
健康診断などで内視鏡検査をすすめられた方に対して、内視鏡検査の目的や種類、検査の受け方などを解説します。
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内視鏡検査は消化管内部を直接観察する検査です。観察する部位によっては、胃カメラなどといわれることもあります。午前中に検査をする場合は、前日の夜から食事制限が始まるので注意が必要です。
内視鏡検査は特に消化管がんを早期発見するうえで重要な検査です。内視鏡検査の目的は、大きく“観察”と“生検・病理検査”の2つに分類されます。観察中にがんなどが疑われた場合は、そのまま生検や病理検査が行われます。
食道、胃、十二指腸、大腸などの粘膜を内視鏡(カメラ)で直接観察し、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無や広がりを詳細に確認します。
病変が疑われる部位から組織片を採取します(生検)。この組織を顕微鏡で調べる病理検査によって、がん細胞の有無などを確定診断します。
観察する部位によって、主に2種類の検査に分けられます。
口または鼻から内視鏡を挿入し、上部消化管と呼ばれる部位(食道、胃、十二指腸)を観察します。胃がん、食道がん、胃潰瘍、逆流性食道炎、ポリープなどの診断に用いられます。
肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体(直腸、結腸)を観察します。大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患などの診断に用いられます。
胃カメラ、大腸内視鏡検査のどちらも、正確な検査のためには消化管の中に食べ物が残らないようにする必要があります。そのため、検査が午前中の場合は前日から食事制限を行います。大腸内視鏡検査の場合は、検査前に下剤の服用も行います。具体的な方法は医療機関によって異なるため、スタッフの指示に従いましょう。
また、病気の既往やアレルギー、内服薬がある場合は、事前に医療機関へ相談しましょう。
一般的に、検査前日の夕食は消化のよいものを、21時前を目安として早めに済ませます。翌日午前中に検査予定の場合、21時以降は絶食となります。水は摂取可能です。
大腸内に残った食べ物などを排出するため、下剤を服用します。医療機関によって下剤を自宅で服用していただく場合と、検査日に医療機関に行ってから服用していただく場合があります。ただし、排便状態が十分ではないときには下剤の服用を追加したり、浣腸を追加したりすることがあります。
大腸内視鏡検査の場合は医療機関の指示に従い、検査着に着替えます。胃カメラの場合は、体を締め付けない服装で検査を受けます。鎮静薬を使用する場合は、静脈への注射あるいは点滴で行われます。検査中はスタッフの指示に従いましょう。検査終了後は、鎮静薬の効果が覚めるまで休憩します。
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日本における消化管がん(胃がん・大腸がんなど)の罹患数(2021年)は、男女合計で154,585名、胃がんは112,881名と報告されています。がんは早期に発見された場合の生存率が高く、早期発見・早期治療が重要です。
国立がん研究センターのがん統計によると、2021年の日本において、消化管がんのうち、大腸がんの罹患数(新たにがんと診断される人の数)は男女合計で154,585名、胃がんは112,881名と報告されました。

がんは、早期の段階で発見し治療を開始することが重要だといわれています。たとえば、国立がん研究センターの報告では、がんが臓器の表面に留まっている状態(ステージI)で発見された場合の5年生存率(ネット・サバイバル*)は、大腸がんで92.3%、胃がんでは92.8%と報告されています(2014~2015年)。
*ネット・サバイバル:がんが原因での死亡のみを考慮した生存率。がん以外の原因による死亡(他の病気や事故など)は除外して算出される。
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内視鏡検査の苦しさは、鎮静薬などの使用により軽減できる可能性があります。
内視鏡検査では、検査に伴う苦しさや不安を軽減するため、以下のような薬を使用することがあります。一般的には主に鎮静薬が用いられ、鎮痛薬や局所麻酔薬は痛みに対する不安が強い場合や吐き気などの反射(嘔吐反射)を抑えるために使用されます。
胃カメラの場合、内視鏡を鼻から挿入する経鼻内視鏡はスコープが細く、舌の付け根を通らないため、嘔吐反射が起きにくいといわれています。したがって、検査中の苦しさを軽減できる場合があります。
また、知識や経験の多い医師が検査を行うことでも検査時の負担が軽減できる可能性があります。日本消化器内視鏡学会が定め、内視鏡に関する十分な知識と経験を持つ医師であることを示す“消化器内視鏡専門医”あるいは“指導医”の資格が1つの目安とされています。
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内視鏡検査にはまれに穿孔や出血などが生じる可能性があります。また、鎮静薬を使用した場合、検査当日は自動車や自転車の運転を控える必要が生じます。
頻度は非常に低いですが、消化管の壁に穴が開く“穿孔”や、生検後などの“出血”が報告されています。腹痛や出血が見られた場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。
鎮静薬では、まれに呼吸が浅くなる呼吸抑制や血圧の低下などが起こる場合があります。そのため、検査中から検査終了後しばらくは血中酸素飽和度や血圧などの状態が観察されます。また、検査当日は自動車や自転車の運転を控えましょう。
A.内視鏡検査は、胃がんや大腸がんの疑いがある場合など、医師が必要と判断した場合は公的医療保険が適用されます。自己負担割合や、生検・ポリープ切除などの処置の有無によって変動しますが、3割負担の場合、一般的に数千円から3万円程度が目安となります。詳しくは検査を受ける医療機関に確認しましょう。
A.鎮静薬を使用した場合、検査当日は自転車や車の運転ができません。食事は、観察のみであれば一般的に1時間後から可能です。ポリープ切除などを行った場合は、数日間の食事制限や運動制限が必要になることがあります。具体的な日常生活への復帰のタイミングは、検査内容によって異なりますので、医療機関の指示に従いましょう。
この記事では、内視鏡検査の目的や種類、検査中の苦しさの対策まで解説しました。内視鏡検査は、胃がんや大腸がんなどの早期発見に重要な検査です。また、検査に伴う苦しさを軽減できる可能性があります。鎮静薬の使用など、どのようにして内視鏡検査を受けるかについては、主治医とよく相談して決定しましょう。
横浜市立大学医学部 医学教育学主任教授
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