリスク上昇も報告されています。

食生活

塩分の多い食品(塩漬けなど)の過剰な摂取は、胃がんの発症リスクを高めることが知られています。また、加工肉などの多量の摂取が大腸がんの発症リスクを増加させる可能性も報告されています。

身体活動

日常生活での身体活動量が多い人ほど、がん全体の発生リスクが低い傾向にあるといわれています。

適正体重

太りすぎ(肥満)だけでなく、痩せすぎでも、がんの発症リスクを高めるといわれています。乳がん、肝臓がん、大腸がんなどの発症リスクが増加するとされています。

感染

特定のがんでは、ウイルスや細菌への感染が原因となることがあります。たとえば、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスは肝臓がん、ヒトパピローマウイルス(HPVウイルス)は子宮頸(しきゅうけい)がん、ヘリコバクター・ピロリ菌は胃がんの原因となることが分かっています。

👉 このパートをまとめると
がんの発症リスクを増加させる生活習慣を見直すことで、そのリスクを低下させましょう。

前述のがんの発症リスクを高める要因を避け、生活習慣を見直すことで、がんの発症リスクを低下させることができます。

禁煙

喫煙は、がんの発症に与える影響が非常に大きいとされています。がん以外の病気の原因にもなるため、喫煙している方は禁煙することが推奨されます。また、副流煙による受動喫煙も、健康上のリスクとなり得ます。できる範囲でたばこの煙を避けるようにしましょう。

飲酒量のコントロール

平均1日あたり2合未満であれば、がんの発生率は高くないとの報告があります。多量の飲酒は避けるようにしましょう。

食生活を見直す

減塩を心がけることで、胃がんの発症リスク増加を避けることができます。また、野菜や果物は食道がんなどの発症リスクを下げるといわれているため、積極的に食事に取り入れましょう。熱い食べ物や飲み物は食道がんのリスクとなります。熱い物は冷ましてから食べたり飲んだりするようにしましょう。

体を動かす習慣

日常生活のなかで、歩く時間を増やすなど、無理のない範囲で身体活動量を増やすとよいでしょう。

適正な体重を維持する

バランスのよい食事と運動習慣により、太りすぎ、痩せすぎに注意しましょう。なお、日本人は欧米に比べると、痩せている傾向にあるといわれています。

感染対策

がんの発症リスクを増加させるウイルスや細菌への感染の有無を検査したり、ワクチンを接種したりすることも有効です。肝炎ウイルスやピロリ菌は検査や治療を受けることが可能で、HPVウイルスはワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種が可能です。

生活習慣を改善し、がんの発症リスクを低下させることは重要です。しかし、がんの発症は生活習慣改善だけで予防できるものではありません。発症した場合に早期に発見し、治療を開始することも重要です。

日本ではさまざまな種類のがんについて、がん検診が行われています。対象となった場合には、定期的に検診を受けるようにしましょう。

Q.ストレスはがんの原因になりますか?

A.ストレスが免疫機能に影響を与え、肝臓がんの発症に関わる可能性も指摘されています。ストレスの高い状態が喫煙や飲酒に結びついたことが影響している可能性もあり、今後さらなる検討が必要とされています。

Q.がんが遺伝することはありますか?

A.特定の遺伝子の変異が遺伝することで、がんが発症しやすくなることがあります。がん患者の5~10%程度には、生まれつきの遺伝子変異があると考えられています。

この記事では、がんの発症リスクを増加させる生活習慣と、その対策について解説しました。生活習慣改善により発症リスクを低下させることはできますが、完全に予防することはできません。そのため、発症した際に早期に発見し、早期に治療を行うことも重要です。生活習慣を見直しながら、定期的にがん検診を受けましょう。また、気になる症状などがある場合は、医療機関の受診を検討するようにしましょう。

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