膵臓がん(膵がん)の手術は非常に高度な技術と手術前後の管理を必要とします。手術中に重篤な合併症を起こすこともあるという膵臓がん手術については、熟練した医師の下で受けるようガイドラインでも推奨されています。膵臓がん手術の現状について飯塚病院外科統括部長の梶山潔先生にお話をお伺いしました。
膵臓を含む肝胆膵外科手術は非常に高度な技術を必要とする難易度の高い手術です。膵臓がんの手術は胃や大腸の手術以上に消化器外科の領域で、スペシャリティが高いと言えます。高度な技術の習得には、やはり経験を重ねていくこと、手術数をこなしていくよりほかに方法はありません。
現在、飯塚病院では年間約20~30症例の膵臓がん手術をチームで行っています。膵臓がん等に行う膵頭十二指腸切除術を年間20例以上行う施設は「ハイボリュームセンター」と呼ばれます。
また、飯塚病院は現在全国に111施設ある「日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設A」の1つです。福岡県内では「久留米大学病院」「国立病院機構九州医療センター」「九州大学病院」「医療法人天神会新古賀病院」そして「飯塚病院」の5つがこれにあたります。
(※これらの施設は日本肝胆膵外科学会のホームページから確認することができます)
膵臓がんの手術はときに術後合併症により患者さんが亡くなることもあるほど難しい手術です。合併症がおこったとき、経験豊富な医師がいる施設であれば、重篤になる前に適切な処置を行うことが可能となります。
「膵癌診療ガイドライン2013年版」にも「膵頭十二指腸切除術など膵癌に対する外科切除術では、手術症例数が一定以上ある専門医のいる施設では合併症が少ない傾向があり、合併症発生後の管理も優れている(推奨度グレードB)」と記載されました。ガイドラインにこのようなことが記載されることは珍しいことです。
経験という点に関しても触れておきましょう。経験症例が多くなると、残念ながら不可抗力として合併症の経験も増えてきます。私の実感としては、執刀手術数が100例、200例と増えてくると、厳しい手術でもどのように対応していくか、また合併症が起きても重症になる前にどう対処すべきかということが、かなり的確に見えてきます。
医師の経験が浅いときには、合併症が起きても残念ながら患者さんが亡くなられることもあるかもしれません。しかし、同じことが起きたら次は救える可能性がある―それが経験だと思います。死亡に至るような合併症は100例に1回くらいしか起きないかもしれません。しかし、その1回の合併症を経験することに意味があるのです。300例経験しないと遭遇しない合併症もあります。このわずか1例の合併症を経験している外科医がそこにいるかどうか。それが合併症を起こした患者さんを救えるかどうかにかかってくると考えます。
大分赤十字病院 副院長兼外科統括部長
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手術後の合併症
私の父親なのですが、今月の頭に すい臓がんの手術をしました。 術後、合併症が出なければと早く退院できますよ。と言われていた矢先に液もれを、おこし合併症が出たのでと自宅に電話が来たそうです。 ご飯を食べると、液がもれるようで、現在、点滴と水、お茶しか口に出来ずに、検査づくしの毎日を過ごしている様子。 少し食べたりしている時もあるようですが、液が出たりでなかったりで、いつ治るのかと父も不安のようです。 病室にも入れませんので、本人の様子はメールでしかわからず、母もずーっとモヤモヤ状態。 術後、2週間ぐらい経ちましたが、いつになったらご飯が食べられるようになって、退院の目処がたつのでしょうか? よろしくお願い致します。
膵臓癌の再発による肝不全に伴う腹水への対応について
妻は、昨年の5月初旬にステージ1の膵臓癌が見つかり、6月に標準的外科療法として手術をしました。その後、9月末に退院し、自宅療養をしていましたが、昨年12月に腹水が溜まりはじめ、三月初旬にCT検査をし、膵臓癌が昨年12月頃に再発したことが分かりました。一度は、三月初旬に腹水を三リットル抜いて、それから蛋白質等だけ体内に戻しました。今も腹水が溜まり続けていますが、どのタイミングで再度、腹水を抜いたら良いでしょうか。または、腹水は抜かない方がいいのでしょうか。宜しくご教授下さい。
膵臓癌手術後の癌再発について
初めて相談します。私の妻は、昨年6月に膵臓癌の切除手術をしました。ステージ1でしたが、すぐには回復せず、血栓がてきたりし、血のめぐりが悪く、色々処置し9月末に退院しました。その後、12月頃から腹水が溜まり、肝不全と門脈が詰まっていたようで今月入院しCT検査の結果、膵臓癌が再発していました。担当医は、3ヶ月から1ヶ月の余命ではと言っていました。本当にそのよう余命なのでしょうか?また、セカンドオピニオンを考えた方がよろしいでしょうか?ご教授ください。宜しくお願い致します。
すい臓がんの肝臓への転移
今年の3月にすい臓がんと診断された父親についての2回目の相談になります。 抗がん剤治療を4ヶ月ほど続けていましたが、先週のCTにより肝臓への転移が見つかりました。主治医は治療方針がかわります。とおっしゃいました。今までは抗がん剤でガンを小さくしてから手術に持っていきたいとおっしゃっていたのですがそれが転移となるとできないと。その場合はどのような治療になるのでしょうか?単に延命のための治療になるということでしょうか?すい臓がん事態は2か月前と大きさに代わりはないのに転移するものなのでしょうか?肝臓への転移によって今後どのような症状があらわれるのでしょうか?4日前に胆汁を出すために入れたお腹のチューブが詰まったため緊急で入院し、その時のCT検査で転移がわかりました。今はまだ仮で鼻からのチューブで外に胆汁をだしているためそれが落ち着いたら詳しく治療方針を説明すると言われましたが、不安でご相談させて頂きました。
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